1. アンティークのような風合いで経年変化をも楽しめる
ピクス
「BRASS BOX CARD CASE+」(3410円)
時代が移り変わっても多くの人々に愛され続けるアンティークをベースに、ハンドメイドの質感や国産にこだわったアイテムを数多く制作するPICUS(ピクス)。本作で使われている素材は、同ブランドが得意とする“真鍮”。
しかもこちらは真鍮無垢タイプ。表面にクリアコーティングなどの加工を施さず、使用していくうちに付くキズや汚れ、指紋などで経年変化していく様子をアジとして楽しむことが叶います。まるで蚤の市で見つけた掘り出し物のような雰囲気が素敵ですね。
開閉はワンタッチ。内部には40枚以上の名刺を収納できますので、とりあえずこれ1つ持っていれば困る心配はないかと。またこの無垢タイプのほか、薬品を使用して表面に錆加工が施されたタイプ(3630円)もラインアップ。長年育てる手間なく、手に入れた瞬間から使い古したような真鍮独特の風合いが楽しめます。
さらにハードケースには雨や水にも強いというメリットもあります。大事な相手から受け取った名刺を曲げず汚さず、しっかりと守ってくれるでしょう。もちろん、水分は付着したままだと錆びることがあるので、ハンカチなどでサッと拭って、真鍮の美しさを長く楽しみましょう。
サイズ(約):縦6×横10×厚み1.5cm
>> PICUS
2. 革のダイヤモンドが持つキメ細やかな風合いと透明感
土屋鞄製造所
「コードバン 名刺入れ」(各2万6400円)
土屋鞄製造所といえば、職人の技と選び抜かれた素材、そして飽きのこないシンプルな形にこだわり、長く愛出来る相棒となりえるアイテムを数多く世に送り出してきた、日本を代表するレザーファクトリーのひとつ。
そんな同社のラインアップから今回選んだのが、革のダイアモンドとも称される最高級革“コードバン”。しかもこちらで使われているのは水染めのもの。キメ細かくなめらかで透明感が特徴。使い込むほどにこなれた味わいに変わり、熟成していく過程が楽しめます。
素材の持つ上質なイメージをさらに高めるため、スリム設計を採用。収納量は名刺15枚程度。内装にしなやかに仕上げられたソフトヌメ革が用いられており、メイン収納部はマチ付きで大きく開口。これにより視認性と出し入れのしやすさを両獲り。
しかもポケット内側にも贅沢にレザーを使うことで、高級感のある仕立てとなっています。またフラップ裏の簡易ポケットを使えば、これから渡す名刺がサッと取り出せてスマート。相手も「この人、デキるな!」と思うはず。
サイズ(約):縦7.7×横11×厚み1.8cm
>> 土屋鞄製造所
3. トラックの幌をリサイクルして作る、世界でただひとつの逸品
フライターグ
「F233 PAT CARD POUCH」(6200円)
続いては、名刺交換の際に相手から「それはなんですか?」と興味を持たれること請け合いの1作をご覧いただきます。ブランドは1993年にスタートしたFREITAG(フライターグ)。
こちらの代名詞となっているのが、使い古されたトラックタープ(幌)、廃棄された自転車のインナーチューブ、車のシートベルトをリサイクルして作られるメッセンジャーバッグであり、このカードポーチに使われているのも、廃棄材として出た“PVC製トラック幌”。かなり目を引きますよね。
重量は40g。構造自体はいたってシンプル。左右に分割された本体を折りたたみ、ゴムストラップで留めて使用します。こちらで最大12枚のクレジットカード、または30枚の名刺が収納可能。中身も取り出しやすく、元々が防水素材のトラックタープということもあってラフに扱えるのがうれしい限り。
また、リサイクル素材をランダムに使用しているため、2つとして同じデザインのものが存在しないというのが最大の特徴。世界でコレひとつだけという特別感により、愛着もマシマシ!
