家電が目指す未来の食卓。メーカー担当者が考えるキッチン家電のこれから【安くて良いもの夏ベストバイ】

【安くて良いもの夏ベストバイ】

GoodsPress、&GPの読者はもちろん、多くのユーザーに愛用されているPanasonicの生活家電たち。それらの企画に携わった担当者3人に、開発の裏側やコンセプト、さらに「タイパ」や「省エネ」などトレンドワードから我々の生活が家電でどう変化するのかを取材した。

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▲右から、パナソニック株式会社 くらしアプライアンス社 キッチン空間事業部 冷蔵庫・食洗機BU 「パーソナル食洗機 SOLOTA NP-TML1」 担当 宮本侑弥さん、調理機器BU「自動調理鍋オートクッカービストロ NF-AC1000」担当 中江睦さん、調理機器BU 「自動計量IH炊飯器 SR-AX1」担当 佐藤ゆき奈さん

――「ひとり暮らし向け食洗機」や「自動調理鍋」、「自動計量炊飯器」とそれぞれ異なる家電の企画・開発に携わったということですが、どんな背景、コンセプトから誕生した製品なのでしょうか?

宮本さん 食洗機「SOLOTA」は、この商品を誰に届けたいか、どういった方々に使ってもらいたいか、というところから、単身世帯に目向けて開発しました。そもそも食洗機をはじめ生活家電は、家事の負担削減の手段として活用されていますが、単身者の方の間では食器を洗う=食洗機を使えば便利という意識が今まであまりなかったのかなと。

でもその食洗機の便利さは“タイパ”、パナソニックでは“時産”という言葉をよく使いますが、自由に使える時間を産み出すという点ではひとり暮らしもファミリーも変わらないと思いますね。

中江さん そういった意味では「オートクッカー ビストロ」も同じようにタイパに優れた製品ですね。コロナ禍を経て、ご家庭での食事作りが大変だって言われる方が6割を超えるリサーチ結果があるように、子育て世帯や共働き世帯での家事負担というのも増えてきています。

その中で、タイムに関して省略するっていうのは当然として、どれだけパフォーマンスを上げるか。調理家電にできることとしてはどれだけ美味しいもができるか、というところにこだわりと技術を注力しています。

佐藤さん 炊飯器でも自動計量という点で家事負担を削減できるようになりました。でも実は構想自体は40年くらい社内で温められていたんです。ただ今よりIoTも進んでない中で、どうしても理想の利便性をご提案できなくて。昨今の無洗米の品質の向上だったり、またスマホの普及だったりでようやく実現できた製品なんです。

宮本さん 今でこそ“タイパ”というワードがよく使われますが、食洗機の使命はやはり家事負担の軽減。その本質は初めて食洗機を発売して以来、60年近く変わっていません。

――ではコスパや省エネ性も消費者からするとタイパと同じく大事な要素となりそうですが、どう捉え、工夫していますか?

中江さん もちろんコスト面も考慮しています。チャーハンなら一食5円くらいですし、長時間煮込む料理はガスだと高くなりがちですが、電気ならより安定するのかなと。

宮本さん 食洗機なら、やっぱり節水がキーワード。無駄なく効率的な水流設計にすることでSDGsにも繋がります。これからの時代は地球環境に配慮、貢献していくことも家電の重要な役割のひとつだと思いますね。

佐藤さん 私、食洗機を買った当初は結構疑ってました(笑)。けど、やっぱり信じてみようということで使ってみたら、本当に油汚れや細かいところの汚れまできれいに落ちて感動しました。

宮本さん そうだったんですか?(笑) でも私も炊飯器を使っていて、日々その美味しさを実感していますね。

――炊飯器で美味しいごはんを炊いて、オートクッカーでおかずを作り、食洗機で洗い物もおまかせ…。みなさんの製品だけでもう十分食の悩みは解決しそうですが、今後、これらの家電はどう進化していきそうですか?

中江さん 今のオートクッカーは、本体に登録できるメニューを30に絞っているんです。それをスマホアプリで自由に入れ替えられる仕様になっていて。今後AIやIoTの進歩で、同様に何でも自分の使いやすいようカスタマイズできるとストレスがなくていいなと思っています。

佐藤さん 家庭の味や好みってそれぞれ違いますよね。でもその個人個人の“一番美味しい”にAIがフィットできると、より調理は、ひいては家事は家電に任せればいいねって思ってもらえると思うんです。そんなフレキシブルさがAIで実現できると素敵だなと思います。

 

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