■ジェットボイルのワンバーナーごはん
モンベルが扱うジェットボイルは、過酷な環境の中でも素早く湯沸かしができることで知られるが「じつはとろ火が得意なモデルがあり、煮込み料理からスイーツまでいろいろな料理に使えます。キャンプでは旬の野菜や貝、魚など土地で取れる自然の恵みをいただくのが楽しいですよ」（市橋さん）。イチオシ料理は水餃子と煮込みうどん。市販の餃子やつゆを使ってもいいが、みんなで餃子を包んだり味噌を溶いたりひと手間かけるとおいしさひとしお。
モンベル・市橋博明さん
社内有数の野外料理シェフで、ジェットボイルマスター。湯沸かしにとどまらないジェットボイルの可能性を探り
『ジェットボイルクイックレシピ55』（mont-bellBOOKS）のメニュー開発・監修を行った。
1. 春キャンプの夜を癒やす味噌煮込みうどん
ふんわり卵のやさしい味。鶏もも肉が入るし、旬の野菜をたっぷり入れれば満足度が高い1品となる。「まだまだ冷え込む春キャンプでは、熱々のうどんで心と身体を温めて」（市橋さん）
＜材料（1人前）＞
鳥モモ肉1切れ、うどん（生麺）1玉、生卵1個、好みの野菜適量、赤だし味噌適量
＜作り方＞
（1）クッカーに水と鶏モモ肉を入れて火にかける。
（2）沸騰したら、うどん、赤だし味噌、野菜の順でクッカーに入れる。
（3）火加減を調整しながら煮込んで、卵を落としてさらにもうひと煮込みすれば完成。
（4）好みで一味や七味をかける。
※だしの入っていない味噌を使う場合は、粉末だし等を使い、味噌は食べる直前に入れる。
2. 包む時間すら楽しい水餃子
屋外で行うイメージがない餃子を包む作業も、挑戦してみるとハマるかも。「ひと
りでもみんなといっしょでも、餃子の皮を包む時間って楽しいと思いませんか?」（市橋さん）
＜材料（3人前）＞
豚挽き肉100g、ニラ1束、ニンニク1片、ショウガ1片、餃子の皮24枚、ごま油適量、塩適量、コショウ適量、醤油・酢・ラー油適宜
＜作り方＞
（1）ニンニク、ショウガをみじん切り、ニラは5mmほどにカットする。
（2）豚挽き肉と1、ゴマ油、塩、コショウを混ぜてこねる
（3）できあがったタネを、餃子の皮で包む
（4）クッカーで湯を沸かし、3の餃子を入れる。茹であがったら、醤油、酢、ラー油を混ぜたタレで食べる。
▼RECOMEND
ジェットボイル
「スタッシュ」（1万9250円）
本体重量200gという超軽量最新モデル。軽さがフィーチャーされるが、クッカーの直径がφ13cmという広口になっている。「大型ハンドルが付いていて調理もしやすいんです」（市橋さん）
ジェットボイル
「ミニモ」（2万1450円）
クッカーの口がφ12.7cmと広く、とろ火も得意。ジェットボイルシリーズのなかでも調理に向いたモデル。サーモレギュレーター搭載で−6°Cでも安定した火力を発揮する。
フォッジルズ
「フォールドボウルXL」（900円）
ポリプロピレンのシートなのに、ボタンをとめればボウルに変身。「薄く収納できて重量わずか130g。調理、盛り付け、カッティングボードと多用途に使えます」（市橋さん）
■SOTOの香り高いソトごはん
スモークへの情熱が高い新富士バーナーは、驚きのスモーク料理を提案。家庭でも使いやすいスモークポットコロで干物に香りをつけたらそのまま米を炊くというもの。15分程度のスモークなので鍋にはわずかに香りが残っており、先に燻した塩とともにほんのりスモーキーなごはんとなる。「今回使ったバーナーは、レギュレーターストーブと。どちらもドロップダウンを軽減するので肌寒い春も安心して料理できます」（窪田さん）
新富士バーナー・窪田礼さん
営業部に在籍するイケメンシェフ。手軽に作るスモーク料理が得意で、レギュレーターストーブを使ったソロ用ごはんの研究にも余念がない
3. スモーカーの新しい使い方SOTO流スモーキー土鍋ごはん
干物を使えば塩漬け・塩抜き・乾燥の手間がなくスピーディー。すぐにスモークを作れ、同じ鍋でごはんを炊けばごはんまでふんわり燻製風味になる。
＜材料＞
米2合、金目鯛の干物2枚、大葉5枚、水適量、塩ひとつまみ
＜作り方＞
