ガンプラの「選ぶ」「作る」楽しさ急拡大中【秋の夜長のホビー道】

■モデラーにも嬉しい魅力が詰まったエントリーモデル

ガンプラの新シリーズ第1弾となる「ENTRY GRADE 1/144 RX-78-2 ガンダム」が、ガンダムベース東京などの一部販路で先行発売中だ。売れ行き好調の理由として、佐藤さんは「“エントリー”というブランドながら、モデラーにも嬉しい魅力が詰まっているから」だという。

「まず、パーツ同士の合わせ目が、とことん目立たないよう設計されているのに驚きました。特にボディの構造は従来のガンダムのキットとは大違い。パーツを縦方向に“ハメる”ようになっているので、今まで苦労していた“脇の下の合わせ目”の処理が、ほぼ必要ありません。さらに、パーツの色分けがキッチリできているのも大きなポイント。“エントリー”というキットでありながら、フロント腰部の黄色い“V字”まで別パーツになっています。マスキングが必要な箇所がほぼなく、塗装がしやすくなっているんです」

製作時間を短くするための工夫は、ランナーのパーツ配置にも見て取れると佐藤さん。

「部位ごとにパーツがまとまっているのは、とても分かりやすいと思います。パーツ数が少なくて、部位ごとの形状を判別しやすいから、全部のパーツを切ってから、まとめて仕上げることもできそう。それと、頭部から作る工程になっているのも、初心者には嬉しいところでしょう。それに作りやすいだけでなく、完成後に各部がしっかり可動する点も抜かりがない! しかも、この値段でリリースするのは、本当にすごいと思いますね」

 

■Buildするだけでなく、仕上げや塗料にもTRYしたいならコレ!

BANDAI SPIRITS
「ENTRY GRADE 1/144 RX-78-2 ガンダム(ライトパッケージ Ver.)」(550円)

40年にわたって培われたガンプラの技術を結集させ、作りやすさ、可動域の広さ、プロポーションのよさを両立。パーツ構成の大幅な見直しによって細かく色分けされていることから、簡易キットには珍しくシールが付属していない。2020年12月発売予定

 

▼大胆なパーツ構成で新鮮な製作体験を楽しめる

いくつかの部位がひとつのパーツとして成形された、新しい構造を採用。全67点というミニマムなパーツ構成で、製作工程が格段に少なくなっている。なお、首、胸部、腰部にはボールジョイントを採用。可動域が広く、胸を張ったり前屈みにしたりというポージングも思いのまま。劇中を妄想しながらディスプレイを楽しめる。

 

▼色分けが細かいので組んだだけでもカッコいい

例えば頭部では、五角形のアンテナ基部の赤や、カメラアイの黄色が別パーツとして色分けされている。なお、ガンダムの “目元” の特徴といえるカメラアイ周囲の黒い輪郭が、パーツ同士の間にできるわずかな影によって表現されるのも新しい。シールを貼ることで表現していた従来のキットとは大きく異なるアプローチだ。

 

▼ランナーのパーツ配置から作りやすさを徹底的に追及

各ランナーに収まっている全67種類のパーツを、頭部、ボディ、両腕、腰部、両脚といった部位ごとに分かりやすく成形。従来のキットに比べて、パーツを探す手間が少なくなっている。また、ランナーとパーツをつなぐゲートの位置が考え抜かれているのもポイント。入念な仕上げを行わなくてもゲート跡が目立ちにくい。

 

▼タッチゲート仕様で工具なしでも組み立て可能

ランナーの各パーツを手で取り外せる “タッチゲート仕様” を採用。工具を使う際にもスムーズにカットできる。なお、パーツを組み合わせた部位のいくつかは、装甲間のスリットのように見えるのもポイント。“合わせ目消し”の手間が少なく、従来のキットに比べて製作時間が短くて済み、その分、塗装などのアレンジに注力できる。

©創通・サンライズ
※2020年10月6日発売「GoodsPress」11月号掲載記事をもとに構成しています

>> 【特集】秋の夜長のホビー道

<取材・文/ナゴヤリュータ 写真/園田昭彦>

 

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