■引退、MLB挑戦、電撃復帰
1993年、クロスストラップが印象的な「AJ8」を履き、NBA3連覇を達成。自身もチームも順風満帆と思われた矢先、不慮の事件で父親を失う。これが引き金となりMJは突如、引退を表明する。その後、自身の幼少期からの夢であり、亡き父親との約束だったメジャーリーガーに挑戦。野球用スパイクにカスタマイズされた「AJ9」を履き、新たなキャリアを歩み始める。翌1994年、MJが駆け抜けてきた10年間を総括する「AJ10」が登場し、5都市限定モデルの枯渇化が話題となる。
そして1995年3月、MJのNBA電撃復帰で、ジョーダン・ヒストリーの第2章が幕を開ける。そのトップバッターとなったのが、バッシュとしては初となるエナメル×ナイロンの切り替えが印象的な「AJ11」。翌年は“ズームエア”を初搭載し、素足感覚に磨きをかけた「AJ12」を履いてNBA2連覇を達成。
「AJ13」で挑んだ1997年、ブルズ時代の最後のシーズンを6度目の優勝で飾り、1998年プレーオフ・ファイナルの第6戦では、次作の「AJ14」を着用。2度目のNBA3連覇を達成。以降は、復帰と引退を繰り返す。
かくしてMJが実際に着用してプレーしたのは2003年の「AJ18」までだが、今でもシリーズは継続中。素材やデザインを刷新しながら、常に進化の歩みを止めずバッシュ界に多大な影響を与え続けている。
KICKSLAB・マネージャーの柿沼さんは、取材の最後にこんな言葉を残した。「1986年にAJ1が発売されて以来、35年以上に渡って世界中のファンを魅了し続けているという事実。これはもうリスペクトの一言に尽きます」と。
バスケットボール史に燦然と輝く記録の数々を樹立し、世界中の人々の記憶にいつまでも残り続ける男、マイケル・ジョーダン。「エアジョーダン」シリーズとともに、偉大なる“ジョーダン”伝説はこれからも続いていく。
■90年代ナイキの技術を過積載したハイテク機
「AIR JORDAN 8」(1993年)
アッパー中央部のクロスストラップは、ストリートバスケ用シューズ「エア レイド」から。「AJ7」譲りのフィット感をさらに一歩押し進め、激しい左右の動きにも対応する当時最高峰のフィット&サポート力を実現。だがその前衛的な姿は賛否両論を呼んだ。キックスラボ販売価格:2万9480円(NIKE AIR JORDAN 8 RETRO SP)
■MLB挑戦によりコート未踏。むしろ活躍の場はグラウンド
「AIR JORDAN 9」(1993年)
■偉大なる10年間の記録を刻んだメモリアルモデル
「AIR JORDAN 10」(1994年)
1995年3月のNBA電撃復帰を待たずにリリースされた10作目。全体的には「AJ9」のシンプルなデザインを継承しつつ、アウトソールにMJが1985年〜94年までの10年間で達成した偉大なる記録を記載。シカゴをはじめとする5都市限定モデルも登場して話題となった。
■エナメル×ナイロン使いは同社のバッシュ史上初
「AIR JORDAN 11」(1995年)
“フォーマルシューズのようなAJ” という要望に従い、堅牢かつ軽やかなナイロン製メッシュと上品なエナメルのトリムをコンビ使いしたことで、これまでになく洗練された佇まいに。ハイとローカットの両方が存在するが、後者は全くの別デザインという点も面白い。キックスラボ販売価格:5万6980 円( NIKE AIR JORDAN 11 RETRO 【CONCORD】)
■機能性とデザイン性を高次元でマッシュアップ
「AIR JORDAN 12」(1996年)
NBA2連覇を達成した1996年シーズンに着用。旭日旗をモチーフにしたともいわれる放射状のステッチ、トゥから大胆に伸びるサポートパーツが印象深い。また本作ではシリーズ初となるズームエアを搭載。主にプレーヤーたちから機能性、耐久性ともに高評価を得た。キックスラボ販売価格:4万6200円(NIKE AIR JORDAN 12 RETRO 【INTERNATIONAL FLIGHT】)
■デザインモチーフは黒豹。“LAST DANCE”の立役者
「AIR JORDAN 13」(1997年)
体表部分の斑点模様を想起させるアッパーや、足裏の肉球の如きアウトソール、暗闇に光る目玉のようなホログラムエンブレムなど、そのモチーフは“黒豹”。「随所から漂うラグジュアリーな雰囲気もあってか、海外、特にアメリカからのお客さんに人気が高いです」(KICKS LAB. 柿沼さん)。キックスラボ販売価格:6万4680円(NIKE AIR JORDAN 13 RETRO【HE GOT GAME】)
「AIR JORDAN 14」(1998年)
「AIR JORDAN 15」(1999年)
「AIR JORDAN 16」(2001年)
「AIR JORDAN 17」(2002年)
「AIR JORDAN 18」(2003年)
※2020年9月6日発売「GoodsPress」10月号掲載記事をもとに構成しています
ここで紹介しているエア・ジョーダンは、復刻モデルも含みます。また、価格が記載されているものは店頭およびWebでも販売しているため、在庫がない場合もあります
<取材・文/富永 “トミー ” 修朗 写真/園田昭彦>
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