1. オープン形状と二次燃焼のハイブリッド
THE IRON FIELD GEAR
「TAKI BE TREE(タキビツリー)」(1万6500円)
サイズ:408×408×H320mm
収納サイズ:408×408×H110mm
重さ:3.7kg
二次燃焼焚き火台が続々誕生していますが、その多くが深い箱形や筒型です。煙が出ずに、きれいに燃やし尽くすパワフルな火が特徴ですが、焚き火らしいゆらめく炎が見えにくいのが残念。
そこで「浅めのオープン型焚き火台で二次燃焼させちゃおう」と考えたTHE IRON FIELD GEARが生み出したのが「TAKI BE TREE」です。
本体は一辺40cmの四角錐で、二次燃焼のために二重壁になっています。
底のほうにぐるりと並ぶ空気孔で薪を燃やし、縁付近に並ぶ空気孔が未燃焼ガスに熱風を吹きつけて二次燃焼を促します。
本体をひっくり返すと、四角錐の頂点付近に空気孔が並びます。火がついて本体が温まってくると、ここからどんどん空気が入っていくというわけ。火ふき棒を使わなくてもよく燃えます。
本体の深さは約11cm。ディスク型焚き火台の多くが深さ7〜10cmですから、ほぼ同じです。
二重壁と安定感のあるスタンドのため重量はありますが、キャンプ場で手に入る薪をノコギリで調整しなくても大丈夫。二次燃焼型らしく手間をかけなくてもよく燃えるし、炎の美しさが際立ちます。
組み立ても、スタンドを本体に載せるだけと簡単です。
唯一の不満は、発売されたばかりの人気商品で、手に入れにくいことでしょうか。
入荷日はTHE IRON FIELD GEARのSNSで知らされるので、こまめにチェックしましょう。
2. 開くだけで脚が飛び出す話題の焚き火台
鎌倉天幕
「SOLOIST HOMURA(ソリスト ホムラ)」(1万6280円)
サイズ:275×340×H230mm
収納サイズ:145×340×H36mm
重量:1kg
たたまれた本体を開くだけで脚が飛び出し、さらに4枚の風防が立ち上がるポップアップ式構造。面倒くさがり屋のソロキャンパーが飛びついた焚き火台です。
たたまれた状態から広げ、内側のダブルクリップみたいな補強ステーを空気孔下の折り返しにはめるとロックされる仕組み。撤収時は補強ステーを外して両側の風防を少し外側に開くだけで、脚や風防を収納しながらたためるんです。
幅340mmでややコンパクトですが、対角を利用すれば市販薪がほぼ載るので、これも手間いらず。それにロストルは付いていませんが、底面にスリットがあるのでよく燃えます。
半面、灰や小さな燃えかすが転がり落ちるし、脚が短くて熱が地面に伝わりやすい点には注意。写真のステンレス製トレイは付属していないため、焚き火シートや耐熱テーブルを用意しましょう。また、使用後は毎回燃えかすをブラシで掃き出すなどのメンテナンスを行うことも必須です。
付属の五徳(スピット)はふたつ。風防の上に載せるほか、風防に開いた孔に差し込んでも使えます。
ちなみに五徳は幅が狭いので、シェラカップの底を受け止めてくれます。これもソロキャンパーにはうれしい仕様です。風防や五徳部分など、ユーザーの声を聞きながら、より高いクオリティへ改善を行っているとのこと。
メカっぽい動きといい、簡単組み立てといい、手に入れたいと思わせる焚き火台。一時期は完売状態が続いていましたが、現在は在庫が安定しているのもうれしいニュースです。
>> ニューテックジャパン
3. 人気焚き火台がダッチオーブン対応になった
MONORAL
「WireFlame SOLID(ワイヤフレーム ソリッド)」(2万2000円)
サイズ:370×370×H275mm
収納サイズ:70×90×H260mm
重さ:1.05kg
MONORALが誇るワイヤインフレーム構造の焚き火台が、耐荷重10kgとなってダッチオーブンやスキレット、鉄板などの重い調理器具対応に! しかも本体重量はわずか1.05kgで、バックパックに入れて持ち運びやすいまま。これはうれしい進化です。
