■他にも注目すべき端末多数
ここまでに取り上げた端末に加え、ハイエンドスマートフォンではシャープの「AQUOS R8」や、Appleの「iPhone 15」も良い端末だ。特に、「AQUOS R8」は、高額になりすぎたフラグシップと差別化するよう、一部仕様を抑えつつもシリーズの魅力を残している点で、23年の市場傾向を反映した一台だったと言える。
また、ミッドレンジ帯は昨年ヒットした「Pixle 6a」の後継機「Pixle 7a」の存在感が大きい。先述したように「Pixle 8」の方が話題性が大きかったものの、こちらも実際に売れた機種として堅実に評価したい。
タブレットに関しては、安価で外観の整ったコストパフォーマンスの高いモデルが多数登場した印象がある。しかし、ここではそれらではなく、ユーザの体験をガラッと変え得る製品として、「Google Pixel Tablet」や「Galaxy Tab S9 Ultra」のような個性の尖った機種を評価した。
<技あり企画賞>
■非使用時も有効活用できて良い!
Google
「Google Pixel Tablet」(7万9800円)
スマートディスプレイ/スピーカー/タブレットなどの役割を兼ね、無駄なく使える工夫が◎。スピーカーホルダーは音の広がりこそやや惜しいものの、低音域がリッチだ
6月に発売された11型タブレット。同梱される充電スピーカーホルダーにセットすることで、デジタルフォトフレームやスマートスピーカーのような使い方もできる。「Tensor G2」を搭載し、消しゴムマジックなども対応。
<ハイコスパ カメラスマホ賞>
■無理なく買えるカメラスマホ
シャープ
「AQUOS R8」(13万9700円 ※SIMフリーモデル)
最上位の「R8 pro」と差別化され、こちらは1インチセンサー搭載カメラではない分、価格を抑えた手に取りやすい端末に。物理的なレンズフィルターを使えるのが面白いです
8月に発売されたAQUOSシリーズのハイエンドモデル。背面カメラは標準(約5030万画素)+広角(約1300万画素)の2眼構成。米国国防総省が定める物資調達基準のMIL規格に準拠する耐衝撃性能なども備える。
<カムバック賞>
■2年半ぶりの最強タフネスモデル
京セラ
「TORQUE G06」(9万8000円 ※auモデル)
京セラのコンシューマー端末撤退が発表されていたものの、2年半ぶりにTORQUE新モデルが登場し、希少なタフネスモデルの生存を確認。シリーズ初の3眼カメラにも注目です
10月にauで発売されたタフネススマホで、「高さ2mからのアスファルト面への落下想定」などを加えたシリーズ史上最多となる29項目の試験をクリアする。一方、筐体サイズは小型化し、約14gの軽量化も果たしている。
<完成度高すぎ賞>
■バランスよく底上げされた良機
Apple
「iPhone 15」(12万4800円~)
4800万画素カメラにより望遠カメラを備えたような体験が実現し、Proシリーズに憧れていたiPhoneユーザーにも訴求。磨りガラス調の背面の質感も良く、完成度は高いです
「iPhone 15」シリーズにおけるスタンダードなモデル。パンチホール型インカメラと画面上のUIが連動する「DynamicIsland」やUSB Type-Cを新採用。チップセットには「A16 Bionic」を搭載する。
<ミッドレンジ賞>
■定番化したaシリーズの最新機
Google
「Pixel 7a」(6万9300円)
22~23年にかけPixel 6aと7aがミッドレンジ市場を席巻。90Hz画面や、6400万画素カメラ、夜景撮影、ワイヤレス充電、ドコモn79対応など、aシリーズ初の特徴も多めでした
廉価の「a」シリーズにおける23年モデルで、5月に発売された。チップセットには「Tensor G2」を搭載し、22年の上位モデルであるPixel 7シリーズと同等の各種AI関連機能を使用可能。
<クリエイティブ賞>
■Android端末の最上位
サムスン電子
「Galaxy Tab S9 Ultra」(20万9799円~)
クリエイティブなツールを使うとUI表示が幅を取るため、画面の広さは重要。14.6型の超大画面モデルが、今年は防水対応を果たし、安心して携行しやすくなりました
9月に発売された14.6型の巨大タブレットの23年モデルで、OSはAndroid 13。「S Pen」も付属する。「Galaxy Tab S」では初めてIP68の防水防塵に対応した。別売で、キーボードやカバー、上位のペンなども展開。
※2023年12月6日発売「GoodsPress」1・2月合併号24-27ページの記事をもとに構成しています
<取材・文/井上晃 撮影/湯浅立志(Y2)>
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