ブームを追い風に続々登場した新機軸キャンプギア15選【GP AWARD 2020】

▼FUNCTION

キャンプ好きの心をくすぐる道具となると、結局のところは「機能」に尽きるのかもしれない。軽くてタフで独創的な機能を持つ道具はやはり美しく、使っているだけで気分は高まる。近年はユーザーの眼識が高まっており、高価だから高機能で良い道具、と称された時代は過去のものとなっている。価格以上の機能が求められたのも今年の特徴だ。

9. 変幻自在の画期的モノポール

ogawa
「タッソ」(4万3780円)

ひとつの幕体で変形できるのは今までになかった機能。人数やスタイルでカタチを変えられるのがおもしろいんです(牛田さん)

3段階に伸縮するメインポールとサイドに設けたファスナーによってカタチが変化するモノポールテント。ガイドロープ付きなのでフロアレスでも微調節は不要で、一発で設営が決まる。最も背が高くなる六角形フロア時には、同ブランドの「ピルツフォークL」に付属するハーフインナーを取り付け可能だ。

▲フロアの形は3タイプで、広い順に八角形、七角形、六角形となる。そしてフロア形状によって入り口を張り出した時のデザインが異なり、同じテントなのに印象がガラリと変わる

 

10. 世界初の隔壁がないのに片寄らない寝袋

モンベル
「シームレス ドライ ダウンハガー 900」(5万1700円~6万4900円)

シュラフ(寝袋)という分野は完成されたと思っていたけれど、命に関わる道具だからこそ開発が続いている。そう実感させてくれた製品です(牛田さん)

寝袋の場合、ダウンが片寄らないよう内部に隔壁を設けて細かな部屋を作るのが定番だが、モンベルは隔壁なしでもダウンが片寄らない寝袋を開発。隔壁がないから思いっきり空気を含んで膨らみ、縫い目がほとんどないため保温性は大幅アップ。防水性、ストレッチ性も高い。

▲特殊な糸“スパイダーヤーン”を寝袋内側に張り巡らせて、蜘蛛の巣のようにダウンを絡みつかせている。一度絡めば押してもダウンは逃げて片寄ることがない。対応気温、サイズ共に2種類ラインナップ

 

11. 水がかかっても漏電しない!

LACITA
「エナーボックスSP」(7万2800円)

テントに薪ストーブを入れるよりも、電気毛布のほうが安心だし十分暖かい。これは水に強いポータブル電源の先駆けで、僕も狙っていた製品です(牛田さん)

最新の電気自動車にも採用されている三元系リチウムポリマー電池を搭載しており、充電効率が高く、ハイパワー。電池寿命が長いのも人気の理由だ。AC出力は400W、安定感のある純正弦波でパソコンや電気毛布の利用も問題なし。W134× H184×D303mm、重量5kg。充電所要時間は約7時間。

▲エナーボックスシリーズの中でもSP (スプラッシュプルーフ)は世界初の防沫仕様。本体内部に特殊ナノコーティングを施しており、濡れても乾かせば漏電することはなく水辺でも安心して使える

 

12. 手軽に高さを変えられる!

ogawa
「ハイ&ローコットワイド」(2万1780円)

爆売れ中のコット。タープ下では高くして、テント内では低くすれば圧迫感なく過ごせます。簡単にそういった使い分けができるのはいいですよね(牛田さん)

脚を追加するのではなく、脚の差し込み口を変えるだけで高さを変えられるコット。ハイ(42cm)とロー(25cm)の2段階に調整可能で、ハイは腰掛けるのも立ち上がるのもラクにできる高さだ。幅71cmのワイド設計で、のびのび眠りたい人向き。重さ約5.2kg、耐荷重120kg。

▲オプションパーツなしで高さを変えられるので、ハイにしたいのにパーツを忘れた!と慌てることがない。脚先はテントのフロアを傷つけにくい球状なのも気が利いている

 

13. 旅の相棒にしたくなる薄型設計

ベルモント
「TABI」(1万1000円)

ソロキャンプブームの波に乗って大ヒット。バックパックに入るくらい薄くて軽いし、 40cmの薪をそのまま使えるところがウケているのでは(牛田さん)

脚と網(ゴトク)はステンレス、それ以外はチタン製で総重量423g。軽さと耐久性をギリギリまで追求。サイドの板を外して長い薪をそのまま置けるなど、小型焚き火台のわずらわしさも解消している。オプションなしで焚き火料理ができるため、コスパも良好だ。

▲片側の側板を外せば、風を避けつつ長い薪を切らずに置ける。火床の耐荷重は15kgで、針葉樹の軽い薪はもちろん、火持ちがよくてドッシリした広葉樹の薪を載せても問題なしだ

▲収納サイズはW360×H15×D178mm。ネジなどを使わず、板を組み合わせてから脚をにはめ込むだけなのだが、板に設けた細かな溝ががっちりかみ合って崩壊する不安はまったくない

 

14. もはやバッグを履く時代

グリップスワニー
「ギアパンツ」(1万780円)

僕はコレのショーツタイプを2着持っています。レジ袋有料化になってからは、パンツがエコバッグがわりになるんですよね(牛田さん)

鉈やハンマーが入る両サイドの大型ポケットの他、全9個のポケットが装備されていて、バッグなしで出かけても困らないパンツ。コットンライクのしなやかなナイロン “サプレックス” を採用しており、着心地も良い。すっきり細めのシルエットで、3シーズン対応。

▲おしりとサイドのポケットはファスナー付きで、大切な小物を入れておける仕様になっている。軍パンよりもポケット位置が高めで、ワーク感は少なく、街でも違和感なく着用できる

 

15. 大きくなった美シェルター

ゼインアーツ
「ギギ-2」(6万5780円)

インナーテントを組み合わせたカンガルースタイルが増えているように、好きなように使えるのがシェルターの良さ。このテントはデザイナーの優秀さが光りますね(牛田さん)

エクステンションポールを使って外側に傾く壁のおかげでワンポールのデッドスペース問題を解消した「ギギ1」をベースにサイズアップ。フルクローズ状態でも家族4人がくつろげるサイズにしたのがこの「ギギ-2」だ。広くなった分2ポールとなったが、設営のしやすさは健在。

▲ドアパネルを大きく跳ね上げればタープのように開放的な空間が生まれる。オプションのインナーテントは正面、横、斜めに取り付けられるなど自由度が高い

>> 【特集】GP AWARD 2020

※2020年12月6日発売「GoodsPress」1.2月合併号掲載記事をもとに構成しています

<文/大森弘恵>

 

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