タフな自然環境と一体化するための野営ギア19選【グッとくるタフネスギア】

【グッとくるタフネスギア】

道具ありきのキャンプとも、サバイバルとも違う森遊び、それがブッシュクラフト。持ち出す道具は少なくても、技術・知識を組み合わせることで驚くほど心地よい空間を作れるぞ。

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自分にとって最低限の道具を手に、野にあるモノで数日の暮らしを楽しむ〝ブッシュクラフト”。バックパックに詰めるべき道具は5Cと言われる刃物、シェルター関連、火の道具、容器、ロープ。いずれも野では入手しづらく汎用性が高いのが特徴だ。

たとえばタープは2・3m四方だと軽さで優位にたつけれど、3m四方のほうが広く、張り方のバリエーションが広がります。長方形なら折り込んで床を作ることも。軽さとその道具でできることを知り、何をもっていくか選ぶんです。ただ、元スウェーデン軍特殊部隊員のヨハン・スカルマンは『重くても気分がいいものは持っていく』とも。

「そうした選択がおもしろい」と語るのは全国でブッシュクラフトの技術を広めている越山哲老さん。

では取捨選択の基準とは? その答えは「理屈を知ることが第一歩」なんだとか。

たとえば直火は足先からあたためてくれるが、直火ができない場所が増えた今、焚き火台とともにコットも用意して火と高さをそろえて過ごせばあたたかい。こうなるとコットは無駄なモノではなくなる。

また刃物はノコギリ、鉈か斧、ナイフの3種類あると便利だが、ナイフだけですむ場合も。

「両側から切り込みを入れて折ればノコギリ替わりになるし、細めの木であれば鉈や斧がなくてもバトニングで小薪を作れます。もちろんフェザースティックも作れる。さらにノッチを削る技術があれば焚き火の熱を無駄にしないリフレクターや、鍋を吊すハンガーすら生み出せます。ナイフという道具に技術が加わるとできることが増えるんですね。そもそも森によって風の向きや太陽の位置、木の生え方で表情が異なり、それぞれ別の物語を紡いでいます。知識と技術を増やし、環境と融和しながら物語の一部になれるのがブッシュクラフトのおもしろさなんです」(越山さん)

ブッシュクラフトに過剰な道具を持ち込むのはナンセンスだが、タープ泊に自信がないならフロアのないタープテントからはじめるというのも手。

知識と技術が増えれば、その都度道具を絞っていけばいい。ブッシュクラフトは背伸びせず、無理なく生きる力を養える究極の森遊びだ。

ブッシュクラフトインストラクター/越山哲老さん
リバーサイドブッシュクラフトスクール代表として全国各地で野営に役立つ技術を指導。当代きってのナイフ研究家でもある。

 

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