伝統と技術進化を堪能!定番モデルの最新機械式腕時計6選【モノ賢者の買い物リスト】

■選ぶときは自社ムーブメント搭載モデルを

毎年多彩なモデルが登場する機械式時計。国内外にさまざまなブランドがあり、1モデルでもカラーや素材のバリエーションが豊富となると、その中から長く愛用していける1本を探し出すのはなかなか難しいことだ。トレンドに左右されにくく普段使いにも適しているモデルに限定すれば多少は絞り込めるが、それでもまだ選択肢は多い。現実的な価格帯で満足感も高いモデルを、時計ジャーナリストの名畑政治さんに聞いたところ、ひとつの答えが返ってきた。

「定番コレクションの新モデルであれば、確かな価値を見出して長く使っていけるのではないでしょうか。外装、ムーブメントともに各ブランドの高い技術が注ぎ込まれ、歴史の重みも感じられる。その上で、ムーブメントなどに最新の技術が投入され、機能的な進化も遂げています。手を出しやすい価格帯でも候補は十分あります」

その代表例として挙げてもらったのが、グランドセイコーの3針モデルだ。高精度な自社製ムーブメントの組み立てはもちろん、外装の仕上げまで熟練の職人が手がけた美しい1本。シンプルなデザインながらも、細部まで隙のない、高い完成度を実感できる。

「自社製ムーブメントは、機械式時計を選ぶ上でひとつのキーワードと言えるでしょう。汎用ムーブメントではなく、自社製ムーブメントを採用する動きは、15年ほど前から盛んになってきました。自社で一貫して製造を行う、いわゆるマニュファクチュール化の動きです。クオリティが高い外装との厳密なバランスを考えると、やはり自社製ムーブメントの搭載が望ましいところ。これらはそのブランドの技術力を推し量ることができますし、ムーブメント自体に興味を持つきっかけにもなるでしょう」

定番コレクションの最新モデルは、そのブランドの顔であり、伝統と技術進化を証明するものでもある。グランドセイコーは、まさに日本の時計技術の進歩を感じ取れる名作のひとつ。歴史に思いを巡らせながら、細部の仕上げや緻密な機構を眺めるだけでも、愛着が湧いてくるはずだ。

 

1. 日本が誇る時計技術を機構からケースに至るまで惜しみなく投入

グランドセイコー
「ヘリテージコレクション SBGR317」(52万8000円)

機械式の自動巻き付きタイプで、新しい現行モデル。落ち着きのあるベーシックなデザインで長年愛用しても飽きがこないでしょう(名畑さん)

 

最新のひげぜんまいを採用し、実使用時の精度を高めたムーブメント「キャリバー9S65」を搭載する自動巻モデル。均整のとれたインデックスやブラックダイヤルが引き締まった印象を与える。最大巻上時に約72時間駆動
[SPEC]ケースサイズ 横40mm、SSケース、自動巻(手巻付き)、10気圧防水

▲ラグには高度な技術を要するザラツ研磨が施され、美しい輝きを放つ

▲力強く立体的なインデックスは、高級感を演出すると同時に、視認性を高める効果もある

▲裏ブタはシースルーバック仕様。ムーブメントの精緻な動きを眺められる

■グランドセイコーを支える確かな技術

▼熟練技術を集結させた世界屈指の工房

グランドセイコーの機械式モデルは、岩手県にある雫石高級時計工房で製造。現代の名工や紫綬褒章を受賞した熟練職人が在籍し、ひげぜんまいや歯車といった細かな部品の設計から製造、組み立て、調整、検査まで一貫して手がけている。

▼精度を徹底追求した9Sメカニカル

世界最高峰の腕時計を目指すグランドセイコーの核となるのが、高精度なムーブメント。200~300点もの部品で構成させる9Sメカニカルは、最新技術で脱進機を製造し、 1/100mm単位の調整と厳密な検査を経て搭載される。

▼独特のスタイルを形成するデザイン要素

均整のとれた美しいデザインは、グランドセイコーが腕時計の本質として捉えている「正確さ」「美しさ」「見やすさ」、さらに「長く愛用でき」「使いやすいこと」を前提に導き出されたもの。この基本をベースに日本の腕時計らしいスタイルを追求している

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