■塗装をすればガンプラの仕上がりは見違えるほど良くなる
ガンプラ界のレジェンドである川口名人は「すいプラ」という企画名で毎週水曜日に動画を配信している。数あるコンテンツで紹介されている塗装や加工のうち、比較的挑戦しやすいものを挙げてもらった。
「例えば、スタンダードなHGシリーズの場合、省略されがちなディテールや色分けを補うように、アニメの設定画などを参考にしながら、マーカーで少し塗装してみましょう。それだけでも見栄えが良くなります。HGシリーズの中では「RX-78-2 ガンダム」のキットがシンプルで作りやすく、組み立て後に手を加えるのにはお勧めですね」
「すいプラ」では初心者にも挑戦できそうで、ほんの少し本格的な塗装方法も紹介している。
「そのひとつが、#49で実践している“ドライブラシ”という塗装方法。パーツのモールドを際立たせる効果が加えられます。また、#48で取り上げているサビの表現も含めて、それらを参考に“デコレーション感覚”で塗装してみましょう」
塗装に便利な道具として川口さんが勧めるのは、GSIクレオスの塗料シリーズだ。
「ガンダムマーカーは塗料皿を使って筆塗りもできます。特にメタリック系は発色がよく、金属の質感を再現できます」
一方の加工は、特定の部分を処理するだけでも十分効果的だ。
「ガンダムはアンテナをシャープにするだけで、イメージがかなり変わります。いつもは上野文盛堂のヤスリや、ゴッドハンドの神ヤスを使っていて、特に後者の10mmタイプは適度な硬さがあって扱いやすいですね」
これらのアドバイスとともに「すいプラ」の動画を参考すれば、ガンプラの仕上がりは見違えるほど良くなるはず。ぜひ製作に役立ててほしい。
【Challenge1】アンテナや合わせ目をヤスリがけ
ガンプラは安全基準の観点から、キットによってエッジがやや丸く成形されている。そこをヤスリで削って尖らせると、見栄えがグッと良くなる。ただし、作業中、折らないように要注意だ。また、あえて接着剤を使ってパーツを組んだ後にヤスリがけすると、合わせ目が目立たなくなる。
▼ヤスリがけにお勧めのアイテム
上野文盛堂
「超極細 プロ使用最高級ヤスリ」(1430円)
広島県呉市にある老舗メーカーの鉄製ヤスリ。適度なしなりがある超極薄仕様で、使い勝手がいい。比較的リーズナブルな価格も◎
ゴッドハンド
「神ヤス!(スポンジ布ヤスリ)」(660円)
切削力が落ちにくい布ヤスリを、丈夫なスポンジに貼り付けた “目からウロコ” の道具。曲面や逆R面のヤスリがけにも対応する。
▼白いパーツのヤスリがけにはマジックを使うのも手
削った箇所が分かりにくい白いパーツは、あえて黒マジックなどで塗ってしまおう。エッジの削れ具合を確認しながら作業できる。
【Challenge2】マーカーや塗料を使ったカラーリング
塗装は、ガンプラの見栄えを良くするスタンダードな方法のひとつ。さまざまな塗料がある中で、川口さんがライトなモデラーにお勧めするのは、ガンダムマーカーや水性ホビーカラー。好きなカラーへの全体塗装はもちろん、パーツの色分けやクリアパーツの彩色などにも使える。
▼カラーリングにお勧めのアイテム
GSIクレオス
「水性ホビーカラー」(各198円)
2019年末、リニューアルされた水溶性アクリル樹脂塗料。水性だけに乾燥前なら水洗浄も可能。臭いが抑えめな上、ムラになりにくい。
GSIクレオス
「ガンダムマーカーEX」(各330円)
ペン型の塗料ツール。アルコール系塗料なので臭いがあまり気にならない。塗料だけ塗料皿に出して筆塗りできるなど、汎用性が高い。
▼筆塗りで挑戦したいサビや汚れの表現
筆に残った塗料が少し乾いたところで塗り付けるドライブラシは “サビ” や砂ボコりをかぶったような“汚れ”を表現できる。
■塗装におすすめ!パーツをキャンバスにしたペインティングモデル
ガンプラには、塗装を楽しむことに特化したペインディングモデルがある。白やグレーの成形色が中心のため、塗装がしやすい。川口名人の解説書が付属するのも魅力だ。
BANDAI SPIRITS
「HG 1/144 ガンダムベース限定ユニコーンガンダム(デストロイモード)[ペインティングモデル]」(2530円)
装甲は白、フレームがグレー、機体の特徴的なサイコフレームにはクリアーの成形色を採用。東京・台場にある実物台のガンダム立像を参考にしながら塗装や加工を楽しむのもオススメだ。
BANDAI SPIRITS
「HG 1/144 ガンダムベース限定ザクII TYPE C-6/R6[ペインティングモデル]」 (販売予定価格:2420円)
『機動戦士ガンダム THE ORIGIN』のOVAに登場するザクⅡが題材。バリエーション豊富なザクならではのオリジナルカラーを試せる。白いカラーは、無塗装でも十分かっこいい!
©創通・サンライズ
※2020年5月6日発売「GoodsPress」6.7月合併号掲載記事をもとに構成しています
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取材・文/桑木貴章 写真/羽田 洋<プロペラ映像製作所>
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