第62回 静岡ホビーショーでプラモの達人が気になった新作キットを一挙紹介【達人のプラモ術<番外編>】

■ファインモールド

スケールモデルのみならず『紅の豚』や『天空の城ラピュタ』のプラモデルでもお馴染みのファインモールドのブースでは、3月に急性硬膜下血腫で急逝した漫画家の鳥山明氏がデザインとボックスアートを手がけた「1/12?ワールドファイターコレクション」の再販を発表(全7種類)。リアルとユーモラスが見事に融合したディフォルメデザインのミリタリーフィギュア。銃や装備品は実物資料や写真を参考に出来る限り正確に再現。これはコレクションしたくなるフィギュアですよ。

▲キットには鳥山氏描きおろしによる装備品の解説書が付属する

▼「1/12? ワールドファイターコレクション WWII アメリカ陸軍 歩兵 ロジャース軍曹&トンプソンM1A1 プラモデル FT02」(2860円)

2024年6月30日発売予定

▼「1/12? ワールドファイターコレクション アメリカ陸軍 女性兵士(湾岸戦争) サンディ&コルトM16A2 プラモデル FT05」(2860円)

2024年6月30日発売予定

 

■アオシマ

アオシマ(青島文化教材社)は創業100周年を記念して、「ハコスカ」の愛称で呼ばれた「KPGC10 スカイラインGT-R」を1/24スケールの「スナップカー」シリーズ最新作として発表。

同シリーズはプラモデルを作った経験、塗装経験がない人でも楽しめる配慮がなされたカーモデルです。キットは接着剤が不要で、ボディは塗装をしなくても良いように成型色そのままでも実車のようなカラーリングが再現されています。パーツ構成もシンプルで組み立ても簡単で、年少者でも購入しやすいように値段もリーズナブルなスケールモデルです。

今回発表された「KPGC10 スカイラインGT-R」は、ブースに実車が展示されギャラリーの注目を集めていました。

▼「KPGC10 スカイラインGT-R(シルバー)」(3740円)

2024年6月発売予定

▲「スナップカー」シリーズは作りやすさを優先、シンプルなパーツ構成となっている。ボディは実車にカラーの近似色で再現されており塗装しなくてもOKだ

▲アオシマブースに展示されていたKPGC10 スカイラインGT-Rの実車

▲青島文化教材社は1932年木製模型飛行機の製造販売からスタート。同社の模型飛行機は学校の指定教材されていた

▲木製のソリッドモデル販売を経て1961年に発売されたアオシマ最初のプラモデルが電動モーターを搭載したスピードボートの模型だった。画像右側はブルーバード号だ

 

■BANDAI SPIRITS

今回、BANDAI SPIRITSで目に留まったのが映画『ゴジラ×コング 新たなる帝国』版のゴジラのプラモデルだ。映画『ゴジラvsメカゴジラ』の西島伸司氏のプロデュースによるゴジラの骨格に外皮パーツを組みつけていくことで、マッチョなフォルムのUSAゴジラを固定ポーズで再現。展示モデルはまだ監修中のものだったが、帝国完成度が高い! これは欲しい!

あとBANDAI SPIRITSのブースで大いに注目したのが盆栽のプラモデルです。まだ商品化企画進行中とのことで、発売されるかは未定だけれど、自然物をテーマにこれまで積み上げてきた技術力と表現力をつぎ込んだプラモデルになるのだそうです。詫び寂びの世界をプラモで再現。バンダイ恐るべし! 達人的には製品化、バリエーション展開熱望です(オイ!)。

▼『ゴジラ(2024)fromゴジラ×コング 新たなる帝国』(7480円)

2024年12月発売予定

▼「盆栽プラモデル」(参考商品、価格未定)

発売未定

 

■海外メーカーのニューアイテム

海外メーカーの新製品発表も相変わらず盛況なのですが、ご存知の通りの長く続く円安の影響もあって、輸入キット価格の高騰が続いています。魅力的なアイテム数多いだけに悩ましいところではあります。

ウクライナの模型メーカー、アーモリーホビーからは1/32スケールの「DH.89ドラゴンラピッド」(イギリスの航空機メーカーであったデ・ハビランドが1930年代に開発した複葉の双発輸送機)が発表されていました。ボックスアートとパーツの展示のみでしたが、マニア好みの機体で、ガレージキットを除いて1/32ではキット化されていなかったこともあって、達人的には期待大! 好きな機体だけにこれは欲しい!

また1/48スケールで「1/48 ヴォート F4U-1A/2 コルセア」を発売して話題を集めた新進メーカー、マジックファクトリーから1/48スケールでアメリカ海兵隊攻撃機「A-4M スカイホーク」がリリース。こちらも期待大!

ドイツレベルからは1/144スケールで、航続距離を伸ばし武装を強化した「UボートTypeⅨ CX40」が完全新金型で登場。同タイプの一隻は日本海軍に譲渡されロ-501として就役しています。Uボートマニアとしては見逃せません。

イタレリの「1/12 ブガッティタイプ35Bロードスター」も気になります。キットは先に発売されているロードスターにライトフェンダーを新金型で追加したバリエーションモデルですが、これがまたカッコ良いのですよ。

▼イタレリ「1/12 ブガッティタイプ35Bロードスター」(2万8600円)

2024年5月発売予定(プラッツ扱い)

▼レベル「1/144 UボートTypeⅨ CX40」(4730円)

2024年夏発売予定

▲ドイツレベルは1/144スケールでUボートTypeⅦCなど、バリエーションモデルをキット化している。UボートTypeⅨ CX40は初のキット化だ

▼マジックファクトリー「アメリカ海兵隊攻撃機 A-4M スカイホーク」(1万2460円)

2024年6月30日発売予定(ビーバーコーポレーション扱い)


▼アーモリーホビー「1/32 DH.89ドラゴンラピッド」(1万6940円)

6月以降発売(ビーバーコーポレーション扱い)

 

>> [連載]達人のプラモ術

<取材・文/長谷川迷人>

長谷川迷人|東京都出身。モーターサイクル専門誌や一般趣味雑誌、模型誌の編集者を経て、模型製作のプロフェッショナルへ。プラモデル製作講座の講師を務めるほか、雑誌やメディア向けの作例製作や原稿執筆を手がける。趣味はバイクとプラモデル作りという根っからの模型人。YouTube
モデルアート公式チャンネル」
などでもレビューを配信中。

 

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