サイズ(約):縦9.5×横6.5×厚み1.5cm
>> FREITAG
4. クラシックと革新の融合により醸し出されるハイエンド感
ガンゾ
「AVON(エイボン)名刺入れ」(3万6300円)
「個性も大事だけど、名刺入れには大人の風格が欲しい!」。そんな人にうってつけなのがガンゾ(GANZO)。素材選びから工程に至るまで、いっさい妥協することなく本物を追求する最高級レザーブランドとしてお馴染みですね。
こちらの名刺入れでは、外装・内装ともに英国の老舗タンナー、トーマスウェア&サンズ社の“芯通しブライドルレザー”を使用。折れや曲がりにも柔軟に対応し、芯までしっかり染まっているのでキズも目立ちにくいという特性を備えています。
内装の特徴として挙げられるのが、クラシカルな意匠である風琴マチを採用している点でしょうか。ジグザグ状の谷部分に仕切りを設けて外側に折り込まれているため、名刺をスムーズに取り出すことが出来るだけでなく、十分な収納力を保ちながら、スリムで小ぶりなサイズ感も実現。
カラーは英国伝統色として愛されてきたブラック、ダークブラウン、ブリティッシュグリーンの3色を用意。どれもシックで汚れも目立ちにくく、誠実で質実剛健な印象を相手に与えるでしょう。
サイズ(約):縦7.5×横10.5×厚み1.8cm
>> GANZO
5. エンボスレザーの質感に利便性とファッション性を両備え
マスターピース
「luster No.223405」(1万2100円)
最後の素材も同じ革ですが、表面に刻まれた模様が豊かな表情を見せる“エンボスカウレザー”。制作したのはファッション性と機能性を高い次元で融合させたバッグを輩出してきたブランド、マスターピース(master-piece)です。
国産原皮にクロム鞣しを施した後に、多めのベジタブルタンニンで再鞣しを施すことで弾力性やコシを持たせたており、さらに仕上げにツヤ材を何層にも塗り込むことで深みのある色合いを演出。その上、キズが付きにくくなっているのもありがたいですね。
内装には、たっぷりのワックスとマットな質感を出す仕上げ材を混ぜたものを塗り込むことで、使うほどに艶の出る経年変化を楽しめる“オイルマットカウレザー”を使用。外装と内装で異なるレザーを組み合わせたことで、質感の対比が楽しめる1作。
仕切りで3つに分かれた収納部は、ジグザグ状の谷部分に仕切りを設けて外側に折り込まれた風琴マチで、複数枚のカードをすっきりと収まります。箔押しのネームもさりげなく、ビズ使いの最適解のひとつといえるのでは。
サイズ(約):縦11× 横75×厚み1cm
>> master-piece
* * *
春から新生活をスタートするビジネスマンにとって、相手に自身を知ってもらうためにも欠かせない武器である“名刺入れ”。今回は使用されている素材に着目し、タイプの異なる5つのモデルをご覧いただきました。先述のように、上質な素材であれば所有者のクラス感をアップさせますし、ユニークな素材であれば、初対面の相手に興味を持ってもらうための話のネタにもなります。
これまで何となく直感で選んでいた先輩ビジネスマンも、これが名刺入れデビューで何を選べばいいのか分からない新米ビジネスマンも、この機会に自分をどう演出したいのかを考えてセレクトしてみてはいかがでしょうか? きっと新たな可能性が開けるはずです。
<文/TOMMY スタイリング/添田和宏 メイン写真/田中利幸>
TOMMY|メンズファッション誌を中心に、ファッションやアイドル、ホビーなどの記事を執筆するライター/編集者。プライベートでは漫画、アニメ、特撮、オカルト、ストリート&駄カルチャー全般を愛する。Twitter
【関連記事】
◆バックパックの前面をぱかっと開けば容量がほぼ倍に!だから荷物が増えても問題なし!
◆ブリーフィング初期の人気モデルがカムバック!もちろんMADE IN USA!
◆むしろ新鮮かも。岡山デニム製の縦型3WAYダレスバッグはスーツとの相性◎
- 1
- 2