【安くても傑作モノ】
消費者の声を聞いて企画したピープルブランドとして、ワクワク・ドキドキをカタチにした「情熱価格」(ドン・キホーテのプライベートブランド)。高品質の製品を手頃な価格で提供するための苦労や発想、そして商品開発の視点などを担当者が語った!
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2009年に“お客様の声をカタチに”をブランドメッセージとして誕生した、ドン・キホーテのオリジナル商品ブランドが『情熱価格』だ。
株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス、PBマーケティングチームのマネージャーである中武正樹さんは「2021年の2月には、さらにドン・キホーテらしさを実現するために、“ドンドン驚キ”をメッセージに掲げ、リニューアルを行いました」と話す。
リニューアルしたといっても、消費者からの声、要望を生かして商品を開発しているこには変わりはない。ラインアップは食品から雑貨に衣料品、インテリアや家電、自転車…と、多種多様に渡っている。それにしても、例えば国内メーカーの新製品であれば、20万円近くする55V型4Kチューナー内蔵TVが、情熱価格で6万円台。どうやってこの価格を実現しているのだろうか。
同社のPB企画開発部で、主に家電の開発を担当する柄澤喜行さんは「パートナー企業様とのモノづくりでは、“この機能はいらないね。この部分に特化しましょう”と、削ぎ落としてコストダウンしていくことが多いですね」と話す。
「例えば最初に格安4KTVを出した時は、他メーカーの機種にはインターネットTVの視聴機能が付いて価格が高かったので、ネット機能を省いて低価格を実現しました」
2017年当時、一般的には10万円以上していた50V型4KTVが税抜5万4800円。大いに話題になった。
「逆に地上波が全く映らない、チューナーレススマートTVも販売しています(笑)」
Android TV機能搭載で、NetflixやYouTubeなどのアプリが最初から入って42V型フルHDで税抜2万9800円という価格。24V型なら1万9800円。ネット動画だけに振り切ったモデルで、両モデルともHDMI端子が3個付いている。
在宅ワークが増えた今、一つはPCと接続してモニター代わりに、もう一カ所はゲーム機をつないで、仕事に疲れたらそのままゲームや動画を見て息抜きをするという使い方をする人のニーズをガッチリ掴んでいる。では、市場規模や顧客のニーズはどのように調査、分析しているのだろうか。
中武さんは「販売員が直接お客様のご意見を伺うこともあります。加えて、ホームページ上に“ダメ出しの殿堂”という場所を設け、率直なご意見をいただき、改善や開発に生かし、ドンキらしいワクワク・ドキドキを追求した商品を創り、お客様にお買い得感を感じていただきたいと考えています」と話す。
顧客とドン・キホーテが一緒になって作り上げていく驚安価格が『情熱価格』なのだ。ゆえに昨年2月のリニューアルからは、それをプライベートブランドではなく、『ピープルブランド』と名付けている。そして関わる社員たちは、少しでも安い“ありえ値ぇ!”価格と、“最驚”の機能と性能を備えた商品を送り出すために情熱を傾けている。
「これからもお客様の声を真摯に受け止め、情熱価格商品をたくさん送り出していきます!」(中武さんと柄澤さん)
今後は“驚安の殿堂”だけでなく、“安良の殿堂”としても発展してもらいたい。
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