■NBA初制覇とドリームチーム結成
90年代に入るとMJそしてAJの進化は、さらに加速度的にスピードを増していく。1990年に5代目としてリリースされた「AJ5」では、MJのプレースタイルと第二次大戦中の戦闘機「P-51」の戦闘シーンを重ね合わせ、デザインに落とし込まれた。
クリアラバーを、アウトソールやアッパー側面に配されたメッシュパネルなど随所に用いることで、近未来的なビジュアルを作りだした同モデルは、強敵たちに苦戦を強いられるブルズを尻目に、折からのスニーカー・ブームに乗って大ブレイク。
アメリカでは、このモデルを巡って殺人事件まで発生したというエピソードからも、当時の熱狂ぶりが窺い知れる。また、シリーズにおいて初めて背番号23を背負ったというのも人気に火を点けた一因。このモデルの登場こそ、のちの“ジョーダン”快進撃の狼煙といえよう。
翌1991年、MJ率いるブルズは悲願のNBA初制覇を達成! 自身もファイナルMVPを受賞し、着用モデル「AJ6」にスポットが当たった。“素足感覚”をテーマに開発された同モデルは、優れたフィット感を実現するインナーブーツ・システムを初採用。さらにこれまでのモデルで培われた技術とディテールを結集した集大成的モデルとして、フェイバリットに挙げるファンも多い。
続く「AJ7」がリリースされた1992年は、スペインでバルセロナ五輪が開催された年。MJも、もう1人のMJことマジック・ジョンソンと共にアメリカ代表“ドリームチーム”を率いて参加。オリンピックカラーに彩られた「AJ7」を履いてチームを優勝へと導き、自身2度目の金メダルを獲得。
ブルズの選手としては、チーム史上最多勝を挙げ、ファイナル2連覇。さらにワーナー・ブラザーズの人気キャラクター、バッグス・バニーとプロモーションを展開。これまで表に出してこなかったコミカルで親しみやすい一面を見せて、“ジョーダン” のファン層はさらなる広がりを見せる。
■シリーズ初のナンバリング!熱狂的人気は社会現象にも
「AIR JORDAN 5」(1990年)
第二次大戦時代の戦闘機「P-51」にインスピレーションを得て制作されたシリーズ第5弾。アウトソールのクリアラバーや、アッパー側面のメッシュパネル、さらにはクリア樹脂成形のシューレースストッパーなど、これまでになく革新的な素材使いで近未来感を演出。キックスラボ販売価格:5万8080円(NIKE AIR JORDAN 5 RETRO OG)
■悲願のNBA初優勝を支えた初期シリーズの集大成
「AIR JORDAN 6」(1991年)
MJからの要望に基づき “素足感覚” をテーマに開発。低重心に設計されたアッパ ーにはインナーブーツを搭載し、パンチング加工で通気性も確保。ビジブルエアやプラパーツなど過去作の要素に、ラバー製のシュータンやヒールタブなど最新のディテールが融合。キックスラボ販売価格:5万8080円(NIKE AIR JORDAN 6 RETRO【BLACK INFRARED】)
■オリンピックカラーがシリーズ初登場。進化する素足感覚
「AIR JORDAN 7」(1992年)
同時期に発売された「エア ハラチ」シリーズに搭載されていたインナーブーツシステムを採用。ネオプレン素材による優れたフィット感は、前作の素足感覚をさらに追求した結果である。また、このシリーズから新たにジョーダンラインが立ち上がり、現在に至る。キックスラボ販売価格:4万8180円(NIKE AIR JORDAN 7 RETRO【 PATTA】)