■アウトドアグッズを活用して1週間程度の避難生活を想定
避難場所としては大きく“自宅”と“避難所”があるが、新型コロナをはじめ、感染症の蔓延により避難所の人数制限など、自宅避難せざるを得ない状況も考えられる。自宅にとどまる場合に用意しておきたいものは?
「電気、水道、ガスなどインフラの停止を想定し、まずは水と食料、照明の確保。大人1人が1日に3リットルの水を使うといわれているので、人数と避難日数で備蓄数を計算すればいいでしょう。食料は防災食をわざわざ買わなくても、乾麺やレトルト食品で構いません。見落としやすいのが非常用トイレ。水をためておけば流せると思いがちですが、下水管の損傷により下水が使用できなくなる可能性があります。震度6以上の揺れがあった際、下水管の安全が確認できるまで排水を使用不可とする規約があるマンションも。
また、比較的広いエリアを照らせるLEDランタンやガスコンロなど、アウトドアグッズは広範囲に使用できるものがあります。電気器具はUSBを介して充電できるものを用意し、大容量のバッテリー、例えばJackeryのポータブル電源は容量別に種類が多く、ニーズに応じて購入できるので、扇風機や小型の冷蔵庫を使いたい人は、2〜3日使用できる大容量の『Jackery Solar Generator 2000 Pro』などがあれば、避難生活をより快適に過ごせるでしょう。他にも、クーラーボックスや給水を受けるために20〜30リットルのウォータージャグ、その運搬用にモノタロウの『カート 折りたたみ式 超強力型 アルミ製 コード付』のようなキャリーカートもあれば便利です」
【Pick up】ポータブル電源
Jackery
「Jackery Solar Generator 2000 Pro」(44万6000円)
【Pick up】キャリーカート
モノタロウ
「カート 折りたたみ式 超強力型 アルミ製 コード付」(1万769円)
避難生活は何日ぐらいを想定しておけばいいのだろうか。
「これまで自治体では基本的に3日間の水や食料を用意するように周知していますが、実は南海トラフ地震の被害想定区域などでは、政府は物流の停止を考慮して“1週間程度の備蓄”を推奨しています。また長期停電でエレベーターが止まれば、集合住宅の上層階では配給物の運搬に支障がでるため、やはり1週間程度の避難生活を想定すべきです」
■自分に必要なものをリュックにまとめて玄関に
避難所生活の場合はどうか。
「非常用持ち出し袋と備蓄用品は完全に分けてください。持ち出し袋は避難所で快適に過ごせるものが中心。一部をリスト化しましたが、8割は普通に家にあるものです。常用薬やコンタクトレンズ液など、本当に必要なものは個人によって異なるので、自分に必要なものを入れておくのが重要。最近は健康被害にあわないように、オーラルケアなど衛生用品も注目されています。
非常用持ち出し袋は玄関付近に設置。男性なら10キログラム、女性は5〜6キログラムを目安に、背負って走れる程度に重量を抑えることもポイントです。いろいろなメーカーが非常用持ち出し袋を売っていますが、中身をチェックすると無駄なものばかりということも。本来は自分に必要なものを自分で揃えるべきです。それが面倒だという人には、山善の『防災バッグ30』がオススメ。コストパフォーマンスも抜群です」
【Pick up】非常用持ち出し袋
山善
「防災バッグ30 YBG-30R」(4480円)
最後に、防災グッズや備蓄用品を選ぶ時のアドバイスをもらった。
「防災グッズは、アウトドアや庭でのバーベキューなど、日頃から使えるものを流用しましょう。使い方も習得できるし、器具の状態や燃料の使用期限も確認できます。そうでないものは、年に1回使い心地を確認する日を決めておくべきです。備蓄用品に関しては、付箋を貼って消費期限が一目でわかるようにして、古い期限のものから使用するローリングストックと呼ばれる方法がベター。これであれば、むやみに長い消費期限のある防災食を選ぶ必要がありません」
災害はいつ自分の身に降りかかってくるかわからない。まさに“備えあれば患いなし”だと言えよう。
※2022年9月6日発売「GoodsPress」10月号62-63ページの記事をもとに構成しています
<撮影/湯浅立志 取材・文/黒川秀紀 撮影協力/東急ハンズ>
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