ヨーロッパの時計ブランドとは違った進化を進める日本の時計ブランドたちは、“最新” “ハイテク” “多機能”などを謳い、時計の未来像を提案する手法を主体にしていた。しかし便利さをアピールする場合、それ以上便利なものが出てくれば、存在価値は失われるだろう。そもそも便利さに勝負になると、スマホに並ぶものはない。
そこで国産ブランドは、よりエモーショナルな時計を目指し始めている。ポイントとなるのは、既存技術の熟成。ムーブメントの手巻き化やコンセプトモデルの製品化、あるいは引き算の考えから生まれた2019年の時計たちは、これまでヨーロッパの時計ブランドが得意としていた“伝統と革新”を語るもの。
ブランドの個性を生かしつつ、技術を駆使してエモーショナルな魅力を加えることで、時計としての価値を高めている。
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