【達人オススメ第2位】
英国機好き待望のリニューアルキットが遂に発売!
エアフィックス
「1/48 ブラックバーン バッカニアS.2」(1万6500円)
2022年12月発売
第二次大戦後の英国機には個性的な機体が多いんですね。BACライトニングとか、ウエストランドワイバーンとか、マニアックな機体ばっかり。まぁそれだけにファンが多いのも事実。ブラックバーン・バッカニアもそうしたコアなマニア好みの機体のひとつ。あと日本では、新谷かおるの飛行機マンガ『エリア88』にも登場していることもあって、人気のある機体であります。
初飛行は1958年! ちょっと艶めかしいエリアルール(言うところのコークボトルライン)を採用した胴体、T字配置の垂直尾翼、胴体後端部のテイルコーンが左右に展開する超特徴的なエアブレーキなどなど、実に個性的なスタイルの英国空軍&海軍の攻撃機なんですね。スタイルもそうなんだけれど、エアブレーキが実にカッコ良いのです。
でもってF-4ファントムと同規模の機体サイズ(デカイ)なので、アークロイヤル(英国空母)では、艦内ハンガーに格納する際に機首レドームを左側に折り畳み、エアブレーキも展開して全長を短くしないとエレベーターに乗らない、という無理やり感が堪りません。
そんなコアなバッカニアを、英国の老舗模型メーカー、エアフィックスが新設計で再モデル化してくれました。実は同社、80年代に同じ1/48スケールでモデル化しているんだけど、これが超作り辛い難物キット(上下合わせの胴体が左右にズレるなど)だったので、リニューアルキット発売のアナウンスがあってから約1年、格段に進化した1/48バッカニアの発売に「待った甲斐があったぜ!」と喜ぶ英国機ファンが多いのであります。
【達人オススメ第3位】
零戦ライバルと言われたF4Fの決定版!
エデュアルド
「1/48 F4F-3ワイルドキャット(プロフィパック)」(7810円)
いや~好きなんですよ、ワイルドキャットの味のあるスタイルが。
太平洋戦争の当初、日本の零戦と激闘を繰り広げたアメリカ海軍の艦上戦闘機で、性能的には零戦の敵ではなかったと言われているんだけれど、ずんぐりむっくりな機体で、実はどうしてなかなか奮戦しております。
頑丈な機体に自動防漏機能を備えた燃料タンク、防弾ガラスや操縦席後部には防弾鋼板も装備していたので、零戦の7.7ミリ機銃では容易に墜とせなかったんですね。そして零戦を研究して編み出された2機1組でのサッチウィーブという空中戦闘機動(アメリカ海軍のジョン・S・サッチ海軍少佐が編み出したのでこの名がつけられた)で、運動性能では零戦に劣るものの互角以上に戦うことができたのであります。
模型的には古くからキット化されているのですが、今年2022年8月にエデュアルド(チェコの模型メーカーで、エッチングパーツ等のディテールアップパーツの販売を行っているメーカー。近年ではオリジナルキットを積極的にリリースしている)から、最新考証の1/48 F4F-3が発売。シャープなディテールのキットに、同社エッチングパーツが組み合わさって、デカールも6バージョンが付属。リアルなワイルドキャットが作れるんですよ。これもオススメ!
【達人オススメ第4位】
これもあり! 1/35 Uボートの艦橋モデルが登場!
ボーダーモデル
「1/35 ドイツ海軍UボートⅦC型(水上航行モデル)」(1万5070円)
さてさて飛行機モデルが続きましたが、第4位はボーダーモデルから発売された1/35 UボートⅦC型(水上航行モデル)をオススメしちゃいます。あれ? Uボートと言えば、達人のプラモ術でジオラマ作ったよね?。まぁそうなんですが、今回紹介するのは1/35スケールであります。
連載で製作したのは1/144でしたからね。Uボートはかなり小さい潜水艦(全長67.1メートル、全幅6.2メートル)なので1/144だと全長約47センチですが、1/35スケールだと全長が約192センチにもなります。だから今回ボーダーモデルが発売したキットは、船体の前後がカットされたセイル前後の洋上モデル(喫水線より上のみを再現したモデル)になっているんです。
1/35スケールはAFVモデルではお馴染みのスケールサイズですね。要するに洋上ジオラマにすると見栄え良し! というモデルなんですね。別売になりますが(レジン製のドイツ潜水艦乗組員&指揮官セット:7480円)と組み合わせることで、Uボートの迫力のある大スケールジオラマが楽しめます。
【達人オススメ第5位】
アンドロイドの原点、メトロポリス マリアに注目!
エクスプラスモデル
「1/8 メトロポリス マリア」(4949円)
達人がSF好きなのは、今さら言うまでもない事なんですが、近年は古き良きSENSE OF WONDERなプラモデルが数多く発売されるようになり、いい時代になったなぁと思っています。
「1/8 メトロポリス マリア」もそのひとつ。まぁかなりディープでマニアックなキットであることは間違いないですな。なんたってこのマリア、今から96年前の1926年にドイツで製作されたモノクロサイレント映画『Metropolis』に登場するアンドロイドなんですから。映画は“SF映画の原点にして頂点”と言われております。マリアはドイツ人女優 ブリギッテ・ヘルムが演じているんですが、彼女自身がスーツに入っていたそうです。
マリアはこれまで何度かガレージキット等でキット化されてはいますが、21世紀にインジェクションでキット化されるとはいい時代(以下略)。スター・ウォーズに登場するアンドロド C3POのデザインもマリアの影響を受けているんですよ。キットは1/8スケールで、立ち姿の固定ポーズですが完成度は高い。センスのいい展示ベースが付属しています。
<文/長谷川迷人>
長谷川迷人|東京都出身。モーターサイクル専門誌や一般趣味雑誌、模型誌の編集者を経て、模型製作のプロフェッショナルへ。プラモデル製作講座の講師を務めるほか、雑誌やメディア向けの作例製作や原稿執筆を手がける。趣味はバイクとプラモデル作りという根っからの模型人。YouTubeでは「プラモ作りは見てナンボです!@Modelart_MOVIE」も配信中。
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