25年ほど使ってきたスタジオからの引っ越しは、溢れかえるモノ達との気が遠くなるような関係性再構築作業の連続だった。何か前向きに楽しめることからはじめようと思って最初に取り掛かったのが、数千枚所有しているアナログレコードの分類、取捨選択だった。
一枚一枚磨いては針を落としていく。何も引っかからなかったレコードは人生初の売却群へ。良いと思えたものにはマーキング。以前はこれをスタジオ文具の大定番、ScotchのドラフティングテープにZEBRA ハイマッキーの細のほうで「A-1!」など書き込んで、未来の自分へのメッセージとしていた。
が、これはレコードジャケットにくっつき過ぎて後に剥がそうものならジャケットを激しく痛めてしまうことに気づく。そこで最近では、EUROCEL MonoGraphという弱粘着の貼って剥がせるテープマーカを使っている。これは趣味である文房具コーナー巡りをしている時に、そのあまりの発色の良さに目を奪われて購入してあったものだ。
白いジャケットに貼った時、特にピンクの美しさが素晴らしい。写真で伝えられないのが残念だ。そしてさらに残念なことに、このEUROCELL MonoGraph、最近では購入することができない。もしかすると廃盤になってしまったのか。残念といえば、これを購入した渋谷東急のMARUZEN & ジュンク堂書店も建物ごと無くなってしまった。テレビ番組のロケで、貸切状態で撮影させて貰えたのも今では貴重な思い出となっている。
MonoGraphに限らず、全面貼りのふせんやテープを貼って箱の中身がわかるようにする際にも大活躍してくれるのが、ZEBRA マッキーケア超極細だ。みなさんお馴染みのマッキー極細よりもさらに細い0.7mmと0.3mmの「超極細」。0.7mmで見やすく書いた文字に0.3mmで追加情報がきっちり書き込めた時の満足感を是非味わってみて欲しい。直近で役立ちそうだなと思っているのが、増え散らかすMac周辺機器のケーブルにタグをつけていく時。どんな素材のものでも油性のマッキー超極細なら丁寧に書き込もうと思わせてくれるはずだ。
ハイマッキーやマッキー極細と違って、どこでも買えるものではないかもしれない。だからこそもしも出会ったとしたら是非一本購入してみて欲しい。ふいに訪れるプラスチックカードの住所書き換えの試練が楽しくなること間違いないから。
これがなくなってしまったら嫌だから、俺は箱で買っておこう。
※2024年6月6日発売「GoodsPress」7月号117ページの記事をもとに構成しています
<写真・文/KREVA 写真(キービジュアル)/藪内努 ヘアメイク/結城藍 スタイリスト/藤本大輔(tas) 構成/TOMMY>
シャツ2万6400円(マスターキー/ティーニーランチ)
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