火床は耐熱クロスではなくステンレスリングメッシュ。一般的な金網より線径が太く、耐久性よし。潰して小さく持ち運べるのもMONORALファンにはたまりません。
もちろんメッシュなのでよく燃えますよ。
アームを開閉するだけで組み立てや撤収ができるアルミ合金製フレームは、ユーザーが自分で分解できます。実は、フレームに取り付けてテーブルにできるアタッチメントを開発中。この拡張性も楽しみのひとつ。
12月下旬に1月出荷分の予約受付を予定しているそうなので、オンラインショップで再入荷通知の受け取りを設定しておきましょう。
>> MONORAL
4. ガスを使う新時代の焚き火台
THE IRON FIELD GEAR
「EASY FIRE(イージーファイヤー)」(1万6500円/Makuake価格は8〜25%引き)
サイズ:183×183×201mm(OD缶使用時)/183×183×H321mm(CB缶使用時)
重さ:2.7kg
もっと手軽に焚き火を楽しみたい…そんな想いから生まれた焚き火台が「EASY FIRE」。なんと、薪ではなくOD缶やCB缶を燃料としていて、インテリア感覚で焚き火を楽しめるというもの。
プレートを組み合わせてガス缶を装着したら、付属の溶岩を載せて火をつけるだけ。
すぐに焚き火ができます。煙が出ず、ニオイもありません。
かつて溶岩を使うBBQグリルがありましたが、「EASY FIRE」はあくまで観賞用。調理は推奨されていません。少々残念な気がしますが、溶岩に油脂が付着せず、ずっと使えるのがいいですね。
OD缶用の短い脚とCB缶用の長い脚が付属し、どちらを利用してもOK。
Makuakeで先行予約中。1月16日にプロジェクト終了です。あまりの評判に追加されましたが、追加分もなかなかの勢いで購入されていますよ!
5. 手持ちの焚き火台で二次燃焼できる
INFLUX Outdoors
「SC-300」(1辺4950円)
サイズ:300×45×H150mm(1辺分)
重さ:1kg(1辺分)
「焚き火の炎を眺めるのが好き」「できるだけ燃え残りを少なくしたい」と願う人に朗報。
「SC-300」は、手持ちの焚き火台に載せるだけで二次燃焼を促すパーツです。
2枚1組の板で1辺。これを4つ以上つなげて焚き火台に載せます。
自分の焚き火台の形やサイズに合わせて組み合わせられるんですね。
スノーピーク「焚火台M」で4つ、コールマン「ファイアーディスク」やペトロマックス「ファイヤーボウル fs-48」なら5つでちょうどいいんだとか。
辺が増えても、重ねてコンパクトに収納できるのがいいですね。
後付けではありますが、いい感じで二次燃焼がおきていることがわかります。
INFLUX Outdoorsによると、推奨枚数は4〜5辺分とのこと。
お気に入りの焚き火台でおいしい料理や炎の美しさを堪能したら、寝る前に「SC-300」を載せて薪を燃やし尽くす。1辺1kgなので、なかなかの重さになりますが、「SC-300」があればわざわざ二次燃焼型焚き火台を用意しなくてもいいんです。それに煙が大幅に減るので、みんなで焚き火を囲んでいるときに煙を避けてあちこち移動しなくてもよし。落ち着いて会話を楽しめますよ。
* * *
たかが焚き火と侮るなかれ。
ここで紹介した焚き火台は、独自のこだわり技でキャンパーを魅了します。開発者の焚き火に対する哲学を感じるものばかり。2台目、3台目の焚き火ギアとして手に入れたくなりますよ。
<取材・文/大森弘恵>
大森弘恵|フリーランスのライター、編集者。記事のテーマはアウトドア、旅行、ときどき料理。Twitter
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