アメリカンSUVの雄、フォード ブロンコが24年ぶりの復活!

■ブロンコのライバル、ジープ ラングラー

ヘビーデューティーなSUV好きにとって多くの魅力が詰まったブロンコですが、並行輸入車しか選択肢がないのは敷居が高いと感じる人もいるはず。そんな人にチェックして欲しいのは、ブロンコのガチなライバルであるジープ ラングラーと、2019年11月にローンチエディションが登場した後、2020年6月に正式発表されたランドローバー ディフェンダーです。

▲ジープ ラングラー

ジープ CJの後継車として1987年に登場したラングラーは、シボレー コルベットと並び、アメリカを象徴するモデルに君臨し続けています。

2018年10月に登場した現行型は2ドアのスポーツ、4ドアのアンリミテッドスポーツ、アンリミテッドサハラ、アンリミテッドルビコンをラインナップ。このうち、2ドアのスポーツは受注生産となることからも、メインは利便性を高めた4ドアであることがわかります。

4ドアになっても丸型ライトとセブンスロットグリル、そして大型のタイヤを覆う台形ホイールアーチや切り立ったフロントガラスなど、ラングラー以前から変わらずに伝統を守り続けているスタイルにより、ひと目でジープとわかるのはさすが。

搭載されるエンジンは2L直4ターボ(アンリミテッドサハラのみ設定)と3.6L V6 DOHC。トランスミッションは8ATで、フルタイム4WDとパートタイム4WDを切り替えられる“セレクトラックフルタイム4WD”を搭載。世界一過酷と言われるトレイルでの走行試験をパスしたモデルに与えられる“TRAIL RATED”のバッジがつくラングラーだけに、オフロードでの性能の高さはいうまでもありません。

かつてラングラーはオフロード性能が高い代わりにオンロードでの走行性はやや劣っていました。しかし現行型はオフロードでの堅牢性を維持しつつ、オンロードでの快適性が向上。走行中のステアリングの遊びを多めにしつつ、ワインディングや高速道路も以前のモデルよりだいぶ快適に乗ることができます。

現行型ラングラーが日本カー・オブ・ザ・イヤーにノミネートされた時、インポーターの担当者は「ラングラー購買層で最も多いのは30代」と話していました。既存のクルマに満足できない若い人がタフなラングラーを選ぶ気持ち、わかる気がします。

現行型も歴代ラングラーと同じくフリーダムトップモジューラーハードトップによりオープンエアを楽しめますが、1人でオープンにするのは面倒。気軽にオープンエアを楽しみたいなら2020年7月から計150台限定で販売されている、ソフトトップ仕様のブラック&タンがおすすめです。

 

■ガラリと生まれ変わったランドローバー ディフェンダー

ランドローバー ディフェンダーの歴史は1948年に登場したシリーズIまで遡ります。シリーズIIIまで進化したのち、1983年に90/110/127へと名称が変わります。これはホイールベースの長さを車名にしたもの。そして1990年にディフェンダーという名が与えられました。最新モデルも2ドアが90、4ドアが110と、歴代モデルをオマージュした名がつけられています。

最新のディフェンダーはモノコック構造へと生まれ変わり、デザインもは大きく変わって登場しました。2016年に生産終了となった先代は基本設計が70年も前のものだったので、もはや現代のレギュレーションには適応できなくなったのでしょう。

しかし最新型もよく見ると、ストンと切り落としたリアスタイルやルーフのデザイン、前後の短いオーバーハング、そして丸をモチーフにしたヘッドライトなど、いたるところに先代のエッセンスが盛り込まれていることがわかります。

搭載エンジンは2L直4ターボで最高出力は300ps、最大トルクは400N・mに。トランスミッションは8ATになります。アプローチアングル31度、デパーチャーアングル40度という数値から本気のオフローダーであることがわかるはず。電子制御エアサスペンションで車高を上げると渡河性能が水深900mmに。

モノコック構造になった最大の恩恵はオンロード性能。正直、以前のディフェンダーはオンロード走行だと乗り心地は決していいとは言えず、首都高速のようなカーブの多い道では「曲がり切れるか!?」と感じる場面もありました。最新のディフェンダーはオンロードもどっしりとした感覚で心地良く走ることが可能。オフロードだけでなくオンロードでの快適性と安心感が加わったディフェンダーは最強の1台と言えるでしょう。

 

<文/高橋 満(ブリッジマン)

高橋 満|求人誌、中古車雑誌の編集部を経て、1999年からフリーの編集者/ライターとして活動。自動車、音楽、アウトドアなどジャンルを問わず執筆。人物インタビューも得意としている。コンテンツ制作会社「ブリッジマン」の代表として、さまざまな企業のPRも担当。

 

 

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