個人的には「遅くて使えない!」という不満を持った事はないのですが、速くなるのは大歓迎。実はこれまでは、積極的にアプリを起動して使ってはいませんでした。しかしアプリが瞬時に起動するようになるのであれば、もっと積極的使ってみたいと思います。また、高速化したことで、後述するUIの変更やインタフェースの解放など用途が拡大できたのかもしれません。
2.「グランス」の廃止と「コントロールセンター」の搭載
画面を下から上へスワイプすることで表示される「グランス」が廃止され、代わりに同じ操作で「コントロールセンター」が起動するようになります。「コントロールセンター」では、「バッテリー残量の確認」「フライトモードの設定」「消音モードの設定」「おやすみモードの設定」「iPhoneを探す」「デバイスをロック」「AirPlayの設定」の操作が行え、iPhoneの操作感に近づいたと言えます。
グランスの機能の代わりとして、サイドボタンを押して起動する「Dock」が搭載されます。これにより、現在起動しているアプリを切り替えて表示ができます。
3.フィットネスやヘルスケア機能が拡充
新アプリの「Breathe」では、「スタンド」のように一日の中で定期的に深呼吸をリマインドしてくれます。ビジュアルと振動による合図で深呼吸をガイドし、完了すると心拍数などの結果が表示されます。心拍数アプリは標準で入っていましたが、おそらく頻繁に利用する人はいなかったのではないでしょうか。深呼吸することで、ストレスの緩和など健康面でメリットがあるということですので、「スタンド」以上に活用するアプリになるかもしれません。
その他にフィットネス系では、ワークアウト結果を友人とシェアして結果を競ったり、「アクティビティ」機能が車いすにも対応し、タイヤを動かす軌道を検出できるようになりました。車いすユーザには「スタンド」の代わりに「Roll」というリマンドが通知されます。
4.iOS10のような通知が利用可能に
watchOS 3では、iOS10で備わったリッチ通知に対応します。watchOS 2以前のAppleWatchでは、直前のメッセージに定型文での返信や、顔文字などでのリアクションなど限定された対応しかできませんでした。これがwatchOS 3では、前後のやり取りを確認したり、やりとりのタイムラインを常時表示しておくなどもできるようになります。
5.緊急連絡やロック解除できるようになる
緊急時にサイドボタンを長押して「EMERGENCY SOS」というメニューをタップすると、緊急電話番号に電話します。海外などで緊急連絡番号を知らなくとも現地の緊急番号にかけてくれます。同時に、あらかじめ登録した家族などの連絡先にも、自動で位置情報を通報できるほか、持病やアレルギーなどのメディカル情報を画面に表示し、救助のサポートを行います。
次のMacOSである「macOS Sierra」では、ロック解除したAppleWatchを装着していれば、画面ロックの解除を自動で行ってくれる機能もあり、常に身に付けているからこその機能が強化されました。
今までは活動計機能が入ったスマートウォッチ的な感じで積極的に使う理由が少なかったAppleWatchですが、watchOS 3により常に身に付けて使いたいという人が増えるのではないかと思いました。
また、デジタルクラウンやサイドボタンがアプリの操作に使えるようになったので、ゲームやApple Watchで操作が完結するアプリなどが出てくる可能性があります。複雑な操作ができるようになったことで、生体認証機能などとあわせて、iPhoneをはじめとした他の機器をコントロールするインターフェースとしての機能が拡充するかもしれません。
気になるバッテリーの持ちですが、こちらに関しては特にアナウンスされていませんが、少しでも持ちが良くなる事を期待したいです。
watchOS 3は、一般ユーザ向けには秋に無料アップデートとして配布される予定です。
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(文/戸津弘貴)
日本最古参のiPod、iPhone関連情報サイトの二つのうちの一つであるiPhoneなどのガジェット情報サイト「iPod Style」を運営。大手CATVインターネットプロバイダー、アップルコンピュータのテクニカルサポートを経てIT企業のマーケティング職を歴任。現在は会社役員とフリーランスのライター、ジャーナリストとして活動。iPod Styleを運営する傍ら、「日常の中で防災を考える」をコンセプトにした防災系情報サイト「防災スタイル」もてがける。
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