1. カワサキ「Ninja 400/Z400」
レーサーレプリカっぽいフルカウルを纏ったマシンとして注目したいのがカワサキの「Ninja 400」。2011年から販売されていた「Ninja 400R」と車名に「R」の付いたモデルは結構格安で入手することができます。2015年以降の「R」が取れてからのモデルも50万円以下で狙えますし、2018年〜の「Ninja 250」と車体が共通化されてからの年式も、車両価格50万以下という範囲にギリギリ入る状況です。
エンジンは並列2気筒で最高出力48PSを発揮(2017年までは44PS)。167kgと軽量な車体との組み合わせで、フルカウルマシンらしいキビキビとした走りが楽しめます。また、同じエンジンと車体でアップタイプのハンドルを装備した「Z400」(2019年登場)も同様の価格で狙えるので、リラックスしたライディングポジションが好みの人は、こちらを探してみるのもいいでしょう。
2. ヤマハ「YZF-R3/MT-03」
同じくフルカウルを装備したマシンとしておすすめできるのがヤマハの「YZF-R3」。排気量は320ccですが、42PSの最高出力を発揮し、250ccクラスの「YZF-R25」と共通の車体との組み合わせで、走りの性能は確かなものです。実際に乗ってみると、車体とのマッチングも良好で、グローバルではこちらの排気量のほうがスタンダードとなっている理由が感じられます。
同様の車体・エンジンでアップタイプのハンドルを装備した「MT-03」も選べるのもうれしいところ。2015年(「MT-03」は2016年)から販売されていることもあり、タマ数も豊富で50万円という予算でも選ぶ楽しみが味わえます。2019年からは倒立フォークを装備し、ラジアルタイヤを履くようになりますが、この年式はまだ50万円以下では選ぶのが難しそうです。
3. スズキ「グラディウス400/SV400」
V型2気筒エンジンを搭載したネイキッドタイプのマシンが2010年に発売された「グラディウス400」。同様のパッケージの「SV400」の後継モデルとして登場し、2015年まで販売されていました。このエンジン、トルクフルな特性で、それでいて上までキレイに回るので扱いやすく気持ち良いと評価の高いもの。それをトレリス形状のフレームに搭載し、スリムで足付き性が良いだけでなく、走りの楽しさにも定評があります。
最高出力は55PSと高いだけでなく、耐久性もあるエンジンなので、ある程度年式が古くても不安に思う必要はありませんが、できれば「SV400」より新しい「グラディウス400」を選んでおいたほうが安心でしょう。2016年以降は400ccの設定はなくなってしまいましたが、実質的な後継モデルである「SV650/X」は現行モデルとしてラインナップされています。
4. ホンダ「CBR400R」
「CBR400R」という車名を聞くと、レーサーレプリカ世代の読者は1980年代にクラスを席巻した4気筒マシンを想像するかもしれませんが、今回紹介したいのは2013年に発売された2気筒エンジンを搭載しているほう。最高出力は46PSと、過去の同名マシンに比べると抑えられていますが、前傾のキツくないライディングポジションとなっていて、乗ってみると扱いやすさとツーリングからワインディングまで楽しめる懐の深さがあるマシンです。
2016年にはヘッドライトがLEDになり、フロントフェイスのデザインもシャープなものに。2022年には倒立フォークを装備し、フロントブレーキもダブルディスクのラジアルマウントとなるなど一気に豪華になっていますが、こちらはまだ中古市場には流れてきていません。また、エンジンやフレームなどを共用する「400X」も予算内で狙えるので、ツーリング好きな人はそちらも注目です。
5. スズキ「DR-Z400S/SM」
ここからは、ややマニア寄りなマシンになっていきます。「DR-Z400S」は2000年に発売されたオフロードマシン。400ccの水冷単気筒エンジンを搭載し、40PSという最高出力を発揮します。そして「DR-Z400SM」は2005年に登場した、前後17インチホイールを装備したスーパーモタードモデルです。フロントフォークも倒立式となっていて、今でもレースやジムカーナなどで活躍しています。
どちらも2009年で生産が終了しているので、年式はやや古くなってしまいますが、エンジンはエンデューロレーサーと同様の設計でパワフル。それを145kg(DR-Z400SM)という軽量な車体に搭載しているので、走りの性能は確か。相場は上昇傾向なので50万円という予算で選べるの今はチャンスかもしれません。
6. ヤマハ「FZ400」
発売は1997年と時が経ってしまっていますが、紹介しておきたいのがヤマハの「FZ400」。エンジンは水冷の並列4気筒で、最高出力は当時の自主規制値上限の53PSを発揮していました。フレームマウントのハーフカウルに、アップタイプのハンドルを組み合わせ、高速道路を走る長距離ツーリングも快適にこなせる設計です。
レーサーレプリカ世代も満足させる走行性能と快適性を兼ね備えた稀有なマシンで、400ccの最高峰を目指したといわれるハンドリングも秀逸でした。過去にレースシーンを席巻した「FZ750」を思わせるカラーが用意されていたのも魅力です。販売期間が短かったため、タマ数は多くありませんが、50万を切る価格のものも見つけることができます。
7. KTM「390DUKE」
今回唯一の輸入車となるのがKTMの「390DUKE(デューク)」。2014年に登場し、それまではオフロード車メーカーというイメージだったKTMというブランドの評価を国内でも広めた立役者です。DUKEシリーズは125、200、250とラインナップ豊富ですが、車体はすべて共通。原付二種と共通の車体に、43PSを発揮する373ccエンジンを搭載しているので、走行性能はいうまでもありません。
過激なマシンという印象も間違いではありませんが、車体がコンパクトで軽量(153kg)なので、街中での取り回しが良く、扱いやすさも持っています。鋼管トレリスフレームに単気筒エンジンを搭載した車体はスリムで足付き性も良好。特徴的なデザインで街中でも注目度が高く、タマ数も結構豊富なので輸入車にチャレンジしたいと思っているなら選択肢に加えてみるといいでしょう。
<文/増谷茂樹>
増谷茂樹|編集プロダクションやモノ系雑誌の編集部などを経て、フリーランスのライターに。クルマ、バイク、自転車など、タイヤの付いている乗り物が好物。専門的な情報をできるだけ分かりやすく書くことを信条に、さまざまな雑誌やWebメディアに寄稿している。
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