1. ユニフレーム「ちび剣鉈」
ファミキャン歴は数年の田口さんですが、本人のキャンプ歴は10年以上のベテランさん。この「ちび剣鉈」も愛用歴10年以上になるといいます。
「今でこそかっこいいキャンプギアがいっぱいありますが、2010年頃なんてそんなになかったんですよね。そんな中、この鉈は柄がかっこいいと思って買いました。手にしたときの適度な重量感と男臭さがたまらない」そうで、ファミキャンでは持っていくことなく、自分ひとりだけのキャンプで使うとか。
小さな鉈なので長く太い薪、硬い薪を割るには不向きですが、針葉樹の薪を細く割ったり薪の樹皮をそいだりして焚付を作るなんて使い方には十分。
田口さんが惚れた柄は天然の樫生まれで、重みがあるのですが非常に硬く、水にも強い。月日を超えて使ってもびくともしない安定感があります。
一方、その刃は刃渡り10cmながら4mm厚というボリューミーな両刃。鋼と軟鉄を叩きつける“鍛接”という日本伝統の手法で一本ずつ作られています。
「鉈、そして小出刃としても使えるのも気に入っていて、刃物を一本だけ持っていくならコレ。錆びやすいけれど手入れすれば一生モノなのもいいですよね。いつかちび剣鉈を手に、渓流へ釣りにいきたい」と田口さんの胸に夢を抱かせる力を持っています。
購入当時は沢登りをしながらツエルトを張ってキャンプするのに憧れていた田口さんですから、数年後、成長した子どもとともに、渓流でキャンプをしながら父ちゃんの宝物だと自慢する。そんな微笑ましい未来が目に浮かびます。
残念ながら廃盤になってしまいましたが、市場にはいくつか残っているので今が手に入れる最後のチャンスです。
2. ベルモント「UL hibasami」
「FUKUさんのYouTubeで道具をチェック、伊豆のぬし釣りの動画でいっしょにキャンプに行って酒を飲みたいなぁなんて妄想しています。サバイバルドラマのTHE NAKEDも好き」と語るほど、田口さんの日常の癒やしは動画が占める割合が大きい。
この「UL hibasami」はFUKUさんの動画で知って手に入れたギアで、道具箱の中でかさばってしまう炭バサミをどうにかしたいと考えていた田口さんのニーズにガッチリマッチしたというわけです。
重量は70g、全長33cmで余計な出っ張りはありません。
「軽くて、ボリュームダウンできるのがいいですよね。アルミ製なので正直、剛性は期待できません。先端がちょっと横にずれるのが残念かな。でも、少し下の方を持つなど持ち方を工夫すれば太めの薪をガシッとつかめます」
3. ソネングラス「ソネングラス1000ml Classic」
瓶の中に好きなものをいれて飾れるソネングラスは、南アフリカのリサイクル素材を積極的に活用し現地の人がハンドメイドするフェアトレードで作られているステキな物語をもつソーラーランタンです。
「ズバリ女子ウケを考えて購入しました。妻がキャンプで気分よく過ごしてくれるようにね。ワイヤー型のスイッチをフタの白い丸に当てると光る仕組みで、子どもでも簡単に扱えるし、スイッチを入れるとじんわり点灯するのも雰囲気がいい」
カメラマンだけありランタン選びでは光の美しさ、広がり方も評価の対象となるわけで、ソネングラスはかなり優秀とのこと。
「ふわっときれいに光が広がります。ちょっとレトロで、ベアボーンズみたいな光と言えばいいのかな。1泊や2泊のキャンプなら十分もつし、ソーラー充電もできます。もっともソーラーだと時間がかかるのでうちではUSBでさっさと充電していますが」
今後も&GPのキャンプ撮影に持ってくることはなさそうですが、家族をキャンプ好きにすることに成功した立役者。中の飾りを家族の思い出の品に変えるなんてこともステキですね。
4. 自作オイルランタン
キャンドルや焚き火のような揺れる光を好むキャンパーは多く、田口さんもそのひとり。
「キャプテンスタッグのキャンドルランタンをオイル化しましたが、芯が細くて風に弱い。手作りオイルランタンだと芯の太さを選べるので、フュアハンドくらいの炎になるものを作りました」
アンカーボルトの芯を抜いて、アンカーを切断。芯を通したら、穴を開けた瓶のフタにセットし裏から別のナットで固定するという。
「100円ショップで購入したミニルーターの実力テストも兼ねて、ルーターで切りましたが、金鋸でもアンカーボルトを切れるそうです。正直言って、手順は単純だけど意外に手間がかかるかな。でも、袋ナットを芯のフタにしているのがいいでしょ。100円ショップの瓶を使った第一作なのでこういうかわいい瓶になりましたが、こだわってもっと無骨な瓶を手に入れるといいかもしれません」
大きめの炎でかなり安定感がありますが、やはりホヤがないオイルランタンは風が吹くと立ち消えしやすい。そこで考えたのが前出のオイル化したキャンドルランタンのホヤの転用です。
「ちょうどいい具合にフタにのります。これで少しくらいの風に対応できるようになりました」
5. 自作三脚テーブル
「カメラマンならアルミ製のノートPC用テーブルを持っているでしょう。これがキャンプのサイドテーブルにちょうどいいんですが、雰囲気にあわない。だから作ったんです」
今はキャンプギアのカスタムが人気で、三脚をテーブルにするための台座、スケートボードを台にするための脚パーツなどが販売されていますが、田口さんはそうしたものに頼らず板付きナットを気に入った天板に取り付けています。
「そのまま板付きナットを取り付けただけだと、ナット部分が出っ張って、点で天板を支えることになります。それでは安定しないので三脚のカメラ台全体で支えたい。だから天板を四角く削って板付きナットを埋め込みました。板がきれいに埋まったと思ったら、取り付けネジが出っ張っていてさらに削ったりして制作時間は数時間。
三脚は手持ちの物を使っていますが、安いのはリサイクルショップで500円ぐらいで手に入りますし、板付きナットは数百円。市販のカスタム用台座は数千円だからかなり安く作れたけれど、何度も削り直して修正するという手間を考えれば買ったほうがいいと思う人もいるでしょう」
できあがった三脚テーブルは、片手で持てる軽さで当然ですがガタツキしらず。テーブルとしてかなり優秀です。
天板裏を削るのは根気がいりそうですが、天板の裏で目につかない場所であれば多少不格好でもなんとかなるかも。そう思えば気に入った天板で真似したくなりますね。
<取材・文/大森弘恵 写真/田口陽介>
大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。Twitter
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