1. トヨタ プロボックス
かつてトヨタのライトバンはカローラ/スプリンターシリーズの中に組み込まれていましたが、2002年、そこから独立する形でプロボックスが登場しました。5ナンバーサイズの四角いボディは取り回しが良く、また、限られたサイズの中で最大限荷物を積むのに役立ちます。
2018年11月には昼間の歩行者検知も可能になった衝突回避支援パッケージ“Toyota Safety Sense”が標準装備されるとともに、ハイブリッドがラインナップに加わりました。
荷室はワンアクションでリアシートを畳んでフラットな床面を作れます。上級グレードのFは座面を前に起こして背もたれを倒すことで、フラットで高さも抑えた荷室が作れるように。座面は前に倒すだけでなく取り外すこともできます。
シンプルでタフな足回りは秀逸で、決して乗り心地がいいわけではないですが、たくさん荷物を積んだ時も安心して高速道路などを走れます。ビジネスカーながら全日本プロボックス・サクシード選手権(プロサク選手権)というワンメークレースが開催されていることからも、その性能は分かります。アウトドアやサーフスタイルなど、さまざまなカスタムパーツを作るショップも存在します。
2. トヨタ ハイエース
趣味などを楽しむ人からもっとも選ばれている商用車といえばハイエースバン。1967年に初代がデビューし、現行型は通算5代目となるモデルで、2004年にデビューしました。最新型は3度目のマイナーチェンジを受けた4型と呼ばれるモデルです。
箱型ボディの積載力はずば抜けていて、サーフボードなどの長尺物はもちろん、オフロードバイクや自転車などもそのまま載せることが可能。キャンピングカーのベース車両としても人気があります。
また、アフターパーツが豊富にあるため、いかつい仕様からビンテージ風のものまで、カスタムを楽しむ人も多くいます。
中古車市場でも人気があり、海外からの注目も高いため、ほかのクルマに比べて下取り価格の値落ちがしにくいのもハイエースならではの魅力でしょう。
2020年4月にはオプションでルームミラー内に後方のカメラ映像を映し出すデジタルインナーミラーや俯瞰映像で周囲を確認できるパノラミックビューモニターを選べるようになりました。
乗用車代わりに乗る人の多くはリアシートがしっかりしている上級グレードのスーパーGLがいいかもしれません。ボディは標準ボディとワイドボディがあり、標準ボディは2Lガソリンと2.8Lディーゼル、ワイドボディは2.0Lディーゼルになります。
3. トヨタ ハイラックス
1968年に登場したピックアップトラックのハイラックスは、6代目までは日本でも販売されていました。しかし2004年デビューの7代目は日本で販売されず、一時その系譜が途絶えましたが、2015年にフルモデルチェンジした8代目が2017年から日本でも販売されるようになりました。
復活したハイラックスは、1ナンバー登録の商用車扱いとなるモデルです。日本で販売されるのは、リアシートを備えるダブルキャブのみ。グレードはベーシックなXと、装備を充実させたZの2種類が用意されています。
SUVと違いキャビンが独立しているので、荷台に汚れたバイクやスノーモービルを積むという使い方も可能。荷台にはサビや腐食に強い鋼板が使用されています。
ただ、荷物を載せる部分にルーフがないので、そのままだと雨が降ったらびしょ濡れに。それが嫌な人のためにオリジナルアクセサリーでソフトトノカバー、ハードトノカバー、キャノピーなどが用意されています。
2019年6月には夜間の歩行者と昼間の自転車運転者を検知するプリクラッシュセーフティが搭載されるとともに、リアデフロックが全グレード標準装備となり悪路走破性が向上しました。
4. 日産 NV350キャラバン
ハイエースのガチライバルとなるNV350は、1973年にデビューした日産キャラバンの系譜となるモデルで、現行型は2012年にデビュー。2017年7月のマイナーチェンジで、日産のデザインアイデンティティであるVモーショングリルを強調した表情が与えられました。
ハイエース同様、ボディは標準ボディとワイドボディがあり、バンにも標準ルーフの他、ハイルーフがラインナップ。さらにオーテックジャパンのエアロパーツをまとったライダーも設定されています。エンジンは2Lと2.5Lのガソリン、2.5Lディーゼルターボの3種類。
ロング×標準ボディのNV350は、室内長3050mm、室内幅1520mm、荷室高1325mm。これは4ナンバーの小型貨物車でナンバーワンの広さです。室内には自由にバーを組んで荷物を積みやすくできるよう、ユーティリティナットが多数つけられています。
5. 日産 NV200バネット
1978年にデビューした小型ワンボックス、バネットの流れを組むNV200バネット。5代目となる現行型は2009年にデビュー。この代からセミキャブオーバーのミニバンのような形状になっています。
小型車枠に収まる1695mmの全幅は街中でも扱いやすく、また荷室高1320mmとミニバン並みの高さがあるため大きな荷物も積みやすい。そのため、アウトドアを楽しむ人からも支持されています。それもあり、NV200をベースに架装した車中泊仕様車を製造するキャンピングカービルダーも多くあります。
2020年1月の仕様向上でエマージェンシーブレーキがカメラに加えてレーダーを併用するシステムに。夜間の検知能力が向上しました。あわせて標識認識機能も搭載されています。
6. ホンダ N-VAN
アクティバン、バモスというミッドシップレイアウト軽ワンボックスの後継モデルにあたるN-VAN。最大の特徴は、N-BOXをベースとしたFFレイアウトの商用モデルになったことです。
デザインはベーシックなN-VANに加え、ポップな雰囲気をまとった+スタイルファン、シックな雰囲気の+スタイルクールという3系統を用意。+スタイルファンはハイルーフ、+スタイルクールはロールーフと、使い勝手でも差をつけています。
FFのハイトワゴンタイプに最大限の積載性を持たせるために、後部座席はあくまで補助的なものに。助手席もスライド機構を排除するなど、あくまでドライバーがたくさんの荷物を運ぶためのクルマと割り切った設計にしました。
後部座席だけでなく助手席も格納して2635mmという室内長を実現。ホンダが得意とする低床設計で荷室高も1365mmとたっぷりとられています。
車中泊をしたり、バイクやサーフボードを積んだりするときに便利なオプションも多数用意されているため、軽自動車を遊びで使い倒したい人にぴったりの1台です。
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高橋 満|求人誌、中古車雑誌の編集部を経て、1999年からフリーの編集者/ライターとして活動。自動車、音楽、アウトドアなどジャンルを問わず執筆。人物インタビューも得意としている。コンテンツ制作会社「ブリッジマン」の代表として、さまざまな企業のPRも担当。
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