■今の主流は空気清浄特化タイプと加湿機能搭載タイプ
室内の空気を常にきれいに保ちたいと考え、花粉シーズンだけでなく、1年を通して空気清浄機を使う人は珍しくなくなった。こうしたニーズに沿うようにバリエーションも豊富になってきたが、主にリビングなどで使うモデルはふたつのタイプに分けられる。その違いを家電プロレビュアーの石井和美さんは、次のように説明する。
「主に空気清浄に特化したタイプと、加湿や除加湿ができるタイプに分かれます。日本で売れているのは加湿機能搭載モデル。冬場に加湿器を置かなくてすむので、場所を取らないというメリットもあります。また、フィルターを数年使えるものも多く、中にはプレフィルターを自動掃除してくれる製品もあります」
もうひとつの空気清浄に特化したタイプは、パワフル吸引やフィルターに特徴がある。
「空気清浄に特化したタイプは、高性能フィルターを搭載し、定期的に交換するものが多いですね。しっかり空気を清浄でき、お手入れはフィルターを捨てるだけなので簡単ですが、ランニングコストが高くなるところがネックです」
また、最近は空間の除菌・脱臭に特化した除菌脱臭機も登場。部屋の環境や家族構成、健康面で気にしていることなどを軸に、最適なモデルを選びたい。
▼パワフル吸引タイプ
1. 高性能フィルターで微粒子も臭いも除去
ブルーエア
「Blueair Classic 290i」(実勢価格:5万5000円前後)
広い開口部から無理なく大量の空気を取り込み、高性能フィルターでホコリや花粉、ダニの死骸、バクテリアなども除去できます(石井さん)
粒子イオン化技術と高性能フィルターを融合した独自技術で、空気中の有害物質を除去。従来より細かな粒子まで検知するセンサーにより、最適な風量で運転する。スマホを使った遠隔操作にも対応。適用床面積25畳。
2. スピーディーな吸引できれいな空気を循環
カドー
「LEAF 320i」(実勢価格:6万円前後)
空気を大量に循環させる浄化スピードが特徴。セルフクリーニング機能でフィルターを長く使えるのもいいですね(石井さん)
空気中に舞い上がった埃や有害物質などを床に落ちる前に除去できるよう、浄化スピードを追求したモデル。3層のフィルターを搭載し、活性炭と光触媒技術でセルフクリーニングする機能を搭載。適用床面積26畳。
▼加湿機能搭載タイプ
3. ナノイー Xで花粉や有害物質を抑制
パナソニック
「加湿空気清浄機 F-VXS90」(実勢価格:8万円前後)
下部からの吸引力を高めているので、床上30cmに溜まりがちな花粉やハウスダストをパワフルに吸引してくれます(石井さん)
高精度センサーで0.3μmの微粒子まで検知し、汚れの種類に合わせた気流と風量で効果的に吸引。3つの高性能フィルターで微細な汚れもしっかり捕集する。加湿性能は1時間に最大870mlとパワフル。適用床面積40畳(空気清浄)。
4. ストリーマの分解力が素早く空気を清浄
ダイキン
「加湿ストリーマ 空気清浄機 MCK70W」(実勢価格:4万8000円前後)
ツインストリーマで有害ガスをスピーディに分解。撥水・撥油効果の高いフィルターを採用しており、10年間交換不要です(石井さん)
有害物質を分解する働きがあるストリーマを従来の2倍搭載し、有害ガスの分解速度と脱臭性能がアップ。さらにストリーマで集塵フィルターや加湿フィルターも除菌する。加湿能力は650ml/時。適用床面積31畳(空気清浄)。
■機能特化型の除菌脱臭機にも注目!
除菌と脱臭に特化した除菌脱臭機は、医療機関で採用されていることもあり、近年注目が集まっている。石井さんによると「特に脱臭効果が高いので、家の臭いが気になる人、ペットを飼っている人にも人気」とのこと。臭い対策として導入してもいいだろう。
▼除菌効果のある次亜塩素酸で空気を洗う
パナソニック
「空間除菌脱臭機 ジアイーノ F-MV4100」(実勢価格:15万円前後)
水道水と塩タブレットで次亜塩素酸を自動生成。有機物の分解スピードが速く、空間全体を除菌できます(石井さん)
浮遊している菌や臭いを吸引し、本体内の次亜塩素酸で除菌・脱臭。室内に付着した菌も次亜塩素酸を放出して洗浄する。次亜塩素酸の生成に使う塩タブレットの自動投入機能が加わり、使い勝手が向上した。適用床面積18畳。
▼円筒形状で360度の空間をしっかり脱臭
シャープ
「プラズマクラスター除菌脱臭機 DY-S01」(実勢価格:3万5000円前後)
プラズマクラスターNEXTの高濃度イオンで素早く消臭します。脱臭性能が長く持続するところも特徴です(石井さん)
本体に空気を取り込み、脱臭性能が長く持続する光触媒脱臭フィルターで、吸着した匂いを高効率で分解。さらに高濃度のプラズマクラスターイオンを放出して、空気中の除菌・脱臭も行う。脱臭適用床面積15畳。
※2020年4月6日発売「GoodsPress」5月号掲載記事をもとに構成しています
[関連記事]
部屋の格調を上げる空気清浄機で花粉の時期を乗り切ろう
「アレクサ」や「OK!Google」で加湿器も操作できるようになりました!
取材・文/高橋 智
- 1
- 2