【価格破壊なヒットモノ実力診断】
完全ワイヤレスイヤホンが普及する中で、最近目立つようになってきたのが低価格モデル。数千円程度でも高性能・多機能を謳うものが多いが、実際の実力はどれほどなのか? 日々さまざまなモデルを手に取るオーディオのプロにその真価を聞いた。
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完全ワイヤレスイヤホンが広まり始めて5年ほど経つ中で最近増えているのが、数千円から1万円程度の低価格モデル。折原一也さんは「この1〜2年でその傾向がさらに進んでいる」と状況を説明する。
「2年くらい前までは低価格帯は1万5000円から2万円程度が主流でした。それが昨年くらいから新興メーカーの製品が目立ってきて、より手頃なモデルが続々と登場しています」
この分野の人気を牽引してきたアップルやソニーの高性能モデルが3万円以上なのに対して大幅に安いわけだが、果たしてその性能は納得できるのか?
「最も安いところだと3000円台から購入できますが、さすがに音質や機能面では明確な差を感じます。これが1万円前後になると納得して使える製品が多い印象です。ただし、ノイズキャンセリング(以下、NC)などの機能については、モデルごとに性能がバラバラだと思います。NCならハイブリッドタイプ、マイクにこだわるならスマホメーカーの製品など、強みが明確に変わってきます」
音質面では、低域から中高域のバランス重視なら実績のある日本メーカーが間違いない選択とのこと。低価格帯で万能なモデルは少ないので、目的を明確にして選ぶことが大切だろう。
オーディオ・ビジュアルライター
折原一也さん
PC系出版社の編集職を経て、独立。オーディオ・ビジュアル専門誌やWeb 媒体、商品情報誌などで、トレンド解説や製品レビューなど多彩な記事を執筆している。2009年よりVGP(ビジュアルグランプリ)審査員も務める