■火照った体を里山の空気でクールダウンするのが心地いいんです
埼玉県南西部に位置する飯能市。総面積4分の3を森林が占めるこの地域は、江戸時代より「西川材」と総称される良質な木材の産地として栄えてきた。そんな自然豊かな飯能市で生まれ育った中村綱秀さんは、自給自足のエネルギー資源として地元で潤沢に供給される「薪」に早くから注目してきた。
自宅にはデンマーク・モルソー社製の薪ストーブを設置。丁寧なメンテナンスを施しながら、27年に渡って愛用している。また昔ながらの鉄釜でもち米や大豆を蒸したり、時にはお風呂を沸かしたりと、一年を通じて燃料に薪を活用する暮らしを営んでいる。
そんな中村さんが導入した念願のプライベートサウナが、ロシア製の本格派バレルサウナ「bouchy」だ。材料がキットになっていることや自宅の庭に設置できる小ぶりなサイズであること、そして何より薪ストーブが熱源であることが、中村さんの“薪愛”をくすぐったのだという。
「薪ストーブはいろんなスペックの製品があるんですけど、基本的に暖房面積が広くて家全体を暖められるものなんです。でも、このバレルサウナは人が4人も入れば一杯になるほど小さな空間なので、薪ストーブが非常にパワフルな熱源になってくれるんです。さらに樽型の形状で熱が効率よく循環するので、温度の上昇も早いですね」
火を入れて約20分ほどで、室内の温度は十分に上昇。しかも、ストーブの上にはぎっしりとサウナストーンが積まれているので、自宅にいながらにしてセルフロウリュも楽しめるというこだわり仕様だ。
「狭い空間なので、ロウリュをやると一気に温度と湿度が上がって、湿度計のメモリが壊れたことがあるほどです。かなりサウナになれた人でも、我が家のロウリュでは2分ともたないと思います」
もう限界…とたまらず外に飛び出すと、冬の里山の冷たい空気がひんやりと体に心地よい。頭上に瞬く満天の星空を眺めながらクールダウンできるのは、空気が澄んだこの地域ならではの特別仕様です、と中村さんは笑う。
「いまは週に2〜3回のペースで愛用してますね。自宅の敷地内には井戸もあるので、そこから水を引いてきて隣に水風呂や休憩スペースを作りたいなと思っているんです」
今後もさらなる進化を遂げそうな中村家のプライベートサウナ。究極に“整う”ための空間プロデュースもまた、彼にとっては“サ活”の一環なのである。
■ロウリュを満喫する専用グッズ
■タフな防滴使用が心強い
■使い込んだ本格派薪割り道具
※2022年12月6日発売「GoodsPress」1・2月合併号96-97ページの記事をもとに構成しています
<取材・文/中田美幸 写真/山岡和正>
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