■記録にも記憶にも残るモーターサイクルの歴史をおさらい
【1952】自転車用補助エンジンが始まり
「カブF型」
「カブ」という名称が最初に冠された製品は、自転車用の補助エンジン。押しがけの要領で走りながら作動させる。
【1958】伝説の始まりは「蕎麦屋のバイク」
「スーパーカブ C100」
4ストローク OHVエンジンを搭載。省燃費、高馬力、操作性の良い小径タイヤなど、一般大衆向け機能が詰め込まれている。
【1958】欧州攻略にモペッドタイプのモデルを投入
「C310」
1962年、欧州拠点として「ベルギー・ホンダ」が誕生。そこで生産されたモデルで、欧州進出の礎となった一台。
【1960】スポーツモデルのカブ、現る
「スーパーカブ C110」
「C100」に新設計フレームを採用した、スポーツタイプのカブ。手動クラッチ式の3速ミッションで走る楽しみを強化した。
【1962】アメリカでの地位を確立し始める
「CA100」
アメリカで展開された「ナイセスト・ピープル・キャンペーン」に採用されて大ヒット。ロングセラーモデルとなった。
【1963】アメリカでブームを巻き起こす!
「ハンターカブ C105H」
アメリカ向けに開発された、Honda初のトレイルモデル。ブロックタイヤを搭載し、悪路をものともしない走破力を誇る。
【1966】OHCエンジンを全モデルに採用
「スーパーカブ C50」
エンジンをOHVからOHCに変更。燃費、最高時速の向上が図られ、カブは新世代へと突入した。
【1968】二輪初のポジションランプを搭載
「C90」
ヘッドライトの下に、二輪車初となる大型のポジションランプを設置。いわゆる「行灯カブ」のルーツが誕生した。
【1968】海外での人気車両を国内販売開始
「CT50」
走破性に優れ、アメリカで人気の高かったトレイルモデルのハンターカブを、日本仕様にリニューアルして販売。
【1971】「行灯カブ」が日本を席巻する
「スーパーカブ C50」
ボディと燃料タンクが一体のプレスボディ仕様。「行灯」を受け継ぐ新しい「C50デラックス」は、カブの人気を不動にした名車。
【1978】騒音対策規制対応車へリニューアル
「スーパーカブ C50DX」
マフラーの形状を変更して、騒音規制に対応。低中速トルクを向上させ、より配達に適した仕様に。
【1981】輸出専用CT90の国内向け後継車
「トレッキングバイク CT110」
「ハンターカブ」「CT90」「CT50」に続く、トレイルモデルの後継車。「トレッキングバイク」というジャンルの確立に貢献した。
【1982】50ccの史上最強の5.5馬力が売り
「スーパーカブ50SDX」
角目のヘッドライトが印象的な一台は、5.5馬力のパワーを秘めながら、リッター150kmという脅威的な低燃費を実現した。
【1982】レアなボディカラーが話題に!
「赤カブ」
高出力、低燃費の「50SDX」を「モンツァレッド」に染め上げた深紅のカブが登場。「赤カブ」の異名を持つスペシャルなモデル。
【1983】燃費性能で脅威の180km/Lを達成
「50 スーパーカスタム」
副吸気回路を採用した「新エコノパワーエンジン」を搭載し、前年を更新するリッター180kmの低燃費を達成。
【1988】パワフルな「タイカブ」を逆輸入
「カブ 100EX」
タイの現地工場で生産されていたモデルを逆輸入。「タイカブ」と呼ばれ、当時のシリーズ最大の排気量を誇った。
【1997年】「リトル」登場で女性ファンも続々
「リトルカブ」
14インチの小径タイヤを採用。柔らかなサスペンションで乗り心地抜群の小柄なモデルは、女性ユーザー獲得にも貢献。
【2009】ビジネス仕様の「王道モデル」
「スーパーカブ110」
オリジナル性を受け継ぎ、実用性と経済性を兼ね備えた実力派モデル。21世紀に入っても、カブの思想と伝統が継承されている。
※2022年7月6日発売「GoodsPress」8-9月合併号102-103ページの記事をもとに構成しています
<文/溝口敏正 協力/ホンダモーターサイクルジャパン>
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