【趣味と遊びの秘密基地ギア】
いつ自身の身に降りかかるかわからない天災。「命を守る」「快適な避難生活を送る」ためのグッズは、毎年数多く登場している。いざという時のためにどうすればいいのか? 防災の基本的な考え方とおすすめグッズを紹介する。
* * *
テレビで災害のニュースを見るたびに「飲み水を確保しておこう」「防災袋を買わなければ」と思う人は少なくないだろう。デパートやホームセンターには防災グッズ売場があり、長期保存できる缶詰や非常用トイレ、ライト付きラジオほか多数陳列されている。
防災士・災害危機管理アドバイザーの和田隆昌さんは「本来、防災グッズは“災害を防ぐ”ことを目的とするものを指し、家具の固定器具やヘルメット、消火器などが該当します。水や食料、衛生グッズは備蓄用品であり、厳密にいうとカテゴリーは別。しかし防災コーナーに備蓄用品も並んでいるので、そのあたりが曖昧になってしまっているのが現状です」と話す。
毎年、何百という防災グッズ、備蓄用品を実際に試し、災害時に本当に使えるアイテムを提案している。
「現在はスマートフォンが“最強のサバイバルグッズ”です。災害の緊急速報や避難経路など、避難に必要な情報をアプリで得られますし、照明にもラジオにも地図にもなります。元々が連絡ツールなので、家族の安否を確認したり、自分の危機を知らせたりできる。これぞまさに防災グッズなんです。もちろんアプリを使いこなせる知識が必要ですし、何よりもバッテリーがなくなったら無用の長物になるので、モバイルバッテリーなど非常用電源の確保が最優先になります」
予想できる災害の種類によっても備え方は違うという。
「水や食料の備蓄はあらゆる災害において必要になりますが、まずは自分の住む地域にどんな災害が起きる可能性があるか、生活にどんな影響が出るのかを考えるべきです。海や川が近ければ、浸水や津波による被害の可能性があります。過去に水害が発生した地域で戸建て家屋に住むならば、家族分のライフジャケットを用意しましょう。
土砂災害の発生が予測される地域や木造家屋の密集地域に住み、家屋内での安全確保が難しい地域、台風で被害の可能性がある地域では、飛来物などからの安全確保のためのヘルメットも重要な防災グッズになります。繰り返し豪雨が発生し、浸水の被害が発生する地域では、発生直後の復興用掃除グッズも必要。二次的な健康被害に遭わないためには、医薬品や衛生グッズも用意しておきたいところです」
防災士・災害危機管理アドバイザー 和田隆昌さん
海・山のアウトドア雑誌の編集を歴任。阪神淡路大震災ほか多くの被災地を取材。自治体・企業の防災コンテンツ作成やセミナーを行う。著書は『読む防災』(ワニブックス)ほか多数
- 1
- 2