1. スノーピーク「TAKIBI Vest」
今でこそ難燃素材の焚き火用ウエアは当たり前のようにいろいろなメーカーから発売されていますが、スノーピークでは2005年から焚き火向きのウエア開発に取り組んでいました。
2016年秋に登場した「TAKIBI Vest」は焚き火シーンだけでなく、街着としても優秀だと話題のベストです。
「前にも背中にも大きなポケットがついていて、設営時はペグやハンマーを入れておけるし、焚き火のときは背中に拾ってきた薪を入れて持ち運ぶなんてことができます。燃えにくい素材でポケットがいっぱいあるジャケットは季節を選びますよね。TAKIBI Vestならキャンプパンツがなくても夏はTシャツの上、冬は厚手のアウターの上に着るだけでポケットを増やせます。それにアラミドを使っていて機能性も申し分ありません。火の粉に強くて丸洗いできるのがいいですね」
ポケットたくさんのベストはサコッシュ不要でいろいろな小物を身に着けておけるのが便利だけど、小物を入れれば入れた分だけ形が崩れる。スタイリスト的にそのあたりはどうなんでしょう? 疑問に思っていましたが「たしかにペグだなんだと道具を入れると前が重くなってそれがストレスになりかねません。小分けにできるので貴重品は内ポケットに。大きなポケットにはそのときの作業に必要なものを一時的に入れておけばいいのでは」
財布やスマホみたいに最小限の小物だけならそれほど着崩れないとのことです。
2. カリマー「fleece bomber jkt」
「フリースジャケットはファストファッションで十分じゃないかと思っていました。でも、このfleece bomber jktはポーラテックハイロフトを使っていて、毛足が長くてとてもあたたかい。着比べて、そのやわらかさとあたたかさの違いに驚きました」
全3色から宇田川さんが選んだのはカリマーオリジナルの目のさめるようなオレンジ。キャンプではカーキやブラウンのウエアを着用している宇田川さんなので、なぜこのカラーを選んだのか不思議でしたが「普段着ない色をあえて選びました。きれいな色でそのまま着てもいいし、山の中では目立つし。この上にいつものジャケットを着れば差し色になって結構重宝するんです」と、いかにもファッション上級者の回答が。
海外ブランドの場合、そのサイズ感が気になります。細身で胴回りはちょうどいいのに腕だけ長いなんてことはよくある話。そのあたりはどうでしょうか?
「カリマーはイギリス生まれでユニオンジャックをあしらったロゴがかっこいいブランドです。2000年代から日本企画がスタートしたし、2019年からヘッドオフィスが東京になってサイズ選びしやすくなっています。それに今はオーバーサイズで着るのが流行っていて、fleece bomber jktもそんなふうにリラックスした着こなしができるんです。ちょい大きめだから中に着込めるのも、これからの季節にいいですよね」
3. OUTPUT LIFE「SWIVEL CHAIR」
コロナ禍でリラックスできるチェアの需要が伸びています。宇田川さんもキャンプ、そして自宅でくつろぐためのチェアがほしいと考えたひとりで、選んだのはアウトドアとインドアの垣根を超えたプロダクト作りが得意なOUTPUT LIFEの「SWIVEL CHAIR」だったそう。
「ヘリノックスも持っていますが、SWIVEL CHAIRはゆったりした座面で肘掛け付き。ヘリノックスよりも重いけれど、回転式だから狭いキャンプサイトで立ち上がるたびに椅子を引く必要がありません。脚の先端が丸いから自宅の床を傷つけることなく、キャンプでも自宅でも使いやすいのが気に入っています」
組み立ても脚部分を開き、座面部分を開いて脚に載せるだけ。フレームを伸ばしたり生地を引っ掛けたりする手間がかかりません。
「組み立て簡単なのはいいんですが、唯一気になるのが、脚と座面が完全分離式だということ。ちょっと移動しようと思って座面を持ち上げると、そのままスポッと座面だけ抜けるんです。場所を移動するときは脚ごと持ち上げる必要があるんですね」
回転式だからいいっちゃあいいんですが、座面だけ抜けると肩透かしをくらいそう。とはいえちょい座面が高くてワイドのため座り心地は良好です。
4. 花岡車輌「フラットカート2×4」
アウトドア誌はもちろん、ファッション誌でも評判のカートです。
「借りたサンプル品を自宅から宅配便の営業所まで持っていくために買いました。2輪でも4輪でも使えて、よくあるカーゴ型とは違って押しても引いてもよく、非常に使い勝手がいいんです。なによりもうれしいのはとても静かだということ。舗装路でガラガラという音が響かないので早朝の住宅街でも気にせず使えます。回転もスムーズで、想定していた予算よりオーバーしましたが買って正解」
大型のタイヤは段差を乗り越えやすく、一点物が多い製品サンプルでも落とすことなく安全に運べることもメリットと言えますね。
また、細かなモノは別途ケースを用意しないと載せられませんが、カーゴ型よりも重いものを載せやすいという点も秀逸。
「トランスフォームは簡単で、使わないときは薄くたためるので邪魔になりませんよ」
花岡車輌はそもそも空港の手荷物用カートやホテルカートを作っている会社ですから、まだ購入したばかりで耐久性は不明というもののよほどのことがない限り長く使えることでしょう。
5. BasShu「パッチワーク マルチクロス」
帆布を使った大判のマルチクロスで、地面に敷いて荷物置き場、テント内に敷いてラグ代わりに、そしてコットにかぶせてベッドカバー風に使うなどいろいろな場面で活躍する布です。
キャンプで使うシートといえば、オレゴニアンキャンパーのグランドシートやハイマウントのオールウェザーブランケットが有名ですが、さすがスタイリスト! インテリアファブリックで知られるBasShuを選ぶとは恐れ入ります。
「3種類の帆布を使ったパッチワーク柄が楽しいクロスで撮影に使うと映えるし、自宅でも使おうと思って購入しました。帆布なのでまずまず火の粉に強く、焚き火のときはひざ掛けのようにして使うなどキャンプでも重宝するんです。エプロンで火の粉をカバーするという手もありますが、マルチクロスをサッとかけるだけのほうが楽ですから」
オレゴニアンキャンパーやハイマウントのシートのような防水性はありませんが、帆布らしい風合いとパッチワークならではのニュアンスがステキ。コットン用の撥水剤をかけておけば、完全ではないものの汚れと濡れを防げそう。もちろん使っていくうちにヤれて経年変化を楽しめるのもいいですね。
<取材・文/大森弘恵 写真/田口陽介>
大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。Twitter
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