■そもそも、バケットハットとは?
定番帽子=キャップと考える人も多いだろうが、ここ数年間で状況は一変したと冨永さん。「実はバケットハットが1番人気なんです。その名前の通り、バケツを逆さにしたような円筒型のクラウンと下向きの短いブリムで構築されたシルエットが特徴的なこのハットは、90年代ファッションが注目されたことで定番の仲間入りを果たしました」
基本のシルエットはどれも大差ないからこそ、素材や色で差別化を図るブランドも多い。「最近はアウトドアブームからナイロン素材が人気。また吸水性に優れたパイル素材も今の時期は重宝します。色はシンプルなモノトーン、アウトドアなア―スカラー、鮮やかなビビッドカラーが人気。どれを選んでも存在感があり、シンプルな着こなしの味付けに最適です」
■ブリム(ツバ)が「ダウン」か「フラット」かで印象は大きく変わる
肝心なブリムの形状は、左の「ダウン」と右の「フラット」に大きく二分される。文字通りブリムが斜め下向きに広がっているか、横に水平に広がっているかの違いだ。「基本のタイプはダウンです。フラットはアゴ紐とブランチループのないサファリハットといった風情。顔の形状でどちらが似合うとかも特にはなく、本当にその人の好み次第」
とはいえ、実際に被ってみると顔の印象が大きく変わることが分かる。「ダウンで眉毛がギリギリ隠れるように深く被ってしまうとキツめな印象に。逆に眉毛が出るフラットで明るい印象になります。『顔が隠れるのが好きじゃない』とか『視界にブリムが入ってくるのがイヤ』という人は、このフラットタイプを選んでみると良いでしょう」
■眉毛全体が隠れない程度に“やや浅め”に被るのがオススメ
被り方は、眉毛全体が隠れない程度に“やや浅め”に被るのがスタンダードだ。「大人の男性が被るなら、キャップ同様に前髪は入れるのが正解です。正面から見た際に前髪が見えると少々子供っぽくなるので要注意。また、被り方でも変化は付けられます。ダウンブリムも重心を後ろに下げるように被れば、フロントが上がってブリムが気になりません」
■ブリムを上向きに折りたためばこなれ感アップ!
「また、ブリムが柔らかなバケットハットならではのテクニックとして、“ダウンブリムのフロントを上向きに折りたたむ”という手も。これによって眉毛の絶妙な見え方をキープしつつ、軽快でこなれた印象を演出できます」
顔周りにブリムの影が落ちることで“キツめに見えてしまう”という弱点をお手軽に解決できるので、ぜひお試しあれ!
■CA4LAスタッフオススメの最新バケットハット3選
ここでは、バラエティ豊富なCA4LAのラインアップから、定番シルエットに始まり、通好みのダウンブリム、フラットブリムまで最新3モデをル厳選。どれも取り入れやすく仕上がっている。また、CA4LAのハットはどれも若干大きめサイズ。内側にサイズ調整用のテープが付けられているので、自分の頭に合ったフィッティングが得られる。
1.シンプル&ベーシックで、地球環境にも優しい一作
「THE BUCKET DB」
8580円
シンプル&ベーシックに仕上げた「ザ・バケット」シリーズから。ボディに使われているのは、速乾性とUVカット効果を兼ね備えたツイル生地。素材にリサイクルポリエステルを使用し、地球環境に配慮したサスティナブルな一作だ。「オリジナル焼印レザーパッチのみというシンプルさが、こだわりのフォルムと素材をともに際立たせています」
「ブリムの角度、長さともにベーシックで老若男女問わず、全ての人が被りやすいデザインだと思います。とてもシンプルですが、ブリム部分にあしらわれたレザーパッチがさり気なくアクセントに。カラーはこのカーキ以外に、グレーとブラックがあります。どの色も日本人の肌に馴染みやすいので、大人の人が被るのにもうってつけです」
2.軽く柔らかなパイル素材×UVカットで猛暑の夏も爽やかに
「HK PAIL AIR」
8140円
名前が示すように、軽く柔らかなパイル素材とコンパクトなシルエットが特徴の本作。ブリム部分にはUVカット機能を備えた芯地を貼ることによって、実用性も兼ね揃えたアイテムへと仕上げている。「家庭での手洗いが可能なので、汗や汚れを気にすることなく気軽に被れるのも魅力のひとつです」カラバリにブラックとマスタードがある。
「カラーリングは清潔感のあるクリーンな白。これをあえて目深に被ることで、上品になりすぎずこなれた印象に。夏らしさを演出するなら、服は上下オールホワイトで合わせても◎。または、濃いめの色合いのTシャツをハットの白で落ち着かせるのも良いでしょう。さらに大人っぽく仕上げるなら、白や青ストライプのシャツという選択も」
3.透湿撥水・防水・UVカットに、吸水速乾性もプラス
「WR JG-HAT」
1万1000円
表地に透湿撥水・防風・UVカット効果のあるナイロン生地を、裏地には吸水速乾性のあるメッシュ生地を採用した機能派のダウンブリムタイプ。「自宅でも簡単に洗えるウォッシャブル仕様になっていて、フェスやキャンプなどアウトドアのシチュエーションで活躍してくれます」サイドにあしらわれたリフレクター素材のネームも効いている。
「脱着可能なアゴ紐が付いていたりと、デザイン的にはサファリハットと呼ばれるモノにも似ています。ゆえにポイントはクラウンの外周にあしらわれたベルトループ。通常であればグルリと1周するところをタウンユースに取り入れやすいように一部のみサイドに踏襲。これがハットのリボンを彷彿とさせて、なかなかにユニークですよね」
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今回改めて“基本のキ”を知っていただいたことでお分かりのように、バケットハットが持つ最大の魅力とは、シンプル&スタンダードなシルエットが生み出す“優れた汎用性”に他ならない。これまで若い世代のアイテムというイメージもあって手を出すことを躊躇していたという人も、この機会にぜひチャレンジしてみてはいかだろうか。
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<文/TOMMY 写真/田中利幸>
TOMMY|メンズファッション誌を中心に、ファッションやアイドル、ホビーなどの記事を執筆するライター/編集者。プライベートでは漫画、アニメ、特撮、オカルト、ストリート&駄カルチャー全般を愛する。Twitter
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