必要な機材がアプリで揃えられるのでiPadだけでも本格的な作曲ができます
音楽プロデューサー・山木隆一郎さん
安室奈美恵、鈴木愛理、東方神起など、数多くのプロデュース、作曲を手掛ける日本R&B界の鬼才。UVIやKORGなど、楽器メーカーのオフィシャルデモソング制作なども担当している。自身のユニット“RYPPHYPE”でも活動中
音楽制作にiPadを使い始めたのは2011年から。最初はiPad 2を使っていました。それ以前もiPod Touchで声や周囲の音を録って、素材に加工したりしていたんです。ただ、iPadが登場すると音楽制作に活用できるアプリが多く出てきて、もっと幅広い作業ができるようになりました。UIが優れたアプリが多く、実際のハードっぽい使い方ができるんです。その後も2年おきくらいで買い換えて、今はiPad Pro(2018)を愛用しています。
アプリは昔から「GarageBand」をよく使っています。弦楽器やキーボードなど、多彩な楽器の音を作れる機能を直感的に使えて便利です。録音機能を使って口でドラム音を入れたり、歌を重ねたりと自由自在。プロの現場でも愛用者は多くて、これだけで完成手前まで仕上げてしまう人もいます。気軽に持ち出せるのもiPadの便利なところ。屋外で思いついたアイデアをスケッチして、iCloudに保存し、自宅のMacで編集することもあります。
iPad ProはCPUが高性能なので、高度な作業もスムーズですね。昔は8トラックまでしか重ねられなかったのですが、今はもっと多くの音を重ねて複雑な曲を作れます。MIDI鍵盤もつないだりできて、拡張性も優れています。
「GarageBand」以外にも、KORGの「Gadget 2」や「Launchpad」など、直感的に操作できるアプリが多いので、ビギナーでも気軽に曲作りを楽しめると思います。まずは気軽に触ってみて、出てきた音をどんどん重ねたりつなげたりする。そんなカジュアルなスタイルで作曲ができるのも、iPadならでは魅力だと思います。
▼このアプリを愛用!
「GarageBand」(無料)
さまざまな楽器の音を組み合わせて、手軽に音楽制作ができる多機能アプリ。直感的に操作できるUIと豊富な内蔵音源、ループなどの機能を使い、ビギナーでも簡単に曲を作れる。
■こんなアプリも作品作りにお勧め!
▼豊富な音源を使ってアイデアを素早く音楽に
「KORG Gadget 2」(4900円)
40種以上の小型シンセサイザ ー/ドラムマシンを搭載。それらを自由自在に組み合わせて、直感的なインターフェイスで手軽に音楽制作が行える。
▼シンセサイザーの名機をアプリで再現
「KORG iWAVESTATION」(3680円)
1990年に発売されたシンセサイザーの名器を再現したアプリ。複数の波形の合成や連結といった特徴を、グラフィカルなUIとタッチ操作で利用できる。
▼ループやサウンドをタッチ操作で簡単ミックス
「Ampify Music Launchpad」(無料 ※App内課金あり)
8つのループやサウンドを組み合わせてリアルタイムに楽曲制作・演奏していくアプリ。テンポを変えたり、ループを組み合わせたりと自由に楽しめる。
▼指1本で感覚的にトラックメイキング
「KORG iKaossilator」(2440円)
手のひらサイズのシンセサイザー「KAOSSILATOR」をアプリで再現。タッチ・パッドをなぞったり、叩いたり、 擦ったりするだけで簡単に演奏できる。