【週末趣味 ソト遊び&イエ遊び】
いまデジタル界隈で最も熱いのが「メタバース」だ。でもイマイチ敷居が高いのも事実。そこでメタバースにどっぷりハマっているアナウンサーの「よっぴーさん」こと吉田尚記さんに、初心者へ向けてのアドバイスなどを聞いた!
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ーーメタバースに興味を持ったきっかけは?
以前からVチューバーをやっていまして、2014年に「みならいディーバ」という生放送アニメをつくったんです。2018年に「Virtual Cast(バーチャルキャスト)」がリリースされて「Vチューバー」の第一次ブームが到来したのですが、ちょうどその頃、Vチューバーの相手をするという仕事がきました。「ミライアカリとデヴィ夫人が共演するから司会して」みたいなやつです。これは将来的に「バーチャル司会者」のニーズが増えるだろうと思い、2019年にアバターを作りました。それが「一翔剣(いっしょうけん)」。今もこのアバターで活動しています。
その後、HIKKY(ヒッキー)がバーチャルマーケットをやっているときにインタビューをする機会があり、そのときに初めて「VRChat」に入りました。「これは可能性があるな」と感じましたね。今ではほぼ毎日ログインしています。
ーーどうしても敷居が高いイメージがあります…
メタバースって、最初のハードルが一番高いんです。身近にVRなどに少しでも詳しい人がいたら、その人に1時間でも良いので教わるのがオススメ。はじめだけは対面でやることが重要です。VRはリモートだと教えづらいので。また、スマホアプリでも簡単に始められる「cluster (クラスター)」をやってみるのがよいと思います。
ーー始めるにあたってのアドバイス的なものはありますか?
「VR酔い」は市販の酔い止めがちゃんと効きます。また、移動するときにはレバー操作で移動するのではなく「ホローポイント移動」といって、移動先を指し示してワープするやり方が良いです。階段を登るときなどには目を瞑るのも大事ですね。これらを意識しておけば、そのうち慣れます。あとは、VRヘッドのレンズは汚れやすいので、メガネ拭きを用意しておくと良いですよ。
ちなみに、cluster の「一翔剣」ワールドで毎週イベントをやっているので、ぜひ来てください。どんなことをやっているかをYouTubeチャンネルでも公開しているので、ご覧いただけると安心できると思いますよ。みんなで“生八ツ橋”の衣装に着替えるだけのイベントとかもやりました(笑)
ーー結局、メタバースって何が楽しんでしょうか?
やっぱりコミュニケーションですね。コミュニケーションの範囲がVRだととても広がります。例えば、みんなで集まってただ寝るだけの「VR寝」とかもあるんですよ。一緒にワールド(VR内の空間)を作るなんてのも良いですね。
真偽は分かりませんが、80歳代の女性がVR内で原っぱを全力疾走できて楽しかったとか、現実世界では、車椅子生活の方がVRの中で働けて嬉しかったとか、さまざまな声を聞きます。こう考えるとVRって可能性の塊だと思うんです。だから今のうちにバーチャルに慣れておけば、今後、技術がもっと進化してもバーチャルの世界で自由自在に活動し続けられるのではないでしょうか。ちなみに僕はクラブを作って、そこでDJをやってみたい。VRならではのイベントです。リアルだと「モッシュ」や「ダイブ」って危なくてできないけれど、VRなら大丈夫ですからね。
ニッポン放送・アナウンサー 吉田尚記さん
1975年東京都生まれ。2012年第49回「ギャラクシー賞DJパーソナリティ賞」受賞。「マンガ大賞」発起人。今年1月にはaudibleで『ウェルビーイング 〜旅する博士と落語するアナウンサー〜』(KADOKAWA)を発表
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