1. 元祖ナナハン! 砂型クランクケースの最初期型をモデル化!
アオシマ
「1/12 ホンダCB750ドリーム CB750FOUR '69」(4400円)
2023年12月発売予定
1969年のホンダが世に送り出し世界中の注目を集めた「ホンダドリームCB750FOUR」を1/12スケールでキット化。世界初の量産4気筒OHCエンジンは最大出力67馬力、ゼロヨン加速12.6秒、時速200kmオーバーを実現。フロント油圧ディスクブレーキ、4本マフラー、ダブルクレードルフレームを採用し、試作車に跨った故・本田宗一郎に「こんなデカいバイク誰が乗るんだ?」と言わしめた元祖ナナハンです。
「CB750FOUR」といえば、1970年にタミヤから1/6スケールでキット化されているんですが、現在は入手困難。今回アオシマによるキット化は、バイクモデルファンにとっては実に朗報であります。
それに今回モデル化されたのは、69年に発売された最初期型のクランクケースが砂型で作られていたモデルなのもポイント。
またシリンダーヘッドは空冷フィンの薄さを再現するために、1枚1枚を個別に成形、積層式に積み上げて組み立てる構成など、マニアックなキットになっており、メーカーによれば中級者以上向けのやや難易度高めのキットになっているとのこと。いや作り甲斐がありそうなキットです!
さらにディテールアップを目指したいユーザーのため、エッチングパーツで構成された「1/12 ホンダCB750ドリーム CB750 FOUR '69 ディテールアップパーツセット」(3080円)も同時発売されるとのこと。
高い人気を誇る、元祖ナンハンをアオシマ最新のノウハウでモデル化した「1/12 CB750FOUR」、これは作りたいです!
2. 垂直離着陸も可能! 最新鋭ステルス戦闘機F-35Bをタミヤが1/48スケールでキット化!
タミヤ
「1/48 ロッキード マーチンF-35B ライトニングII」(価格未定)
2023年12月発売予定
タミヤといえば昨年12月に「1/48 ロッキード マーチンF-35A ライトニングII」発売して、モデラーの注目を集めたことは、まだ記憶に新しいのですが、今回新たに「1/48スケールでF-35BライトニングII」のキット発売を発表しました。今年の夏には1/72スケールのF-35Aも発売しており、短いスタンスでの最精鋭ステルス戦闘機キット化には驚かされた次第です。
A型とB型は一見同じように見えますが、内部機構が大きく異なっています。F-35Bは機体尾部のエンジンダクトを90度折り曲げて噴射を地面に向け、コクピット後部のハッチを開いて胴体内のリフトファンを作動させることで、短距離離陸/垂直着陸(STOVL)が可能となっているのが特徴です。さらに兵装を胴体内に収納したウェポンベイや、レーダー波吸収技術を取り入れた優れたステルス性を持ち、最高速度はマッハ1.6を誇ります。アメリカだけではなくイギリス、イタリア、航空自衛隊もF-35Bの導入を決定しています。
キットは、中央にリフトファンを装備したためF-35Aに比べて狭くなったウェポンベイや、A型と微妙に形状の異なる垂直&水平尾翼など、B型の特徴を余さず再現しており、金型のほとんどは新設計。A型からのパーツ流用は3割程度でしかないということでした。
また今回、短距離離陸/垂直着陸を演出するため、STOVL時の伸びた脚柱、そして展示スタンドが付属しており、F-35BライトニングIIの魅力を最大限に堪能できるモデルとなっています。
またデカールは海上自衛隊の自衛艦『いずも』で発着訓練を行ったVFMA-242バッツをはじめアメリカ、イタリア、イギリスの3か国7種類のマーキングが付属! これは嬉しい。
3. 映画公開から55年を経ての初のプラモ化
メビウスモデルス
「1/2600 2001年宇宙の旅 宇宙ステーション」(価格未定)
2024年3月頃を予定
SF好きには遂にキター!と歓喜したモデルのテストショットがプラッツブースに展示されていました。
そう! 映画『2001年宇宙の旅』に登場して、建造途中の姿が印象的だった宇宙ステーションです。
メビウスモデルスは『2001年宇宙の旅』に登場するメカを積極的に模型化しているメーカーですが、宇宙ステーションは、1968年の映画公開から55年を経ての初のプラモ化です。
撮影に使われたプロップモデルは、映画完成後に監督のS・キューブリックの指示で壊されて廃棄されてしまったそうで、スタジオの裏で残骸となった宇宙ステーションの写真が残っています(なんてもったいない)。
キットは完成すると直径は約40センチのサイズになり、建造中のフレーム部分など細部ディテールもよく再現されています。
またキットには同スケールのスペースクリッパー“オリオン号”が付属しており、ヨハン・シュトラウスの美しき青きドナウにのって宇宙ステーションにドッキングする劇中シーンも再現可能かと。
なんにしても宇宙ステーションのまさかのキット化、いや凄い時代になったもんです。
4. 斜め上をいくまさかのムーンスーツをキット化!
