2023年のテレビは“明るい高画質”に注目。最新技術搭載の注目8モデルを厳選紹介

【トレンド1】“明るい高画質”がテーマ。65V型以上のハイエンドminiLED液晶テレビがスゴい

高画質な4Kテレビといえば自発光の有機ELが定番でしたが、有機ELは画面全体を明るく表示するのは苦手。そこで昨年来各社が投入を始めたのが、画面全体を非常に明るく表示できるminiLEDバックライト採用による4K液晶テレビの高輝度化です。なかでも65V型以上の4K液晶はフラッグシップの位置づけで、miniLEDの分割は千~数千以上。強烈なインパクトのあるハイエンドモデルです。

ソニー
「BRAVIA XRJ-65X95L」(実勢価格:38万6800円前後)

MiniLEDバックライトに認知特性プロセッサー「XR」を搭載したソニーの4K液晶テレビ最上位機種。視野角を広げる「X-WideAngle」、映り込み防止の「X-Anti Reflection」も特徴。画面から音が鳴る独自の音響技術「アコースティック マルチ オーディオ プラス」やGoogleTVによるネット対応が特徴です。

 

TVS REGZA
「REGZA 65Z970M」(実勢価格:46万2600円前後)

新開発「4K Mini LED広色域量子ドット液晶パネルモジュール」、独自の高画質映像処理エンジン「レグザエンジンZRα」搭載のレグザ上位モデル。視野角の広いADSパネルを採用しています。業界初となるミリ波レーダーで視聴者を把握する「レグザセンシング」も搭載し、そしてレグザ独自となる外付けUSB HDDによる全録機能「タイムシフトマシン」は地デジ放送録画向きの機能としては最強です。

 

ハイセンス
「65UX」(実勢価格:39万8000円前後)

miniLEDバックライト搭載の「ダイナミックXディスプレイ」、映像処理に「16ビットHI-VIEWエンジンX」とTVS REGZAとの共同開発によるエンジンを搭載した最上位モデル。新開発の低反射倍速XDRパネルで画面の映り込み低減と偏光子技術による広視野角を実現。日本メーカーとして共同開発した最上位の高画質技術が手に入る最高画質のコスパ志向モデルです。

 

【トレンド2】miniLEDバックライト液晶。“ちょっと安め”の55V型も登場

2023年は、“miniLEDバックライト”のトピックスがもうひとつあります。65V型の大型サイズだけでなく、ひと回り小さい55V型モデルの“miniLEDバックライト”搭載モデルが増加中なんです。ミドルクラスの製品になるため、65V型クラスと比べるとLEDの分割数は数百と少なめですが、それでも従来のLEDバックライトと比べると数倍以上。昼間でも見やすい明るさ重視、そしてコスパ重視なら、ここは2023年の狙い目モデルです。

パナソニック
「VIERA TH-55MX950」(実勢価格:29万7000円前後)

miniLEDバックライト+量子ドットの採用により、同社の4K液晶としては最高峰の高コントラストと鮮やかな映像を実現する上位モデル。独自の「Wエリア制御」技術を組み合わせることで、引き締まった黒も再現。独自の転倒防止スタンドを採用するなどファミリー向けの配慮も行き届いている点も同社らしいところです。

 

TVS REGZA
「REGZA 55Z870M」(実勢価格:26万1800円前後)

新開発「Mini LED液晶パネルモジュール」搭載による新スタンダードを目指したモデル。miniLEDバックライトの分割数は上位機種のZ970Mほど多くはありませんが、ADSパネル採用により広視野角。レグザ独自の、外付けUSB HDDによる地デジ放送全録機能「タイムシフトマシン」搭載など機能面は上位機種と同等です。

 

ハイセンス
「55U8K」(実勢価格:16万8000円前後)

MiniLEDバックライト搭載液晶テレビを身近にするスタンダードモデル。液晶パネルは広視野角のADSパネルで、広色域量子ドットも採用。高画質エンジンは「HI-VIEWエンジン」を搭載しています。ネット機能などは上位モデルのUXと共通で、75/65/55V型と55V型サイズでも選べるラインナップが特徴です。

 

【トレンド3】有機ELは“MLA(マイクロレンズアレイ)”搭載で逆襲へ

自発光で黒の再現が得意な高画質テレビの定番・有機ELも2023年に大きな技術革新がありました。有機ELパネルの表面に5.9μのレンズを215億個(55V型の場合)以上配置する、MLA(マイクロレンズアレイ)を搭載。これにより有機ELでも画面全体が明るく、それでいて有機ELの強みである黒の再現性も確保。MLA搭載の有機ELテレビは55V型のサイズから選べるので、大きすぎないモデルかつ画質重視を探している人にはピッタリですよ。

パナソニック
「VIERA 55MZ2500」(実勢価格:40万7000円)

新世代の「マイクロレンズアレイ有機EL」パネルを搭載した最上位モデル。一般的な有機ELテレビ(2022年の有機ELスタンダードモデル「55LZ1800」)と比べて約2倍の高輝度化を実現した上に、独自の冷却構造「デュアルメタルヒートレス構造」を採用。ラインアレイスピーカーを含む「360立体音響サウンドシステム+」も搭載と高画質・高音質のすべてで最高を目指す注目モデルです。

 

LGエレクトロニクスジャパン
「LG OLED55G3PJA」(実勢価格:42万9000円)

第3世代「OLED evo」と呼ばれるLGディスプレイの最新モデルを採用した同社有機EL最上位シリーズ。「マイクロレンズアレイ」搭載で、パネルの光を有効利用し、消費電力を上げることなく従来比最大70%の輝度アップを達成。独自開発のリアルタイムAIプロセッサー「α9 AI Processor Gen6」でAIアップスケーリングや画面を5000以上に分割するエリアごとのトーンマッピング、また絵を選んで8500万パターンから好みの画質に近づける「パーソナルピチャーウィザード」などオリジナル機能を搭載しています。

<取材・文/折原一也

折原一也|1979年生まれ。PC系出版社の編集職を経て、オーディオ・ビジュアルライター/AV評論家として専門誌、Web、雑誌などで取材・執筆。国内、海外イベント取材によるトレンド解説はもちろん、実機取材による高画質・高音質の評価も行う。2009年によりオーディオビジュアルアワード「VGP」審査員/ライフスタイル分科会副座長。YouTube

 

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