■王道教習車にはどのようなものがあったのか
古くから教習車に本気で取り組んでいるメーカーがマツダです。「多くの人にとって、人生で初めて運転するクルマが教習車。だからこそ安心できるクルマに乗ってもらい、走る歓びを感じて欲しい」という思いから教習車に力を入れていているのです。
1970年代はルーチェ、80年代〜90年代はカペラの教習車が多くの教習所に導入されました。
2000年代になるとアクセラが教習車の役割を担います。2004年の導入以来、アクセラ教習車はヒットモデルとなり、全国約440か所の教習所で導入され、2014年6月には累計生産1万台を達成しました。
マツダと並び、教習車に力を入れているのがトヨタです。トヨタは長くクラウンの教習車を教習所に納入していて、90年代に入るとタクシー用のクラウンコンフォートを教習車に使いました。
ほかにもマークII・クレスタ・チェイサーの3兄弟、カリーナやコロナなども教習車として採用されました。
日産は1970年代からセドリック/グロリアを教習車として使っていました。また、ローレルの教習車で免許を取ったという人もいるはずです。
1980年代からはブルーバードの教習車が主流に。この流れでブルーバードシルフィにも教習車が設定されます。
2000年代になるとティーダのセダン版であるティーダラティオに教習車が設定されました。
他のメーカーではホンダアコードやシビックフェリオ、三菱ランサーやギャランなどが教習車として採用されました。
教習車にはサイズ上の規定はありますが、ボディタイプに関する規定はありません。それでもほとんどの教習車はセダンタイプ(しかも90年代以降は比較的小型なセダン)が用いられました。
これは、教習時に後部座席にも学生を乗せるケースがあること、見切りの良さが運転技術を教えるのに適しているなどの理由から選ばれていたのだと思われます。縦列駐車の教習の際「3番目の柱がCピラーのところに来たらハンドルを切れ」などと教わりましたよね。