1. ラグジュアリーな輝きと、ミリタリーアイテムの無骨さが融合
REPRODUCTION OF FOUND(リプロダクションオブファウンド)
「ジャーマンミリタリートレーナー1700LUX」(2万9700円)
1970年代に西ドイツ軍の屋内演習用に開発され、1994年まで制式採用されていたトレーニングシューズ、通称「ジャーマントレーナー」。軍用らしいアノニマス(匿名性)なデザインは非常に汎用性に優れ、さまざまなブランドにサンプリングされていることでも知られている。
中でも著名なのが、2016SSよりスタートしたREPRODUCTION OF FOUND(リプロダクションオブファウンド)だろう。実際に軍用トレーニングシューズを生産してきた各国のファクトリーで、ひとつひとつハンドメイドで生産されるのが、同ブランドの看板であるミリタリートレーナーシリーズだ。
こちらも名作ジャーマントレーナーを、上質なイタリアンスエードと、耐水性・耐久性に優れ、光沢感を放つイタリアンガラスレザーのコンビで、高級感溢れるルックスに。
さらに内部には足馴染みの良いピッグレザーを用いることで、買った瞬間から快適な履き心地を約束。昨今の流行であるロープロファイルなシルエットも、大人の足元に相応しい。
2. モンクストラップがドレッシーで洗練された雰囲気を創出
CONVERSE(コンバース)
「オールスター クップ エペ モンクストラップ OX」(1万8700円)
ブラックスニーカーに何を求めるか。快適な履き心地とビズシーンにも対応する品格を伴い、それがオン/オフの両方で使えるというアドバンテージであれば、ドレッシーなカップソールを使用したヨーロピアンテイストが特長の「オールスター クップ」シリーズは、これ以上なく適任といえよう。
ここで紹介するのは、そんな同シリーズの洗練されたテイストを、甲部分にあしらったモンクストラップでさらに際立たせた最新アレンジモデル「オールスター クップ エペ モンクストラップ OX」だ。
ポイントは通常よりも厚みを持たせた30mmのソール。甲部分を低めに設計したアッパーとの対比を描き出し、ドレッシーな印象を損なうことなく程良いボリューム感を獲得。
さらにヒール部分のパッチも同色で揃えることで、汎用性の源泉となる統一感が生まれた。ジャケパンコーデのハズしに使うも良し、カジュアルな着こなしにあえて合わせるも良しと、その日の気分で楽しめる。
>> CONVERSE
3. モデル名に冠した“クラシック”の5文字は名作であることの証明
ROCKPORT(ロックポート)
「ワールドツアー クラシック」(1万8700円)
日常生活での着用を念頭に置いた際のポイントを挙げるならば、“快適性”はその最たるもの。そこで推したいのが、アメリカ・ボストンで1971年にスタートしたレザーシューズブランドROCKPORT(ロックポート)だ。
ここでは、“スニーカーのように履きやすい革靴”を基本コンセプトに展開されるラインアップから、同社の歴史に名を残すロングセラーモデル「ワールドツアー」をフィーチャー。
独自のウォーキングプラットフォーム製法による、素材の風合いを活かしたシンプルなデザインと、スタイルを選ばない落ち着きのあるカラーパレットが相まって、時代に左右されない普遍的な魅力を演出する。
もちろん基本は革靴なので、耐久性にも優れるフルグレインレザーのアッパーは標準装備。履き込むほどに柔らかさが増して、着用者の足に馴染んでいく感覚は、革靴のそれ。大人でも履ける上質な雰囲気を醸し出しながらも履き心地はウォーキングシューズと、まさに日々に寄り添う1足だ。
>> ROCKPORT
4. デイリーとアウトドアの両シーンで活躍する二刀流シューズ
DESCENTE ALLTERRAIN(デサントオルテライン)
「ヴェルサー RA 23.1」(2万2000円)
“テクニカルユーティリティー”をコンセプトに、シーズンやシーン、スタイルを問わず着用できる防水設計のスニーカーとして誕生した「ウェイサー」シリーズ。その最新作も、オン・オフだけでなく、晴れの日も雨の日もつい履きたくなるユーザビリティーな設計が特徴だ。
オリジナルマイクロファイバーベースの合成皮革アッパーは防水透湿性を備え、DESCENTE(デサント)がウェア製造で長年培ってきたボンディング技術を応用することで、ステッチも極力排除したシームレス仕様。まるで衣服を着るように柔らかく足へとフィットする。
しかも、シューズ内部の縫製や段差を極力なくしたルースレイヤーフィット構造も足当たりを軽減し、履き心地は上々。極細のコードとレースロックを採用した独自のシューレースシステムも見逃せない。
極め付きはアウトソールだ。デサントとヴィブラム社が共同開発したオリジナルのメガグリップ配合アウトソールを採用し、滑りやすく濡れた路面であっても恐るるに足らず。
5. クッション性と軽量性を高め、浮き上がるような履き心地を実現
HOKA(ホカ)
「クリフトン 9」(2万900円)
ここまで“オン/オフ対応のブラックスニーカー”をテーマに見てきたが、最後は一歩進めて、快適なランをサポートする「クリフトン 9」でゴールテープを切る。ブランドはほかでもなくHOKA(ホカ)。
同社の中でもエントリー機種として人気の高いロードラン用シューズ「クリフトン」を全面刷新し、地面からの高さを3ミリ増しつつも、素材の重なる部分と圧着パーツを削減したスリムなエンジニアードニットのアッパーを採用し、軽量化に成功。ラン時のパフォーマンス性が向上されている。
細部に目を落とせば、クッションと反発力のバランスに優れた新フォームと、よりシェイプされたメタロッカーテクノロジーがスムーズな足の回転を促進。グリップ力と耐久性の高いデュラブレイションラバーを採用したアウトソールは、デザイン面でも変化を感じさせる。
これらの機能を備えながらもオールブラックなので、ファッションユースとしても馴染みやすく、見た目と履き心地の両方を欲するならば、ひとつの最適解といえよう。
>> HOKA
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最初にも述べたように、幅広い世代からスタンダードを象徴する色として愛されている“ブラック”。今回はその魅力である汎用性の高さをさらに高めるべく、アッパーからソールまでオールブラックという縛りを設けて、“機能性”と大人の着こなしにも自然と馴染むような“洒脱さ”を備えた5モデルを厳選したが、いかがだっただろうか。
オンとオフでは、当然のことながら求められる要素は異なる。オンではスーツ姿の足元にも相応しい品格が、オフでは場面を選ばないタフさや運動性が必須。その両方を備えたのがこちらの5足というわけである。玄人諸君のお眼鏡に叶う1足が見つかれば、これ幸いだ。
<文/TOMMY スタイリング/添田和宏>
TOMMY|メンズファッション誌を中心に、ファッションやアイドル、ホビーなどの記事を執筆するライター/編集者。プライベートでは漫画、アニメ、特撮、オカルト、ストリート&駄カルチャー全般を愛する。Twitter
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