2019AWモデルに見るG-SHOCKの現在地【G-SHOCKの最新到達点】

■大人が格好いいと思える高品質モデルがさらに充実

1983年の誕生以降、驚異的な耐衝撃性能で腕時計の常識を覆してきたG-SHOCK。2018年には35周年を迎え、多彩なアニバーサリーモデルが登場したが、2019年も意欲的に新作を投入してきた。さらなる進化を果たそうとする姿勢が、これらのモデルには色濃く感じられる。

中でも注目を集めているのが、カーボンなど新素材を採用するモデルが増えていることだ。時計ジャーナリストの篠田哲生さんは「高級時計と似たトレンド」と見ている。

「カーボンなどの従来の腕時計になかった素材を使う流れは、高級時計ではしばらく続いてるトレンドのひとつです。ただ、デザイン面での変化というより、耐衝撃性など実用面を重視しているところが、G-SHOCKならでは。メタルケースの20周年となった2018年は、樹脂ケースより重い素材にも関わらず、G-SHOCK基準の高い耐衝撃性能を備えたメタルモデルが多数登場しました。2019年にカーボンタイプが増えたのは、メタルタイプでさまざまな技術を培ってきたことも影響していると思います。現状は上位モデルが中心ですが、それでもこの価格帯でカーボンを多用した時計が買えるのは、コストパフォーマンスの面でもすごいことだと思います」

▲2018年に35周年モデルのひとつとして登場したフルメタルケースの「GMW-D5000D」。品薄となるほどの人気ぶりで “大人に合うG-SHOCK ”のニーズを再認識させた

 

■G-SHOCKのクオリティを認める大人が増えてきた

とはいえ従来のモデルと比べると間違いなく高価格化は進んでいる。それでも価格に見合った価値があると認める人は着実に増えているようだ。

「ここ数年は素材や機能のフロンティアとして高品質なモデルを多数リリースしていますが、このラインのユーザーも増えています。単にファッション性だけを求めない、大人の層が注目しているのだと思います。カシオとしても手応えを感じていて、次々と新たな技術を投入していますし、デザイン面で工夫を凝らす余裕も見えています」

MR-Gシリーズに見られる洗練されたデザインにも、進化を感じられる。ここにも素材や機能面の進化が影響している。

「Bluetoothを搭載してスマホと連携させ、本体の機能を絞り込むことで、引き算のデザインができるようになったと思います。腕時計らしい、所有欲を掻き立てるモデルが増えています。エレガンスを追求した「オシアナス」など他シリーズの技術も応用してるでしょうし、カーボンの採用で薄型化を実現したのも大きいですね。かといってスマートウォッチの方向に進むのではなく、G-SHOCKらしい機能美は健在で、現代的なニーズに即したバランスが取れていると思います」

一方で、シンプルな低価格モデルも拡充。いずれもカラーやデザインに遊びを持たせて、魅力あるモデルに仕上げている。

「上位モデルで技術革新を図る一方で、ローエンドモデルでは1990年代のデザインをモチーフにするなど、独自のカルチャーを掘り下げています。未来に進めるし、過去にも戻れる。そんなのG-SHOCKならではの世界観が一層拡大していると感じています」

▲熱狂的なG-SHOCKブームが起きていた1990年代のカラーをモチーフにしたモデルも登場。長い歴史と独自のカルチャーを思い出させてくれるモデルも増えている

 

時計ジャーナリスト
篠田哲生さん
男性誌の編集者を経て独立。コンプリケーションウォッチからカジュアルモデルまで多彩なジャンルに造詣が深く、専門誌からファッション誌まで幅広い媒体で執筆。時計学校を修了した実践派でもあり、時計関連の講演も行う。

 

▼タフネスを進化させる新たな素材

今春からカーボン素材を多用したモデルを続々とリリース。軽く、強度が優れ、防水性も高いことから、タフネスウォッチに適しており、新たなスタンダードになっていく勢いがある。チタンを使用した5000シリーズも登場し、樹脂、メタルに続く新素材の採用が一層進んでいる。

▼所有欲を高める引き算のデザイン

「MR-Gシリーズ」をはじめ、デザインが洗練されたモデルが増加。新素材の採用や仕上げ技術の進化、さらにスマホ連携などで本体に搭載する機能を絞り込めたことで、デザインの幅が広がっている。ビジネスシーンに合うモデルも増えてきた。

▼充実の機能がスマホ連携で快適に

多機能化が進む中で操作が複雑になってきた問題を、Bluetoothを搭載してスマートフォンと連携させることで解消。時刻修正やホームタイムとワールドタイムの切り替え、アラームの設定などが、アプリ上で操作できるようになり、機能を使いこなしやすくなった。

▼話題性のあるモデルも続々と登場

新たな素材や機能に注目が集まる一方で、カラーリングやデザインに特徴があるモデルも次々とリリース。話題性のあるコラボなど、G-SHOCKならではのカチャーも健在で、ハイエンドからローエンドまで、すべてのラインで独自の世界観を広げている。

>> 【特集】G-SHOCKの最新到達点

本記事の内容はGoodsPress12月号92-93ページに掲載されています

 


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(取材・文/高橋 智 写真/江藤義典 スタイリング/小孫一希)

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