技術の進化がもたらす恩恵から紐解くザ・ノース・フェイスの鉄板アウター4選【THE NORTH FACEの現在地】

【GORE-TEX products 2層構造】

世界中で防水・透湿素材の代名詞として圧倒的支持を得ているGORE-TEX素材の中でも、表生地+防水透湿性メンブレンと、裏生地をセパレートした2層構造のタイプ。メンブレンと裏生地を離して隙間を作ることにより熱の気密性が高く、優れた防寒性を発揮する。これにダウンなどの中わたを封入することで、さらに効果を高めることも叶う。スキーや釣りなどのアクティビティのウエアだけでなく、タウンユースのウエアでも多く採用されている。

▼GORE-TEXとダウンの最強コンビネーション

THE NORTH FACE
「Mountain Down Jacket(マウンテンダウンジャケット)」(7万4000円)

特徴的な切り替えが示すように、アウターシェルの最高峰に君臨してきた「マウンテンジャケット」にダウンを封入するというアイデアを具現化した本モデル。初登場は2017年で人気の高さからのちに定番化。70デニールのGORE-TEX 2層構造と、汚れやホコリを徹底的に除去したクリーンなダウンが生む高い保温性による防寒性は敵なし。

▲BACK

▲袖口には大型の面ファスナーをあしらうことで、風や雨の侵入をガード。GORE-TEXのロゴ刺繍が控えめサイズながら誇らしげに主張する

▲斜めに配されたフロントポケットは、胸からへそ下まで届くほどの大きさが特徴。収納容量も十分すぎるほどで、近場ならばバッグいらず

▲肩、肘、後ろ裾端は高強度の生地で切り替え。生地表面に強力な撥水性も備わっており、野外活動中の雨や雪も、意に介さずノーストレス

 

【PERTEX Quantum/CLEANDOWN】

20デニール以下という世界最軽量クラスの極細糸を高密度に織り上げて、まるで鳥の羽のようなしなやかさと軽量性を実現させた素材がPERTEX Quantum。引裂強度と縫い目強度にも優れ、後加工をせずともダウンの抜けを防ぐ効果も期待できる。CLEANDOWNは三重県明和町に本社工場を構える河田フェザーで洗浄加工した原毛ダウンを使用。同地を流れる軟水で汚れやホコリを徹底的に降去することでかさ高が増して、保温力も高まっている。

▼レトロアウトドアな雰囲気に軽量高密度+撥水&静電ケア

THE NORTH FACE
「CAMP Sierra Short(キャンプシエラショート)」(5万1700円)

1970年に発売され、アウトドア用ダウンパーカの原型とも称される「シエラパーカ」がベース。リサイクルダウンの中わたや、リサイクルナイロン原料を用いた表地など環境問題に配慮した素材を取り入れつつ、往年のモデルに近いカラーリングに。フラップ付きの大きなポケットが目を引くボックスシルエットにも“らしさ”が色濃く表れている。

▲BACK

▲脱着可能なフードの前部分を開くとスタンドカラーがお目見え。ブランド名が刻まれたシルバーのスナップボタンが、絶妙なアクセントに

▲裏地は、薄くて滑りの良い12デニールのPERTEX Quantum。さらに静電気の発生を抑える静電ケア設計となっており、冬時期に嬉しい

▲撥水加工を施した40デニールのリサイクルナイロンを表地に採用。光沢が抑えられたマットな風合いは、大人の装いとも好相性を示す

 

【GORE-TEX INFINIUM PRODUCTS】

防水テクノロジーのパイオニア“GORE-TEX”のプロダクトは、多様なアクティビティやシーンに対応するためにいくつもの種類に分かれている。その中でも、あえて防水性には主眼を置かず、透湿性や防風性といった着用時の着心地に特化したシリーズがインフィニウムである。従来の防水基準に縛られないため、服のシルエットや素材感を損なうことなく快適さとスタイリッシュなデザインが両立できて、日常生活にも馴染みやすいのが特長だ。

▼年代名作ダウンJKTを防風撥水・洒脱にリビルド

THE NORTH FACE
「WS Brooks Range Light Parka(ウインドストッパーブルックスレンジライトパーカ)」(7万9200円)

1977年に発表された初期TNFの象徴的ダウンジャケット「ブルックスレンジ」の素材や機能性をリビルド。薄くて強度のある裏地を採用し、ボリュームがありながらも軽い着心地を実現。中わたは環境に配慮したリサイクルダウン。内側と外側のバッフル 位置をずらす構造を採用し、外の冷気をダイレクトに受けてしまうコールドスポットを低減した。

▲BACK

▲すっぽりと顔を覆うフードは、スナップボタンによって脱着も自由自在。スタンドカラーの高さも絶妙で、野暮ったさを全く感じさせない

▲前立て部分にあしらわれた溶着仕様の丸い面ファスナーもまた、本作の象徴的ディテールと言えよう。通常タイプに比べて留め外しが容易

▲左袖にはGORE-TEX INFINIUM PRODUCTSと刺繍。ロゴマークが表にないシンプルな外観における、唯一のアクセントとしても機能している

※2023年11月6日発売「GoodsPress」11月号98-101ページの記事をもとに構成しています

>> 特集【THE NORTH FACEの現在地】

<取材・文/TOMMY 写真/河田浩明>

 

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