（1）スモークポットコロにアルミホイルを敷き、サクラチップスひと握り分とピートスモークパウダーひとつまみ分を載せ、混ぜ合わせておく。
（2）1に金網を置き、アルミホイルで小皿を作って塩をひとつまみ乗せたものと、金目鯛の干物を載せる。フタをして15分燻す。
（3）中身を全て取り出し、洗った米、燻した塩、米の分量分の水を入れ干物を載せてフタをする。
（4）土鍋がふつふつするまで強火にかけ、沸騰したら、中火で5分、弱火で4分加熱。
（5）火からおろし、5分ほど蒸らしたら刻んだ大葉を載せて完成。
▼RECOMEND
▲A：「レギュレーター2バーナーGRID」（2万6400円） B：「スモークポットコロ」（5082円） C：「スモークチップスミニ」（オープン価格） D：「ピートスモークパウダー」（1010円）
A：卓上向きのコンパクトサイズ。「カセットボンベへの遮熱効果が高いので、燻製料理でも安心して使えます」B：少量のチップと少ない煙でスモークを楽しめるので、キッチンでも使いやすい美濃焼スモーカー。C・D：少量で使い切りやすいスモークチップシリーズ。「ピートスモークパウダーをひとつまみ混ぜると風味に深みが出るのでぜひ試して」
4. おひとりさまのわがまま晩ごはん。あさりの酒蒸しショートパスタ
ビールのつまみにもってこいのアサリの酒蒸し。ただし、これだけで終わらないのがSOTO流だ。牛乳とパスタを加えることでボリューミーな一品に変身する。
＜材料＞
アサリ10個、菜の花適量、白ワイン100cc、牛乳200cc、オリーブオイル適量、ニンニク2片、マキシマム2ふり、鷹の爪2本、ショートパスタ1人前、ビール適宜
＜作り方＞
（1）ニンニクをみじん切りにし、鷹の爪と一緒にオリーブオイルで炒める。
（2）1にアサリと白ワイン、菜の花を追加する。
（3）アサリが開くまでフタをする。
（4）牛乳を加えたらふつふつするまで加熱。沸騰すると牛乳が分離するため注意。
（5）ショートパスタ入れたら軽く混ぜて茹でる。
（6）パスタの茹で時間通りに茹でたら、マキシマムを振りかけて完成。ビールとともに食べる。
▼RECOMEND
SOTO
「ステンレスヘビーポットGORA」（1万8150円）
厚手のステンレス素材を採用し保温性良好、食材の芯までじっくり熱が加わる。16cmポットはミニマルワークトップ（5940円）に使用OK。
■ロッジのスキレット料理
GSI OUTDOORSやベアボーンズを扱うA&Fだが、おすすめはやはりロッジの伝統的な鉄鍋料理。なかでもスキレットはダッチオーブンよりも持ち運びやすい。「しっかりプレヒートをすればきれいに焼けます。思っている以上に短時間で調理できるので油断しないのがコツかな」（山口さん）。
A&Fカントリー・山口彩さん
渋谷ヒカリエ店スタッフ。山でもキャンプでも簡単・おいしい料理をふるまう敏腕シェフ。店ではロッジの魅力をユーザーに伝える伝道師
5. ただ焼くだけでウマいステーキ
「ちょっとお高いでっかい肉をただ焼くだけですが、とってもおいしい」（山口さん）。シンプルな味付けと工程だからこそ、スキレットのすごさを見せつけられる料理と言える。
▲ ロッジ 「スキレット12インチ」（7480円／カバーは別売7480円）
分厚い鋳鉄製のスキレットで蓄熱性抜群。深さがあるので、カバーと組み合わせて使えばちょっとした煮込み料理もおいしくなる。一生モノなので買って損なし。
＜材料＞
牛肉1ポンド、塩適量、コショウ適量
＜作り方＞
（1）スキレットをよく熱して弱火にしたら、牛脂を塗る
（2）常温に戻した牛肉を焼く。塩コショウで味付けするだけ。
6. 山頂でもおいしいふわっふわパンケーキ
アウトドアと粉ものは相性抜群。「このときは山で作ったので、事前にホットケーキの生地を作ってファスナー付きビニール袋にいれて持っていきました」（山口さん）
＜材料＞
ホットケーキミックス1袋、卵1個、牛乳100ml、油適量、ジャムやはちみつ適宜
＜作り方＞
（1）ホットケーキミックスと卵、牛乳をファスナー付きビニール袋にいれてよく混ぜる。
（2）スキレットをしっかり熱してから薄く油を引き、弱火で生地を焼く。
（3）好みのジャムやはちみつを載せる。
