■フロアレステントは秘密基地っぽさが増す
シェルターにもなるテントは以前からあるが、昨今はあえてインナーを付けないフロアレス派がキャンプのひとつのトレンドとなっており、各社から積極的にフロアレスを楽しむテントやタープ、シェルターが登場。ブーム前夜といった様相となっている。
アウトドアプロデューサーの牛田浩一さんは「フロアレステントは寝袋に入るまで靴を脱ぎ履きする必要がありません。春夏はコットに寝転び、秋冬は小さなテントを入れるカンガルースタイルに。準備が簡単だし、汎用性の高さが人気の理由では」と分析する。
カフェ風の魅せるキャンプと、少ない荷物で過ごす野営志向に二極化しつつある現在、魅せる派はただでさえ道具が多く、準備も片付けも大変。設営が楽でレイアウトの自由度も高いフロアレスに向かうのは納得だ。流行のミリタリーテイストともマッチする。一方、野営派はフロアレスにすることで秘密基地っぽさが増す。キャンプスタイルを選ばないのも、フロアレス派増殖に拍車をかけそうだ。
「テント自体は大型化の傾向が続いていますが、日本は区画サイトが中心。今後、限られた区画サイトで困ることのないよう、幅や奥行きを抑えつつ室内空間を広くするアイデアを搭載したフロアレステントが注目されるのでは」
▼フロアレステントとは?
天井と壁に囲まれているけれど、床はなく地面がむき出しのテントで、靴の脱ぎ履きをすることなくテントを出入りできる。シェルターやウォールを取り付けただけのタープ、インナーを取り外したテントなどがある。
1. Y字ポールで窮屈感を大胆解消
ogawa
「ツインクレスタ」(7万4000円)
Y字ポールのおかげでヘッドクリアランスが広くなるとともに、側面が台形になっていて、居住性が大幅に向上しています(牛田さん)
よくあるストレートポールではなく、上端がふたつに分かれたY字ポールを採用することで天井付近の空間を拡張。パネルを途中まで巻き上げる、サイドのメッシュ窓など、気候に対応しやすい工夫も満載だ。 2~3人向き
2. アウトフレームで荷物が多い人も安心
テンマクデザイン
「サーカス720SS」(8万7780円)
サイドウォールを取り付けることで壁が垂直に。たったこれだけですが、デッドスペースがなくなり有効に使える空間がグッと増えています(牛田さん)
片面を張り出して全閉するため、壁際に背の高いラックを置ける。また内側からポールを突き立てるのではなく、クロスポールに幕を引っかけるので室内はスッキリ。モノの多い人もストレスなく利用できる。
3. カマボコ型の横揺れを独自の設計で軽減
サバティカル
「ギリア」(4万3780円)
大型化が進むカマボコ型ですが、「ギリア」はほどよいサイズ感に仕上げています。2サイズのインナー付きでこの価格なのも特筆モノですね(牛田さん)
アウトフレーム構造のカマボコ型にブリッジフレームを追加したことで、簡単設営と横揺れの軽減を両立させている。通常のカマボコ型とは異なり半自立型なので、林間のフリーサイトなど設営位置の微調整もしやすい。
4. タープ泊が快適になるオトクなセット
ユニフレーム
「REVOタープsolo ウォールセット カーキグリーン」(2万9800円)
男ゴコロをくすぐるカラーリングと基地のようなサイズ感、そして汎用性の高さが使い手を楽しませてくれます。ギア感満載ですよ(牛田さん)
非対称の独自デザインで知られる「REVOタープ」を1~2人用に小型化。専用のウォールを取り付けると自分だけのスペースに変身する。ポール、ペグ、ハンマーは別売で、小物で自分らしさを出せるツウ好みの仕様になっている。
5. 低限の機能を磨いた男前シェルター
DDハンモック
「DD Aフレームテント マルチカム」(2万7500円)
電車やフェリーといった公共交通機関を使って行くキャンプなど、ミニマムスタイルのキャンパーにはピッタリなモデルです(牛田さん)
新緑から落葉まであらゆる季節の森林に溶け込む独自のマルチカモ柄を採用しており、釣り&キャンプで活躍するシェルター。934g(フレームは別売)の軽さも自慢だ。1~2人用。同社のメッシュテントと組み合わせてもいい。