ROLEX
「OYSTER PERPETUAL DEEPSEA CHALLENGE」(参考商品)
ケース径50mm。自動巻き。ケースとブレスレットは、ロレックスがこのモデルのために採用したグレード5チタン合金「RLXチタン」製。飽和潜水に対応するヘリウムエ スケープバルブや耐蝕性や耐傷性に優れたセラミック製の回転ベゼルを搭載する。
いま世界中でいちばん注目されているタフウォッチといえば、ロレックスが2022年11月に発表したこのダイバーズウォッチ。1967年発表の610m防水の「シードゥエラー」(現在は1220m防水)、2008年発表の3900m防水の「ロレックス ディープシー」に続いて登場した究極のダイバーズ「ロレックス オイスタ ー パーペチュアル ディープシー チャレンジ」だ。
その防水性能は史上最強の1万1000m防水。このモデルは2012年3月26日に探検家で映画監督としても名高いジェームズ·キャメロンが行った、マリアナ海溝の水深1万908mの単独潜航のために開発された試作モデルを進化させたもの。フリーダイビングからプロダイバーが行う大深度の飽和潜水まで、あらゆるダイビングに対応できる。
■知っておきたい!タフウォッチ6つの基礎知識
1. G-SHOCK
タフウォッチの代名詞といえば、「アブソルート・タフネス(究極のタフネス)」をブランドコンセプトに掲げる「G-SHOCK」。
カシオのデザイナー、伊部菊雄さんの「落としても壊れない丈夫な時計」というたった1行の企画書から「電池寿命10年、10気圧防水、10mの高さからの自由落下に耐える時計」を目標に1981年に開発が始まり、1983年4月に初代モデル「DW-5000C-1A」が発売された。当時の価格は1万1400円。なお、現在の防水性は20気圧。
2. 衝撃吸収構造
時計のムーブメントは衝撃に弱い。機械式時計の場合、特に弱いのが心臓部にある脱進調速機の、高速で往復回転運動している「天芯」と呼ばれるてんぷの軸。時計に強い衝撃が加わるとここが折れて壊れてしまう。そのためこの軸をルビーの軸受ごとバネで浮かせて支えて衝撃を減らす機構が必ず搭載されている。また、クォーツではムーブメント全体をケースの中でゴムのような素材で挟んで保護する構造や、ケース内で浮かせる「中空構造」が採用される。
3. 防水防塵構造
粉塵(砂やホコリ)、水や水蒸気は時計の天敵。そこでタフウォッチに不可欠なのがケースの中に粉塵や水や水蒸気が入らない防塵防水構造。そしてこの性能を表す国際規格がIP(アイピー)コード。IPとは規格を定めた国際電気標準会議のこと。「IP68」の場合は6が防塵、8が防水の等級を示す。防水性は別の規格があるので時計でよく使われるのは防塵のみの「IP◯X」という表記。「IP6X」とは粉塵が入らない完全防塵構造のことだ。
4. ISO6425
スキューバダイビングやプロダイバーが使う潜水用時計(ダイバーズ)では、ケース内への水の侵入や機能不全は即、ダイバーの生命の危機を招く。そこで潜水用に使う時計の条件を定めた国際規格でいちばん有名なのが、国際標準化機構(ISO)が定めたISO6425。単に水中で時計の中に水が入らないだけではなくて、水中での文字盤の視認性や、潜水時間の記録に役立つ回転ベゼルを備えることなども細かく規定されている。
5. 非磁性素材
強い磁気も時計の大きな故障の原因になる時計の天敵。強い磁気にさらされるとケースやムーブメントの部品が磁気を帯びて、部品の動きがその影響でおかしくなり、時計が止まったり精度が損なわれたりする。そこでタフウォッチも含めて最新の時計は、時計の心臓部に使う部品をはじめムーブメントのほとんどの部品を、磁気の影響を受けない非磁性のものを使ったり、ムーブメント全体を磁気から守る素材でカバーしたりしてある。
6. 904L
時計のケースにいちばん多く使われているのが、鉄にニッケルやクロムを混ぜて作った合金である。その中でも時計マニアの間でとくに有名なのが「904L(キューマルヨンエル)」と呼ばれるステンレス素材。広く時計に使われている「304」や、それより耐蝕性に優れた「316L」というSSよりさらに耐蝕性が高い。だがその分、加工が難しいのでコストがかかる。ロレックスや一部の時計メーカーがこの素材を使っている。
※2023年6月6日発売「GoodsPress」7月号122-123ページの記事をもとに構成しています
<取材・セレクト・文/渋谷ヤスヒト>
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