高校時代からバイクが大好きだったという彼が一番こだわったのがレイアウトだと言う。
「キレイ過ぎないと言うか、ガレージでもないし、ショップでもない雰囲気。それぞれのマッチングや馴染み具合、使用感とライブ感を意識しました」
入ってすぐに目に付くのがアメリカン・マッスルカーの代表格69年式シボレー・カマロ。その周りに配置してあるバイクの中でお気に入りは、カワサキKZ1000Rだと言う。
「憧れはケニー・ロバーツでしたが、後に彼のチームメイトになりヤマハで世界GP500ccのタイトルを4回獲得したエディー・ローソンのAMAスーパーバイク時代のモデルです。僕が最初に乗ったバイクがカワサキZ400FXだったので、カワサキも好きですね」
そしてバイクの整備をする場所は、視界に直接入らないように配置してある。
「オイル汚れなどが見えると使用感が強くなってしまいますからね。そこで夜中までバイクや6〜7年前から始めた自転車もいじって、夜の街に自転車で漕ぎ出します。今や4輪+2輪+自転車の8輪生活です」
まさに趣味に没頭できる空間だ。十代後半に戻れるというか、純粋にバイクを走らせていた頃に見た景色が蘇る感じがするのだという。
「当時はバイク=悪という風潮でしたが、私にとっては個性が出せる道具。一人でバイクに乗ることが、少しだけ大人感を楽しめる自己表現でしたね」
ガレージには、片根さんのそんな気持ちが込められている。
※2023年10月6日発売「GoodsPress」11月号44-45ページの記事をもとに構成しています
<取材・文/松尾直俊 写真/湯浅立志(Y2)>
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