“逆輸入車”という言葉に心躍らせた経験があるのは、古くからのバイク乗りでしょうか。今では耳にする機会がほとんどなくなったバイクの逆輸入車は、なぜ生まれ、なぜ少なくなったのか。代表的な名車とともに、その歴史を振り返ってみたいと思います。
■きっかけは「CB750FOUR」だった!?
逆輸入車とは、その名の通り国内メーカーが製造しているのに、海外から輸入しなければならなかったモデルのこと。なぜそんな面倒な手順を踏む必要があったかというと、国内モデルには多くの規制(自主規制を含む)が存在したからです。
その代表的は、排気量の上限が750ccとされていたこと。これはメーカー各社による自主規制だったのですが、1969年に発売されたホンダの「ドリームCB750FOUR」がきっかけで導入されたものでした。当時、世界最速の性能を実現してしまったがゆえに“これ以上速いバイクを国内で走らせるのは危険”という判断が働いてしまったのは皮肉な結果です。