■1.スイス時計の王道を日常的に楽しむ
LONGINES
「ロンジン マスターコレクション L.2793.4.92.0」
33万8800円
個々の職人の手仕事に頼っていたスイス時計の世界に、近代的な製造工場による一貫製造体制を持ち込んだ「ロンジン」は、スイス時計産業の近代化を促進した偉大なブランドとして知られている。
その功績は高く評価されており、万博では数多くの賞を獲得し、正確な計時技術は今でも多くのスポーツ大会を支えている。シンプルさの中に品格を持ち合わせたデザインは、まさにスイス時計の本流といえるだろう。
「ロンジン マスターコレクション」は、そういったロンジンの上質な歴史を継承するもの。シンプルなバーインデックスに合わせるのは、柔らかなカーブを描くリーフ針。そこに小ぶりなカレンダーを組み合わせて、実用性を高める。
ダイヤルやストラップは、ロンジンのブランドカラーでもあるネイビー。その深みのある色合いで、知的な雰囲気を演出する。
サイズ:直径40mm×厚さ9.8mm
>> LONGINES
■2.“10万円台”とは思えない性能に、スイス時計の本気が垣間見える
TISSOT
「ジェントルマン パワーマティック80 シリシウム T127.407.16.041.01」
12万4300円
スイス時計産業の中心都市のひとつであるル・ロックルにて1853年に創業した「ティソ」は、これまでの数々の世界初の偉業を成し遂げてきたスイスの名門ブランド。
スイス屈指の出荷本数を誇り、そのスケールメリットを生かして、価格以上の満足感を得られる時計をつくっている。スポーツウォッチが有名だが、歴史を継承するドレス系モデルも得意で、秀作が揃っている。
なかでも「ジェントルマン パワーマティック80 シリシウム」は出色の出来。デザインはシンプルだが力強さがあり、視認性も高い。
そして搭載されるムーブメント“パワーマティック80”は、最長80時間のロングパワーリザーブに加えて、シリコン製のパーツを使うことで耐磁性も高めている。なぜこの価格でこれだけのクオリティが可能なのかと、他ブランドが悔しがるほどの時計だ。
サイズ:直径40mm×厚さ11.5mm
>> TISSOT
■3.日本の“伝統工芸”を落とし込んだ特別な腕時計
SEIKO PRESAGE
「Craftsmanship Series SARX061」
19万8000円
機械式ウォッチ「プレザージュ」は、軽やかでモダンな雰囲気のなかに、日本の美を宿しているブランド。
「針が読みやすく」「正確に時を刻み」「着用感に優れる」という腕時計として基本要素は備えつつ、日本の伝統工芸技術をダイヤルに取り入れることで、日本の時計ブランドらしい美しさを探求するのが「Craftsmanship Series」である。
「Craftsmanship Series SARX061」は、ダイヤルに400年以上の歴史を持つ「有田焼」を用いた。柔らかで上品な光沢感が特徴だが、腕時計のダイヤルに用いるため従来の磁器の4倍以上の強度を持つ素材を開発したという。
“Ⅻ”を赤くしたのは、1913年に誕生したセイコー初の腕時計「ローレル」のデザインコードに合わせたもので、セイコーの腕時計の原点への敬意が込められた1本となっている。その伝統も一緒に楽しみたい。
サイズ:直径40.5mm×厚さ12.4mm
■4.アメリカンカルチャーを体現する洒脱なドレスウォッチ
HAMILTON
「ジャズマスター シンライン オート H38525721」
14万6300円
アメリカ発祥の時計ブランドである「ハミルトン」は、拠点をスイスに移した現在もアメリカンスピリッツを宿しており、シリーズ名などにそのエッセンスを残している。
このモデルはアメリカ発祥の音楽・ジャズをイメージしており、タイムレスで洗練されたデザインが特徴。ラグの形状にも特徴があり、さまざまな角度から眺めて楽しめる時計となっている。
「ジャズマスター シンライン オート」は、ファッション感度の高い人にうってつけの1本だ。中心から放射状に筋目模様が広がるサンレイ仕上げのダイヤルにはベージュカラーを組み合わせており、ストラップはブラックという絶妙な色合わせ。
このコレクションは他のカラーストラップも用意されているので、別途購入して、自分らしいコーディネート楽しむこともできるのも魅力だ。
サイズ:直径40mm×厚さ8.45mm
>> HAMILTON
■5.いつまでも廃れることのないスタイルがある
BAUME & MERCIER
「クラシマ 10695」(¥275,000)
1830年に創業した「ボーム&メルシエ」は、美しい時計をつくり続けてきたスイス屈指の老舗ブランド。
世界最大の時計イベント「ウォッチズ アンド ワンダーズ」にも参加しており、目の肥えた時計愛好家からも一目置かれている。そのデザインはあくまでも上品であり、悪目立ちすることなくユーザーの毎日に寄り沿ってくれる。
「クラシマ 10695」は、端正なデザインを色で遊んだモデル。綺麗なサンレイ仕上げのグレーダイヤルは、その外側にサンドカラーのフランジを組み合わせ、さらに同系色のキャンバスストラップを組み合わせる。
時計はシンプルだが、そのカラーリングはかなり個性的なので、カジュアル使いで効果を発揮しそうだ。しかもストラップは簡単に交換できるインターチェンジャブル式。ファッション目線で選ぶのが正解だ。
サイズ:直径42mm×厚さ8.93mm
* * *
ドレスウォッチは紳士の手首に馴染み、シャツの袖口に干渉しないサイズ感を求められる。しかし、端正にまとまりすぎると、タイドアップしたスーツスタイル以外には似合わない。もっと幅広いシーンで使いたいなら、ケース径はやや大きめにするのが正解。それこそが“ユーティリティ・ドレス”ウォッチが目指すところである。
しかしケースが大きくともケース厚は10mm前後という薄型設計であるため、上品さは失われない。そのバランスのとれたプロポーションが、さまざまなスタイルに対応してくれるだろう。
<文/篠田哲生>
篠田哲生|男性誌の編集者を経て独立。コンプリケーションウォッチからカジュアルモデルまで、多彩なジャンルに造詣が深く、専門誌からファッション誌まで幅広い媒体で執筆。時計学校を修了した実践派でもあり、時計関連の講演も行う。
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