奥深い世界を堪能できる趣味のオーディオシステム【部屋と趣味が充実する傑作買い得モノ】

【部屋と趣味が充実する傑作買い得モノ】

今や音楽を聴く手段は多種多様で、オーディオ機器も膨大な種類がある。そんな中で趣味としてオーディオをより深く楽しむには、どんな考え方が大切なのか。オーディオ専門誌編集長の自宅で、そのヒントを聞く。

月刊stereo編集長 吉野俊介さん
1985年生まれ。幼少期から大型スピーカーやレコードのある環境で育ち、中学生でバンド活動とレコード収集に目覚める。 音楽之友社に入社後、月刊stereo編集部に所属し、2018年より現職

 

 

■基準は好きな曲が気持ちよく聴けること

月刊stereoは、60年近い歴史を持つ老舗オーディオ誌のひとつ。オーディオ機器の評価や使いこなしからソフト情報まで、音楽とオーディオに関わる幅広い情報を掲載する専門誌であり、編集長の吉野俊介さんは幼い頃からレコードに親しんできた。自宅のオーディオ環境もレコード中心。2台のプレーヤーにマッキントッシュのプリアンプとオーダーメイドのスピーカーなどを組み合わせているが、決して“機材ありき”システムではないところに、独特なバランス感覚が見られる。

「基本は『好きな音楽をいかに気持ちよく聴けるか』ということに尽きると思います。例えば、家具工房に依頼して作ったこのスピーカーは、僕が好きなグレイトフル・デッドのやジェリー・ガルシアのレコードを基準に調整を重ねたもの。やはり自分の好きな曲を心地よく聴けることが、一番大切でしょう」

レコードプレーヤーのうち1台は、「グレイトフル・デッドをよりアメリカンテイストで聴きたい」と、昨年追加したアメリカ製のヴィンテージモデル。「パワフルだけど音が歪むところが味わい深い」と、聴き比べを楽しんでいるそうだ。

自分の嗜好について「割とアナログなテイストが好き」と話し、カセットテープも集めているが、一方でAmazon Musicなどのストリーミングサービスもよく利用するそう。「気になる曲を試し聴きして、気に入ったらアナログ盤を探したりします」と、時代を跨いだツールやサービスを巧みに使い分けるところは、流石にオーディオ誌の編集長らしい。

とはいえ、機器の並ぶリビングはすっきりとしていて、インテリアとの組み合わせも絶妙。配置や機材選びには奥さんの意向も反映しているとのことで、その辺のバランス感覚も長けているようだ。ブランドやスペックにとらわれずに機器を選びつつ、好きな音楽をとことん楽しむという軸はブレない。趣味としてオーディオをより満喫したい人は、そんな吉野さんのスタイルを参考にしてみてはいかがだろうか。

 

■好きな曲を楽しみ尽くすために揃えた機器

▲レコードラックは自作したもの。上段は前後に重ねて収納できるようにして「ショップでレコードを選ぶ感覚」を再現した。その上に並ぶカセットテープは独特な音質が好きで、ストリーミングの曲をわざわざ録音することもあるそう

▲アメリカのロックバンド、グレイトフル・デッドと、そのギタリストであるジェリー・ガルシアのライブアルバムを愛聴。スピーカーを作る際には、この2枚を基準に試し聴きしながら理想の音を追求した

▲スピーカーはJBLのフルレンジユニット「D123」とホーンツイーター「2405」を、家具工房「アクロージュファニチャー」に特注した無垢板のエンクロージャーと組み合わせた

▲アンプはマッキントッシュの「C32」。トーンコントロールが豊富で楽しめるそう

▲レコードプレーヤーは名機「Garrard 301」とアメリカ製ビンテージモデルを併用

▲CDプレーヤーはマランツの初期モデル「CD-34」。デザインもお気に入り

▲ストリーミング用に「Amazon Echo Link」も用意

▲カセットテープはバング&オルフセン「Beocord9000」で聴く

 

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