モナークモデル
「1/8 ムーンスーツ 世界最初の月面探査宇宙服」(1万3800円)
2023年12月末発売予定
『2001年宇宙の旅』の宇宙ステーションにも驚かされたけれど、さらに驚かされたのがコチラ。
アメリカが月を目指していた1960年にNASAのジェット推進研究所のスタッフであったアランB “ハップ” ハザードが発表した、月面で活動する飛行士のための“ムーンスーツ”を1/8スケールでキット化。
今回はパネルのみの展示でしたが、いやマニアックすぎるだろ(笑)。現実のアポロ計画では当然ですが採用されておりません。しかし見た目インパクトは強烈です、サイエンス・オブ・ワンダーです。でもちょっと欲しいです。
5. 007ボンドカー仕様のアストンマーチンDB5
ドイツレベル
「1/24 アストンマーチンDB5 007ゴールドフィンガー」(1万780円)
2023年12月発売予定
ハセガワブースではドイツレベル「1/24 アストンマーチンDB5 007ゴールドフィンガー」を展示。これも注目したいアイテムです。
アストンマーチンDB5といえば、知名度が高い割にはこれまであまりプラモデル化されておらず、英国のエアフィックス社が1/32でキット化していたのと、イマイから1/24でキット化していましたが、どちらもかなり古いキットです。イマイ版は後年、童遊社から再販もされましたが、現在では入手困難になっています。
それだけに今回のドイツレベルからのニューキットは嬉しい限り。それも映画『ゴールドフィンガー』に登場した007ボンドカーということで、ホイールから飛び出すタイヤクラッシャーや、トランクからせり上がる防弾板、回転式ナンバープレートといったギミックが再現されています。
またキットはレベルお得意の接着剤不要のイージークリックシステムキットで、塗料と筆が付属しており(映画のポスターも付属)、ビギナーにも組みやすいキットになっているようです。今でも人気をの高いDB5ボンドカー、これも作りたいです!
6. クリーチャーモデルでお馴染みX-PLUSの新製品が続々!
X-PLUS
「1/8 マリリン・モンロー (U.S.O.ツアー1954)」(6050円)
2023年12月発売予定
X-PLUS
「1/8 ミイラ男」(価格未定)
2024年春頃発売予定
『メトロポリス』に登場するアンドロイドマリア、最近では映画ジュラシックパークのティラノサウルス・レックスの1/35モデルを発売して注目を集めているXプラスモデルが、以前紹介したベラ・ルゴシの魔人ドラキュラ、『執念のミイラ男』に登場するミイラ男、そして前回ホビーショーで発表したマリリン・モンローがよりブラッシュアップされて展示されていました。完成度メチャ高くて最高です。全部欲しいぞぉ!
7. ピッコロ社設計主任フィオの姿を活き活きと再現!
ファインモールド
「スタジオジブリ ヴィネットコレクション No.2 紅の豚 寝不足のフィオ」(4180円)
2024年3月発売予定
海洋堂の香川雅彦氏によりハンドメイド彫刻で作られた原型を、ファインモールドがインジェクションキットしたヴィネットコレクションで、以前、本連載でも製作した『紅の豚 アジトのポルコ』に続く第2弾をファインモールドが発表!
今回は、同じく紅の豚に登場するヒロイン、ピッコロ社の設計主任フィオです。
劇中、徹夜でポルコの飛行艇を設計し、製図版の前で眠たげに伸びをするシーンをビネット化。ポルコから「徹夜はするな。睡眠不足はいい仕事の敵だ。それに美容にも良くねえ」と諭されるも「ふふっ、そうするわ」と元気に返すシーンが見事に立体化されています。前作のアジトのポルコと並べて飾りたくなりますね!
<番外編>主役はどっち?RES KIT F-111Cエスケープポッド
今回、輸入キットを扱っているビーバーブースで購入した、世界初の可変翼戦闘機F-111Cアドバーグの脱出ポッドをRES KITが1/32でレジンキット化したものです。ノンスケールでヘルメットを小脇に抱えカンガルーが付属しています。まぁ「F-111Cアドバーグ」はオーストラリア空軍でも採用されているので、カンガルーが付属しているってのも分かるんですが、このボックスアートはシュールすぎて笑っちゃいました。だってエスケープポッドが後ろに描かれてオマケのカンガルーがどう見ても主役になってる。いや最高です。
レジンキットということもあって、お値段高めの3万4100円です(会場ではセール価格で購入しました)。
>> [連載]達人のプラモ術
<取材・文/長谷川迷人>
長谷川迷人|東京都出身。モーターサイクル専門誌や一般趣味雑誌、模型誌の編集者を経て、模型製作のプロフェッショナルへ。プラモデル製作講座の講師を務めるほか、雑誌やメディア向けの作例製作や原稿執筆を手がける。趣味はバイクとプラモデル作りという根っからの模型人。YouTube「
モデルアート公式チャンネル」でもレビューを配信中。
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