【趣味な男の欲しいモノと秘密基地】
昨年0人だったシェアが今年は24人に――。ナイキにほぼ独占されていた箱根駅伝にアシックスが風穴を開けたシューズ「メタスピード」。その開発秘話を担当者に聞いた。
アシックス 竹村周平さん
トップモデル「メタスピードシリーズ」のプロジェクトリーダーを担当。そのシューズは東京オリンピックや箱根駅伝でも選手の足元を支え、ナイキ1強だったランニングシューズ界に風穴を開けた
■箱根駅伝で封じた“ナイキの独占”
シェア奪還――。ナイキに独占されたここ数年のランニング界に風穴を開けるためにアシックスが導き出した答え、それがランナーの走り方に注目し2モデルをラインナップした「メタスピードシリーズ」だ。ストライド型のランナーに向けた「メタスピードスカイ」、足の回転が速いピッチ型に向けた「メタスピードエッジ」の2つから自分に合うシューズが選択可能。シューズに走り方を合わせるのではなく、ランナーの走り方に寄り添ってくれる優しさは、国産ブランドならではのアプローチ方法だろう。メタスピードシリーズは昨年の東京オリンピック、そして今年行われた箱根駅伝でも多くの選手に選ばれて活躍。特に箱根駅伝では昨年アシックスシューズ使用者が0人だったが、今年は24人に増加。この数値は繊細なランナーのフィーリングにフィットするプロダクトができた証明といえるだろう。
悪くない滑り出しだと思えるが、プロジェクトを担当した竹村周平さんは「まだ満足していません」と話す。確かに10年ほど前を考えると、テレビに映るトップ選手の足元にはアシックスのロゴが光り、さらにマラソン大会を走る市民ランナーの大半がこの国産ブランドを信頼していた。それを考えれば「満足していない」のも納得できる。
▼ストライド型ランナーに適した設計
アシックス
「METASPEED SKY」(2万7500円)
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