野外料理人の特選調理道具【絶品!BBQ&キャンプ飯の強化書】

■焚き火料理の必需品

ちょうどいい熾を作るまでに時間がかかるが、野外料理らしさはピカイチ。小雀さんの調理道具は、焚き火の熱に負けず、長く使っているものばかり。少しずつ自分の道具に育っていくのが楽しみだという。

▼焚き火料理三種の神器はやっぱり鉄とステンレス

▲片付けが楽なので登山やカヤック旅ではテフロン系加工の鍋が便利。一方、キャンプでの焚き火向きなのは鋳物やステンレス製だ。左から「スキレット」「ホットサンドクッカー」「ステンレスダッチオーブン 8インチ」

「スキレット」
ロッジの鋳鉄製スキレット。「コンボを使っていましたが、今はコレ。炒めものはもちろん深さがあるから汁物も作れます。フタは別売りですが、あると料理の幅が広がりますよ」(小雀さん)

「ホットサンドクッカー」
鋳鉄に定評のある南部鉄器オイゲン製で、焚き火の中に突っ込んでも大丈夫。焼面をふたつにわけてフライパンとしてもよし。区切りがないので具をたっぷり挟めるのもいい。

「ステンレスダッチオーブン 8インチ」
炭がこぼれにくいフチ付きのフタがついたステンレスダッチ。単独で使うほか、小ぶりで出っ張りがないので10インチ以上のダッチオーブンにいれてグラタン皿のようにも使える。

 

▼薪割りは職人の知恵と魂がこもった斧で

くさび状に広がり、薄く、切れ味のよい刃をもったグレンスフォシュプルークの手斧を数本所有。「この手斧はいただきものです。焚き火で料理をするので、薪割り台とともにアルミケースに入れて持っていきます」(小雀さん)

 

▼ジャグ代わりにもなる大型パーコレーター

大小のパーコレーターはGSI製で、ひとつは焚き火にかけて真っ黒。「大人数だとドリップするのは大変なのでパーコレーターでコーヒーをいれます。吊るしてずっと湯を沸かしておくと便利ですし。大きいほうはジャグ代わりにします」(小雀さん)

 

▼でっかく広がる焚き火台「ポップアップピット」

足を広げてメッシュ火床をかけるだけで大型焚き火台に。「メッシュが細かいので燃えすぎることがなく、62cm四方なので鍋を2つ、3つ載せて同時進行できます。いちいち鍋を移動させなくてもいいのが気に入っています」(小雀さん)

 

■作業がはかどるこだわりギア

キャンプ道具の企画・開発、監修を行っている小雀さんだが、キッチン周りを彩るのはアウトドアブランドばかりではない。常にアンテナを張って、かっこいいと思った道具を取り入れているという。

▼安定感の高い高さ可変ワークテーブル

どっしりしてぐらつかないワークテーブルは小雀さんとテンマクデザインのコラボ製品。高さは3段階に変えられ、料理の数や量、スタイルで使い分けているそう。

 

▼防水ケースにもなるソフトクーラーと自由度が高いベンチ

真夏以外はシアトルスポーツのフロストパックで食品を持ち運ぶ。「カヤックの荷室に入るサイズで、防水ケースとしても優秀です。チェアよりも横に動きやすいのでベンチ派。脇に荷物を置けるのもいい」(小雀さん)

 

▼ハンドルを折り畳めるアルミのロッキーカップ

カッコいい食器がほしいと制作依頼。「アルミは傷やすすで汚れますが、使っているうちにいい感じにやれる。いわゆる経年劣化を楽しめます」(小雀さん) spurv刻印付きでまもなく発売!

 

▼密閉性の高い軍用アルミ箱で衛生的に小物を運ぶ

ドイツzarges社の空輸用アルミボックスに小分けした調理小物を収納。「10年以上前、かばんやさんが倉庫で使っていたのを見て一目惚れ。湿気が入りにくくアウトドア向きです。軍が使っているほど強度が高いんです」(小雀さん)

▲買ったときに貼られていた航空会社のシールの上に宅配業者の伝票を貼られたのが唯一の残念ポイントだという

 

▼給食用パン箱も大活躍

愛車ランクルの荷台は自作棚で整理。「棚下段に入る給食用アルミ箱を薪や炭用に。フタを外せばお盆代わりになるんです。2段式のアルミ番重もありますよ」(小雀さん)

>> 絶品!BBQ&キャンプ飯の強化書

<文/大森弘恵 写真/逢坂聡>

 

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