日常でも使えるモノでライフラインの確保!<防災対策1>【自己防衛グッズを見直そう】

【自己防衛グッズを見直そう】

今年は関東大震災から100年。記憶に新しい東日本大震災からは12年が過ぎ、熊本地震からは7年が経過した。人々の防災意識は高まっているとは言うものの、まだ何を準備し、どう備えればいいかが分からない人も多い。

そこで普段使いもできるもので備えておけば、イザ! っという時に戸惑わなくて済む。また、このところ盛んに報道されている“侵入強盗”。金品はもちろん、命の危機に晒される人もいる。そんな事態に備える心構えと装備も見直していこう。

 

ー防災対策1ー

基本の考え方は「フェーズフリー」。日常でも使えるモノでライフラインの確保!

Phase Free(フェーズフリー)とは、日常時(平常時)と非常時(災害時)のフェーズ(社会の状態)からフリーにして、生活の質(QOL/クオリティ・オブ・ライフ)を向上させようとする、防災に関わる新しい概念。いつも使って慣れているモノなら緊急時も戸惑わない。

*  *  *

地震に台風、豪雨、洪水に土砂崩れ、豪雪…。自然が猛威を振るう災害はいくつもある。しかし全ての災害に備えることは不可能。仮に家屋倒壊の恐れがなければ、下手に自宅から動かないほうがいい。

「在宅避難は良い選択肢の一つです。ただ、ガスや水道、電気、通信は必ず止まるものと考えて備えておいてください」

こう話すのは気象予報士で防災士でもある長谷部愛さん。

「今の生活は電気がなければ成り立ちません。過去の被災者の方々も、モバイルバッテリーと灯り、ポータブルトイレがあってよかったといいます」

スマホやPCを作動させるために大容量モバイルバッテリーは必須で、できればポータブル電源もあるといい。

「グッズはアウトドア用品を活用して、日頃から使うようにすると、急に必要になった時に戸惑うことがありません。食料や水も同じで、在宅避難時でも食べ慣れているものなら気持ちも少し和らぎますから」

この方法が、ギアであれば“フェーズフリー”、食料ならば“ローリングストック”と呼ばれる防災に関わる概念だ。

「ただ、水が出ない間はトイレも使えません。災害用トイレだけは準備しておかないと替わるものはありません。また、モノには入らないかもしれませんが、歯磨きや体を拭くための大きめのウェットティッシュがあると、衛生面で助かります」

日常生活で使っているモノを活用する、食品を多めにストックするという発想で準備おしておけば、災害時に生存環境を整える自己防衛の有効な手段になってくれるはずだ。

気象予報士/防災士 長谷部愛さん
大学卒業後、各地のテレビ局・ラジオ局でキャスター、ディレクター業を経験。気象予報士資格取得後、TBSラジオや Yahoo! 天気・災害動画などメディアを中心に気象情報を伝えている。2018年からは「東京造形大学特任教授」として、「天気とアート」の研究の傍ら、講義を行っている

 

【次ページ】在宅避難の心得とあると便利なアイテム

この記事のタイトルとURLをコピーする