ガレージにこもり“没入”!クルマいじりの愉悦【快適ラクチン趣味活モノ】

【快適ラクチン趣味活モノ】

愛車のメンテナンスやカスタムといったいわゆる“クルマいじり” は、多くの専門誌が存在することからも分 かるとおり、時を忘れて没頭してしまうほどの魅力を備えている。そんなガレージライフを日々満喫している西野義行さんに、ハマる理由を聞いてみた。

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ガレージで過ごす時間は、次の旅への助走区間です

棚の上の空き缶には、使い込まれた工具類と古歯ブラシが無造作に突っ込まれ、そばの灰皿には数本のタバコの吸い殻。ストックされたタイヤ類のほかに、さまざまな予備パーツやケミカル類が所狭しと並んでいる。クルマやバイク好きな人なら、西野義行さんのガレージを見て(あ、この人は乗り物いじりが好きなんだろうな〜)と共感するはずだ。

世の中にはこじゃれたインテリアで愛車を眺めるためのガレージもあるけれど、彼のガレージはその真逆。大切な愛車をグッドコンディションで走らせるため、整備に必要なツールを詰め込んだ “硬派な”ピットスペースと言っていいだろう。

ガレージの中には通勤・オフ ロード・ツーリングと、用途に応じたオートバイが3台も並んでいる。しかしオーナーの“寵愛”をほぼ独占しているのは、一番奧に置かれたスズキ・ジムニーだ。

高校生の頃からこの車種に憧れ、いつか手に入れたいと考えていた西野さんのもとに、知人を介してこのJA-11型がやって来たのは約17年前のこと。

オートバイで林道ツーリングも嗜んでいた西野さんは、「ジムニーで雪道を走ってみたい!」と購入直後にいきなり秋田・青森へのロングドライブに出発。冬の北東北の雪道をものともしなかったジムニーの走りっぷりに、絶大な信頼を置くようになった。それ以来ジムニーは、変わることなく彼の旅の相棒であり続けている。

「何とかなる、というところがジムニーの魅力ですね。とにかくタフで、無骨で丈夫。ちょっとくらい乱暴に扱っても全然へこたれない頑丈さが気に入ってます」

そしてジムニーが来てからは、旅のスタイルにも少しずつ変化が訪れる。じつはこのガレージには、たくさんの工具やケミカルに混じってシュラフやマットなどアウトドアギアも収納されているのだ。

「若いころは旅先でしょっちゅうキャンプをしてましたけど、当時は宿代を浮かせるための手段だったんですね。でもジムニーに乗り始めてからは、キャンプのためだけに出かけるようになりました。焚き火を楽しんだり星空を眺める時間が、旅の目的そのものになったんです」

そんな贅沢な時間を思い描きながら、ガレージで愛車の整備に勤しむ時間もまた楽しい。空気圧の確認など足まわりの点検だけではなく、ときにはダンボールを敷いて車の下に潜り込むこともあるという。さらに3台のバイクの定期的なオイル交換にブレーキパッド交換と、作業のタイミングが重なるとついついガレージにこもりがちだ。

「ガレージでクルマやバイクを いじるのも好きですけど、やっぱり好きなのはそれを使って旅に出ること。ガレージはそのための助走みたいなものですね」

この冬は草津温泉の定宿を久々に再訪してみたいという。それまでにジムニーに冬用タイヤを履かせなきゃ、と西野さん。彼がガレージにこもる日々は、もう少しだけ続きそうだ。

▲ラゲッジルームにはいつでもキャンプに行けるようテントにシュラフ、クーラーボックスなどアウトドアギアがスタンバイ。スノーブラシやショベルなど冬用ギアも携行している

▲ジムニープロショップ・アピオでレカロシートに交換。腰の痛みが軽減し、長距離ドライブでの疲労度が激減したそう

▲ジムニー乗りにお馴染みのジオランダー ATを装着し、車高を2インチリフトアップ。最低地上高を稼いで見た目の精悍さもアップ

▲ジムニーの車中泊用に購入したすのこだったが、あまり出番がなかったのでツールラックにリメイク。必要な工具をすぐ手に取れる実用性の高さがお気に入りだ

▲高校時代からオートバイを何台も乗り継いできた西野さん。現在はオフロード用にホンダ・TL125、ツーリング用にスズキ・Vstrom250を所有。通勤にはホンダ・スーパーカブ110を愛用している

ハイヤー乗務員
西野義行さん

自宅1階の貸し駐車場に空きが出たこときっかけにガレージライフをスタート。クルマ1台・バイク3台の10輪生活を送りながら、仕事でも運転に携わっている

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