■価値に見合った道具を追求
キャンプ好きが高じて勤めていた会社を辞め、キャンプ場で働きながら日本一周。今ではライター、コーディネーター、ソロ&デュオキャンプイベント「ソロキャンプダムディズム」主催者として活躍する佐久間さん。さぞキャンプ歴が長いと思いきや意外にも10年ほど。ボーイスカウト経験もない。
大学生のときにボランティアで被災地に向かった際、テントで寝泊まりしたのが初めてのテント泊だったそう。決して遊び気分で過ごす状況ではないものの、屋外で眠る心地良さに目覚め、落ち着きを見せた頃に道具を購入して友だちとキャンプに出かけたという。
「なにもわからないので店員さんに薦められたものを購入しました。もうホントに安い道具。それで十分楽しめていたし、満足していたんです」
ところが休みのたびにキャンプを楽しんでいるうちに、手持ちの道具でもキャンプはできるけれど、何かが足りないと感じるようになる。
「もっと軽ければ持ち運びやすいのに」「一生使えるタフな道具って魅力的だな」といった具合に人それぞれに道具に求める“基準”が芽生える。買い替え時期の到来だ。
「たとえばヘリノックスのチェアは、当時使っていたチェアの何倍もの価格です。でも、使われている素材や構造が座り心地と軽さを実現しているわけで、価格に見合っている。納得できたので買い替えました」
安価な道具を使い込んだからこそ技術力の高さを実感したというわけだ。いきなりヘリノックスからスタートしていたらこの技術力が基準となり、気づくことはなかったかもしれない。そういった意味でも、値頃感のある道具からキャンプを始めるのは正解と言えそうだ。
ところで、最初に買い集めた道具はどうしたのだろう?
「必要だという友だちに譲ったり、買い取り店で引き取ってもらったり。少しずつ気に入った道具に入れ替えて今のスタイルになりました」
アウトレットなどを利用して手に入れた、安価でも定番ブランドのものばかりだったのが幸いした。日本に窓口のないノーブランドの道具だったなら、引き取り手がなく困ったことだろう。
「じつはキャンプに冷めた時期がありました。設営に困ることも焚き火に手間取ることもなくなると、暇になるんですよ。最初はキャンプって忙しいと思っていたのに。そんなときに出会ったのがガソリンランタンや双眼鏡。道具が新しい楽しみ方を教えてくれたんです。キャンプってホント、おもしろい!」
※2021年2月4日発売「GoodsPress」3月号42-43ページの記事をもとに構成しています
<取材・文/大森弘恵 写真/逢坂聡>
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