2. ジウジアーロの名車をおしゃれにカスタム「フィアット パンダ」
ジウジアーロ率いるイタルデザインが手掛け、1980年にデビューした初代パンダ。無駄を排したシンプルな直線基調のデザインは、初代フォルクスワーゲン ゴルフとともに“ジウジアーロの傑作”と評されます。
歴代パンダは悪路走破性に優れた4×4も設定。もちろん初代にも用意されていました。エクステリア同様、室内も直線基調で限られたスペースを最大限活用できるよう設計されています。それもあり、キャンプを自分らしくおしゃれに楽しみたいという人からも人気が高いネオクラシックモデルとなっています。
今回取材したパンダは、クルマを単なる移動手段ではなくファッションアイテムのように楽しむための提案をしているCRANK TOKYOが手掛ける、自分だけの一台を作れるカスタム車両。ボディサイドに貼るデカールやホイールキャップで、パンダを大人っぽく仕上げられるというものです。
テーマは“街に馴染む大人のためのパンダ”ということですが、たとえばクルマとラグや食器などをコーディネートすると、キャンプ場でかなり目立つのではないでしょうか。
>> CRANK TOKYO
3. ユーザーの声から生まれたラグジュアリーワゴン「メルセデス・ベンツ 280TE」
ネオクラシックなメルセデス・ベンツの世界では、W124が人気。新車時を知る人はもちろん若い人たちからも注目されていて、相場も上昇しています。でも、のんびりとした雰囲気でキャンプを楽しみたいなら、W124の一つ前の世代になるW123型もおすすめです。
1976年から1985年まで生産されたW123には4ドアセダン、2ドアクーペ、ステーションワゴンをラインナップ(S123)。ステーションワゴンはTシリーズと呼ばれました。W123のワゴンは、当時のユーザーからの強い要望により市販化されたといいます。ちなみにW123はデビューした頃は“コンパクトクラス”という扱いでした(後にミディアムクラスという名称になります)。
コンパクトというのはあくまで、「Sクラスと比べたら小さい」という意味。大容量のラゲッジルームにはたくさんの荷物を積んで出かけられるのは、このクラスのワゴンならでは。メッキのルーフレールも味があります。
展示車両の、現代のクルマでは見ることがないマルーンのボディカラーと、ボディカラーとコーディネートされたホイールキャップがいい雰囲気です。こんなクルマで優雅なキャンプを楽しんだら最高でしょうね。
>> シルバースター
4. 優雅にアウトドアを楽しむなら絶対に外せない選択肢「ランドローバー レンジローバー」
W460型Gクラスとともに、クラシックSUVの定番である初代レンジローバー。“クラシックレンジ”と呼ばれる、味のある丸目のスタイルに憧れる人は多いはず。
1970年から1996年まで製造された初代レンジローバーは、1台でクロスカントリーとしての役割はもちろん、オンロードでの快適性、ラグジュアリー性などさまざまな要素を盛り込み、“砂漠のロールスロイス”と評されてイギリスのアッパークラスから愛されました。
日本への正規輸入がスタートしたのは1990年。そのため、中古車サイトでもほとんどが90年代のものとなります。搭載エンジンは3.9LのV8で、1993年にはクロスカントリー車で世界初となる電子制御式エアサスペンションが搭載されました。
クラシックレンジと言えば“壊れるクルマ”の代名詞的に言われることもあります。購入後はこまめなメンテナンスが必要になるでしょう。しかし現在でも専門店がいくつもあるので、プロに相談しながら“このクルマでしか味わえない世界観”をアウトドアで堪能してみてください。
>> RANGERS
5. 4年の歳月をかけて復活したラグジュアリーSUV「ジープ グランドワゴニア」
2021年、約30年ぶりにその名が復活したグランドワゴニア。アメリカを象徴するクルマのひとつであり、長く愛されたモデルだけに、復活を歓迎する人も多いはず。
オリジナルのワゴニアは1962年に誕生。軍用車だったジープは乗り味がハードなため、乗用車として使えるジープとしてワゴニアが開発されたのです。ワゴニアはラグジュアリー性能をもったSUVの元祖と言える存在でした。
グランドワゴニアは1984年に登場。この年にワゴニアが小型モノコックボディのスポーツワゴン(=チェロキーの系譜)になったことで、ワゴニアのフルサイズ版であるワゴニアSJがグランドワゴニアになったのです。
オートモビルカウンシルの会場に展示されていたグランドワゴニアには1580万円というプライスタグが付けられていました。それを見て「ついにグランドワゴニアも1000万円オーバーに…」と驚きました。
しかしスタッフの話を聞いて納得。この個体は「新車以上のものを再現させる」というコンセプトで、内外装をフルレストアし、シートも張り替え。エンジンはオーバーホールした上でインジェクション制御に変更しているそう。完成までになんと4年かかったと言います。
これをアウトドアで汚してしまうのはもったいない気もしますが、クルマは使ってこそ意味があるというもの。このクルマの価値が分かる人に乗ってほしい1台です。
>> BUDDY-AUTO
<取材・文/高橋 満(ブリッジマン)>
高橋 満|求人誌、中古車雑誌の編集部を経て、1999年からフリーの編集者/ライターとして活動。自動車、音楽、アウトドアなどジャンルを問わず執筆。人物インタビューも得意としている。コンテンツ制作会社「ブリッジマン」の代表として、さまざまな企業のPRも担当。
【関連記事】
◆本国でも激レアな英国車をオートモビルカウンシル2023で発見!ベッドフォードって知ってる?
◆かつて憧れた名車が目の前に!オートモビルカウンシル2023で出合った“スーパーカー”5選
◆S30Zやロータスエランなど名車がズラリ!1960~70年代のヴィンテージ中古車6選
- 1
- 2